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黎明 ―はじまりのパーティ―
第14話 そっか、努力しないとね
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超カッコいい父上のあいさつの後、北方連盟集会が始まった。
突っ込みたいことはいっぱいあるけど父上は母上を連れて会場の中心に行っちゃったので、仕方ない後で聞こう。
リア姉はリア姉で専属侍女のアグニ―タを連れて、お友達?がいる方へとっとこと行ってしまった。貴族モードは解除され、いつも通りのお転婆モードに戻っている。
俺はというと未だのいまだに、じいちゃんの肩の上だ。
「わしは、おぬしの虫除《むしよ》けじゃよ」
そういうことらしい。
ずっと座ってたもんだから、すでに恐怖はない。むしろアスレチックみたいで楽しい。
そこへ、金色のたてがみを生やした、がたいの良いおじさんがやってくる。
(ライオンみたいな人だ…てか、じいちゃんと同じくらいデカくないか?!)
「久しいな、ディー」
「おう、まだくたばってねぇのかマクシム」
「ぬかせ」
随分と乱暴な会話であるが、二人ともどこか嬉しそうだ。
「その肩に乗ってんのが次期辺境伯様か?」
ライオンが俺を見ながらニヒルな笑みを浮かべ、じいちゃんに尋ねる。
「ああそうだ、と言ってもこやつがそれで収まるかどうかは知らんのぉ……」
「ほぅ、将来有望ということか―――のぅ坊主、わしのことはディーおじさんと呼んでくれて構わんぞ」
そう言って顔をクシャッとさせ、歯を見せて笑う。俺の頭に手を伸ばし髪をわしゃわしゃッと撫でてきた。
じいちゃんはあまり面白くなさそうだが、止めない。信頼しているのだろう。
それよりも、
(やっぱ俺って長男だったんだぁ、頑張らないとな、はぁ~)
今まではなるべく聞かないようにしていたその事実。しかし、先ほどの自問自答の末にした決意が俺の中の何かを変えたのかそこまでダメージを受けずに受け止めることができた。
「気が済んだのなら、どっかに行け。あ~、痛かったじゃろう?アルよ。よしよし」
ずっと俺の頭を撫でていたディーおじさんの手を叩き落とし上書きするように頭を撫でてくるじいちゃん。
それを見たディーおじさんは「またか、」と言いその場を去ろうとする。
「ばいばい、でぃーおじさん」
俺がそう言うと、ディーおじさんは驚いた顔をして「あぁ、」と言い今度こそ立ち去って行った。
「アル、今の獣のような男はディーウィット・ドンナー・ブリッツシュラーク=シュトゥルムというやつじゃ。あれでもブリッツシュラーク侯爵《こうしゃく》家の先代当主だ。腕も立つ。おぬしに何かあればあ奴を頼るとよい。最後の奴の顔は傑作《けっさく》じゃった、でかしたぞ。それでこそわしの孫じゃ」
わしゃわしゃと俺の頭を優しく撫でる。
俺はというと、
(ふぁっ!?侯爵!?まじか……)
内心慌てふためいていた。
じいちゃんとディーおじさんの会話を聞く限り、二人にはかなり強固な信頼関係がある。これは間違いないだろう。
しかしここは貴族の社交場である。父上は些細《ささいな》礼儀作法は気にすんなと言っていたが、それにも限度があると思う。
そんな状況下で、この二人は結構な声量で話していた。しかも、じいちゃんの対応はディーおじさんと同等の立場かそれ以上と言っていいほど横柄なもの…
つまり、辺境伯という爵位は場合によっては、侯爵以上のものになるということである。これはあくまでも推測だ、ディーおじさんもじいちゃんも家督を譲っているからね。ただ、集会の中で一番偉いの父上っぽいので、この推測もあながち間違いではないだろう。
だって堂々と、北方連盟盟主《ほっぽうれんめいめいしゅ》って言ってたもの…
(それを背負うことになるかもしれないってことだよなぁ、俺)
―――あぁ、努力しないと。
突っ込みたいことはいっぱいあるけど父上は母上を連れて会場の中心に行っちゃったので、仕方ない後で聞こう。
リア姉はリア姉で専属侍女のアグニ―タを連れて、お友達?がいる方へとっとこと行ってしまった。貴族モードは解除され、いつも通りのお転婆モードに戻っている。
俺はというと未だのいまだに、じいちゃんの肩の上だ。
「わしは、おぬしの虫除《むしよ》けじゃよ」
そういうことらしい。
ずっと座ってたもんだから、すでに恐怖はない。むしろアスレチックみたいで楽しい。
そこへ、金色のたてがみを生やした、がたいの良いおじさんがやってくる。
(ライオンみたいな人だ…てか、じいちゃんと同じくらいデカくないか?!)
