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私と一緒に城へやってきたジュリアンを見て、父は大喜びだった。
「おお! こんなみすぼらしい城に、ロタリンギアの次期国王が! 光栄です! 何もない所ですが、ささ、どうぞ」
カエルのジュリアンをひょいと摘まみ上げ、絹のクッションを山積みにしたソファーに乗せた。
「お言葉ですが、モランシー公爵。僕は、王太子を廃嫡された身です。国王の座は、弟が継ぐことになるでしょう」
丁寧に言いながら、ジュリアンは、柔らかいクッションに埋没しそうになって、じたばたしている。
「なにをおっしゃる!」
父は、芯から意外そうだった。
「ジュリアン殿下におかれましては、間もなく、人間の姿にお戻りになります。ゆえに、問題なく、ロタリンギア王に即位されるはずです」
「それは、どういう……」
力尽き、クッションの底に沈みつつ、ジュリアンが尋ねた。窒息しかかっている。慌てて私は、彼を掬い上げた。
そんな私を、父が、ぎろりと睨む。
「お前、そこにいたのか。尼僧長から、報告があったぞ。修道院行は取りやめになった」
「え、どゆこと?」
あんまり驚いたので、せっかくクッションの中から掘り出したジュリアンを、落としそうになったくらいだ。尼僧長様ったら、神様にとりなしてくれると言ったのに。
「神から、託宣があったのだ。神の花嫁として、お前は、ふさわしくないと」
「えええええーーーーーーーーーーっ!」
あんまりだ。あんまりです、神様。
そりゃ、私は、今まで何をやってもダメだったけど、修道院って、そういう貴族令嬢の為にあるんでしょ? その修道院へ入ることを拒絶されたら、私は一体、どうしたらいいんですか?
子産み子育ても、骨休めも、どっちの道もダメなら、いったい私は、どうやって生きて行けば……。
「嘆くことはないぞ、コルデリア」
さっきとは打って変わり、父が慈愛深げに、私を見ている。正確には、私の膝の上のカエルを。
「どうぞ」
にっこり笑って、父は言った。
「はい?」
膝の上で、カエルが首を傾げた。かわいい。もう、食べちゃいたいくらい。
「ですから、どうぞ」
「何をですか?」
「コルデリアを差し上げます」
ケロッ、と鳴こうとして、ジュリアンが息を詰まらせた。驚いたのは、私も同じだ。
「ちょっと、お父様! 何を言うの! 私は婚約破棄されたのよ!」
「ごめん、ごめんよ、コルデリア……」
「謝ることなんかありませんよ、ジュリアン殿下」
ジュリアンは私に謝ったのに、父が応じた。
「婚約は、破棄されてはおりませぬ。それでよろしいですね?」
「だってお父様。卒業パーティーの時……、」
「お前は黙ってろ、コルデリア! 呪文を間違えたくせに」
それを言われると、一言もない。
膝の上で、ジュリアンが、ぴょんと跳ねた。
「モランシー公爵は、いいのですか? こんな……僕のように不誠実な男に。大切な令嬢を」
「コルデリアは別に大切ではありませんがね。下の三人の女の子たちは、そうでもありませんが。それにあなたは、不実ではありません。自分に正直に生きようとしただけです。ジュリアン殿下。あなたの気持ちはよくわかります。無理もないことです。なにせ、わが娘ながら、コルデリアは、こんなんですからね」
今、微妙にディスられた気が……。
「しかし、僕はエリザベーヌと……」
「あなたは彼女にダマされただけです。全く、悪い女がいるものだ!」
「はあ」
にっこりと父は微笑んだ。私の膝の上のジュリアンを、優しく見つめている。
「今のあなたのお気持ち、しかと受け止めましたぞ」
今のジュリアンの気持ち? つか、なぜお父様が受け止めるの?
微笑みつつ、父は続けた。
「よろしければ、今夜にでも。いや、なんなら、今からでも構いません。さっそくメイドに褥の準備をさせます。さすればあなたは、すぐに元のお姿に戻ります。ロタリンギアの次の王位は、あなたのものですぞ、ジュリアン殿下」
今夜にでも?
褥?
元の姿に戻る!?
ジュリアンを膝に乗せたまま、ぽかんと口を開けている私を、父は指さした。
「ほら。今でもコルデリアは、昔と変わらず、あなた様のことを、慕っておりまする」
「違うわ!」
思わず立ち上がり、私は叫んだ。
「私が好きなのは、カエルなの。ジュリアンではないわ!」
「コルデリア! こら! 国のことを考えよ!」
父が激高した。
「モランシー公爵家令嬢としての責務を果たすのだ。モランシーは、ロタリンギアと、外戚にならねばならぬ! 儂は、未来のロタリンギア王のお祖父ちゃんになりたいんじゃあーーっ!」
なんか、怨念籠った凄まじい迫力だ。
「それだったら、」
負けずに私も言い返す。
「ロタリンギアにはもう、異母姉が、ジュリアンのお父様の所に嫁いでいるじゃない!」
「馬鹿者! 王の年齢を考えろ! デズデモーナに子など産めるものか!」
はっと、父は、カエルを見た。
「………………」
私が立ち上がった拍子に、ジュリアンは、私の膝から振り落とされ、赤いじゅうたんの上に這いつくばっていた。
「あ、ごめんなさい……」
掬い上げようとてのひらを差し出したが、ジュリアンは、いつものようには、乗ってはこなかった。
「コルデリア。君は僕が、嫌いかい?」
傷ついた声が尋ねた。私は慌てた。
「いいえ、そんなことはないわ」
「好きって、言ってくれないんだね」
「あなたのことは、大好きよ」
「君が好きなのは、カエルのジュリアンだ」
心の傷を押し隠すような、強い声だった。その通りなんだけど、さすがに私は、申し訳なさでいっぱいになった。
「カエルは好きだけど。でも、それは、最近のことよ? 昔は、カエルなんて、大っ嫌いだったわ」
つまり私は、ジュリアンがカエルになったから、カエルが好きになったのだ、と言いたかったわけで……。
「もうっ! お父様が変なことを言い出すから、話がややこしくなったじゃない」
「ややこしくしているのは誰だ! だいたいお前が、『ei』をだな、」
「何度その話を蒸し返すの!」
「せっかくのお話ですが、モランシー公爵。このお話はお受けすることができません」
にらみ合う私と父の足元から、静かな声が聞こえた。
「僕はやっぱり、レメニー河へ帰ります。そこで、カエルとしての人生を送ります」
「しっ、しかし、殿下! あなたももう、17歳。ご結婚は?」
父が、変なことを尋ねてる。動転しているのだ。
全てを決めてしまった者の穏やかな声で、ジュリアンが答えた。
「ご心配なく。カエルの妻を娶ります」
「カエルの妻ですと? カエルを王妃に!?」
悲鳴のような声で、父が叫んだ
「ああ、なんということだ。ロタリンギアの第一王子が、御乱心召された……」
よろよろと、父は部屋を出ていった。
「ジュリアン、カエルのおムコさんになるの?」
カエルのメスの上に乗っかったジュリアンの姿を、私は思い浮かべた。それほど、私には衝撃だった。思わず、叫んだ。
「ダメよ! 絶対、ダメ!」
「コルデリア?」
「ジュリアン。あなたは、私の側にいるの。ずっと、ずっとよ!」
「側においてくれるんだね? コルデリア。君の側に」
感極まったのか、ジュリアンが泣き出した。
「ずっと、カエルのままでいい。君がそばにおいてくれるなら」
「あなたこそ、よそのカエルの所へ行かないで」
ずっと言いたかったことを、私は言った。ずっと前から。……“カエル”じゃなくて……“エリザベーヌ”と。
べ、別に、人間のジュリアンなんか、少しも好きじゃなかったけど! 今だって、カエルのジュリアンの方が、どれだけ好きか!