「久しいな、ディー」
「おう、まだくたばってねぇのかマクシム」
「ぬかせ」
随分と乱暴な会話であるが、二人ともどこか嬉しそうだ。
「その肩に乗ってんのが次期辺境伯様か?」
ライオンが俺を見ながらニヒルな笑みを浮かべ、じいちゃんに尋ねる。
「ああそうだ、と言ってもこやつがそれで収まるかどうかは知らんのぉ……」
「ほぅ、将来有望ということか―――のぅ坊主、わしのことはディーおじさんと呼んでくれて構わんぞ」
そう言って顔をクシャッとさせ、歯を見せて笑う。俺の頭に手を伸ばし髪をわしゃわしゃッと撫でてきた。
じいちゃんはあまり面白くなさそうだが、止めない。信頼しているのだろう。
それよりも、
(やっぱ俺って長男だったんだぁ、頑張らないとな、はぁ~)
今まではなるべく聞かないようにしていたその事実。しかし、先ほどの自問自答の末にした決意が俺の中の何かを変えたのかそこまでダメージを受けずに受け止めることができた。
「気が済んだのなら、どっかに行け。あ~、痛かったじゃろう?アルよ。よしよし」
ずっと俺の頭を撫でていたディーおじさんの手を叩き落とし上書きするように頭を撫でてくるじいちゃん。
それを見たディーおじさんは「またか、」と言いその場を去ろうとする。
「ばいばい、でぃーおじさん」
俺がそう言うと、ディーおじさんは驚いた顔をして「あぁ、」と言い今度こそ立ち去って行った。
「アル、今の獣のような男はディーウィット・ドンナー・ブリッツシュラーク=シュトゥルムというやつじゃ。あれでもブリッツシュラーク侯爵《こうしゃく》家の先代当主だ。腕も立つ。おぬしに何かあればあ奴を頼るとよい。最後の奴の顔は傑作《けっさく》じゃった、でかしたぞ。それでこそわしの孫じゃ」
わしゃわしゃと俺の頭を優しく撫でる。
俺はというと、
(ふぁっ!?侯爵!?まじか……)
内心慌てふためいていた。
じいちゃんとディーおじさんの会話を聞く限り、二人にはかなり強固な信頼関係がある。これは間違いないだろう。
しかしここは貴族の社交場である。父上は些細《ささいな》礼儀作法は気にすんなと言っていたが、それにも限度があると思う。
そんな状況下で、この二人は結構な声量で話していた。しかも、じいちゃんの対応はディーおじさんと同等の立場かそれ以上と言っていいほど横柄なもの…
つまり、辺境伯という爵位は場合によっては、侯爵以上のものになるということである。これはあくまでも推測だ、ディーおじさんもじいちゃんも家督を譲っているからね。ただ、集会の中で一番偉いの父上っぽいので、この推測もあながち間違いではないだろう。
だって堂々と、北方連盟盟主《ほっぽうれんめいめいしゅ》って言ってたもの…
(それを背負うことになるかもしれないってことだよなぁ、俺)
―――あぁ、努力しないと。
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