「君がいるんだもの。どこへも行くものか」
クビを振って涙を振り飛ばし、ジュリアンが言った。
「約束よ」
私は彼を掬い上げ、その冷たい体に、頬ずりをした。
「おお! こんなみすぼらしい城に、ロタリンギアの次期国王が! 光栄です! 何もない所ですが、ささ、どうぞ」
カエルのジュリアンをひょいと摘まみ上げ、絹のクッションを山積みにしたソファーに乗せた。
「お言葉ですが、モランシー公爵。僕は、王太子を廃嫡された身です。国王の座は、弟が継ぐことになるでしょう」
丁寧に言いながら、ジュリアンは、柔らかいクッションに埋没しそうになって、じたばたしている。
「なにをおっしゃる!」
父は、芯から意外そうだった。
「ジュリアン殿下におかれましては、間もなく、人間の姿にお戻りになります。ゆえに、問題なく、ロタリンギア王に即位されるはずです」
「それは、どういう……」
力尽き、クッションの底に沈みつつ、ジュリアンが尋ねた。窒息しかかっている。慌てて私は、彼を掬い上げた。
そんな私を、父が、ぎろりと睨む。
「お前、そこにいたのか。尼僧長から、報告があったぞ。修道院行は取りやめになった」
「え、どゆこと?」
あんまり驚いたので、せっかくクッションの中から掘り出したジュリアンを、落としそうになったくらいだ。尼僧長様ったら、神様にとりなしてくれると言ったのに。
「神から、託宣があったのだ。神の花嫁として、お前は、ふさわしくないと」
「えええええーーーーーーーーーーっ!」
あんまりだ。あんまりです、神様。
そりゃ、私は、今まで何をやってもダメだったけど、修道院って、そういう貴族令嬢の為にあるんでしょ? その修道院へ入ることを拒絶されたら、私は一体、どうしたらいいんですか?
子産み子育ても、骨休めも、どっちの道もダメなら、いったい私は、どうやって生きて行けば……。
「嘆くことはないぞ、コルデリア」
さっきとは打って変わり、父が慈愛深げに、私を見ている。正確には、私の膝の上のカエルを。
「どうぞ」
にっこり笑って、父は言った。
「はい?」
膝の上で、カエルが首を傾げた。かわいい。もう、食べちゃいたいくらい。
「ですから、どうぞ」
「何をですか?」
「コルデリアを差し上げます」
ケロッ、と鳴こうとして、ジュリアンが息を詰まらせた。驚いたのは、私も同じだ。
「ちょっと、お父様! 何を言うの! 私は婚約破棄されたのよ!」
「ごめん、ごめんよ、コルデリア……」
「謝ることなんかありませんよ、ジュリアン殿下」
ジュリアンは私に謝ったのに、父が応じた。
「婚約は、破棄されてはおりませぬ。それでよろしいですね?」
「だってお父様。卒業パーティーの時……、」
「お前は黙ってろ、コルデリア! 呪文を間違えたくせに」
それを言われると、一言もない。
膝の上で、ジュリアンが、ぴょんと跳ねた。
「モランシー公爵は、いいのですか? こんな……僕のように不誠実な男に。大切な令嬢を」
「コルデリアは別に大切ではありませんがね。下の三人の女の子たちは、そうでもありませんが。それにあなたは、不実ではありません。自分に正直に生きようとしただけです。ジュリアン殿下。あなたの気持ちはよくわかります。無理もないことです。なにせ、わが娘ながら、コルデリアは、こんなんですからね」
今、微妙にディスられた気が……。
「しかし、僕はエリザベーヌと……」
「あなたは彼女にダマされただけです。全く、悪い女がいるものだ!」
「はあ」
にっこりと父は微笑んだ。私の膝の上のジュリアンを、優しく見つめている。
「今のあなたのお気持ち、しかと受け止めましたぞ」
今のジュリアンの気持ち? つか、なぜお父様が受け止めるの?
微笑みつつ、父は続けた。
「よろしければ、今夜にでも。いや、なんなら、今からでも構いません。さっそくメイドに褥の準備をさせます。さすればあなたは、すぐに元のお姿に戻ります。ロタリンギアの次の王位は、あなたのものですぞ、ジュリアン殿下」
今夜にでも?
褥?
元の姿に戻る!?
ジュリアンを膝に乗せたまま、ぽかんと口を開けている私を、父は指さした。
「ほら。今でもコルデリアは、昔と変わらず、あなた様のことを、慕っておりまする」
「違うわ!」
思わず立ち上がり、私は叫んだ。
「私が好きなのは、カエルなの。ジュリアンではないわ!」
「コルデリア! こら! 国のことを考えよ!」
父が激高した。
「モランシー公爵家令嬢としての責務を果たすのだ。モランシーは、ロタリンギアと、外戚にならねばならぬ! 儂は、未来のロタリンギア王のお祖父ちゃんになりたいんじゃあーーっ!」
なんか、怨念籠った凄まじい迫力だ。
「それだったら、」
負けずに私も言い返す。
「ロタリンギアにはもう、異母姉が、ジュリアンのお父様の所に嫁いでいるじゃない!」
「馬鹿者! 王の年齢を考えろ! デズデモーナに子など産めるものか!」
はっと、父は、カエルを見た。
「………………」
私が立ち上がった拍子に、ジュリアンは、私の膝から振り落とされ、赤いじゅうたんの上に這いつくばっていた。
「あ、ごめんなさい……」
掬い上げようとてのひらを差し出したが、ジュリアンは、いつものようには、乗ってはこなかった。
「コルデリア。君は僕が、嫌いかい?」
傷ついた声が尋ねた。私は慌てた。
「いいえ、そんなことはないわ」
「好きって、言ってくれないんだね」
「あなたのことは、大好きよ」
「君が好きなのは、カエルのジュリアンだ」
心の傷を押し隠すような、強い声だった。その通りなんだけど、さすがに私は、申し訳なさでいっぱいになった。
「カエルは好きだけど。でも、それは、最近のことよ? 昔は、カエルなんて、大っ嫌いだったわ」
つまり私は、ジュリアンがカエルになったから、カエルが好きになったのだ、と言いたかったわけで……。
「もうっ! お父様が変なことを言い出すから、話がややこしくなったじゃない」
「ややこしくしているのは誰だ! だいたいお前が、『ei』をだな、」
「何度その話を蒸し返すの!」
「せっかくのお話ですが、モランシー公爵。このお話はお受けすることができません」
にらみ合う私と父の足元から、静かな声が聞こえた。
「僕はやっぱり、レメニー河へ帰ります。そこで、カエルとしての人生を送ります」
「しっ、しかし、殿下! あなたももう、17歳。ご結婚は?」
父が、変なことを尋ねてる。動転しているのだ。
全てを決めてしまった者の穏やかな声で、ジュリアンが答えた。
「ご心配なく。カエルの妻を娶ります」
「カエルの妻ですと? カエルを王妃に!?」
悲鳴のような声で、父が叫んだ
「ああ、なんということだ。ロタリンギアの第一王子が、御乱心召された……」
よろよろと、父は部屋を出ていった。
「ジュリアン、カエルのおムコさんになるの?」
カエルのメスの上に乗っかったジュリアンの姿を、私は思い浮かべた。それほど、私には衝撃だった。思わず、叫んだ。
「ダメよ! 絶対、ダメ!」
「コルデリア?」
「ジュリアン。あなたは、私の側にいるの。ずっと、ずっとよ!」
「側においてくれるんだね? コルデリア。君の側に」
感極まったのか、ジュリアンが泣き出した。
「ずっと、カエルのままでいい。君がそばにおいてくれるなら」
「あなたこそ、よそのカエルの所へ行かないで」
ずっと言いたかったことを、私は言った。ずっと前から。……“カエル”じゃなくて……“エリザベーヌ”と。
べ、別に、人間のジュリアンなんか、少しも好きじゃなかったけど! 今だって、カエルのジュリアンの方が、どれだけ好きか!
「君がいるんだもの。どこへも行くものか」
クビを振って涙を振り飛ばし、ジュリアンが言った。
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