6 / 11
第一章 運命の歯車は動き出す
第5話「無駄」
しおりを挟む
『じゃあ~、今から皆に集まってもらった理由を話すね♪それはね、ここにいる皆で人狼ゲームをやってもらいたいんだっ☆』
「(は?誘拐理由が人狼ゲーム…?また…何でだ…?本当に意図が読めない)」
「(本当にコイツらは何がしたい?俺達をどうしたいんだ…?)」
『でも~普通の人狼ゲームじゃないよぉ~?』
「どういうことよっ!?」
「(普通じゃない…?確か人狼ゲームは…、人狼は人間を殺し、人間は人狼を当てる。というゲームだったか…)」
「…ん?人狼は人間を殺す……。もしかして…!」
春叶は想像してしまった。最悪な想像を。嫌な予感がした。絶対に当たってほしくない予感。
『ふふふっ♪それはね、今から君達がやるのは本物の人狼ゲーム。そう、簡単に言えば命を賭けた人狼ゲームっ☆』
『どう?やりたい?やりたい??』
「…………っ」
それを聞いた春叶は思わず息を呑んだ。
「(やりたいわけないだろう…。殺人ゲームだなんて…。言い方を変えれば仲間を殺せと言っているようなものだぞ)」
だが、恐らく彼らに拒否権は無いだろう。やるしかない……とそう春叶が考えた瞬間の事だった。
「おい!ふざけんな!!勝手に連れ去っておいて命を賭けてゲームをしろ…?は?ふざけんじゃねぇよ!」
「そうだ!そうだ!」
「家に帰らせろ!!」
周りが騒ぎ出した。確かに反抗したくなる気持ちも分かるが。
『えぇ~?!みんなやりたくないのぉ~??そんなぁ~…。じゃあ、帰りたい人は帰っていいよっ☆』
「(は…?何言ってんのコイツ。言ってる事とやってる事が違いすぎるでしょ。あんな強引に連れ去っておいて、帰りたがったら帰してくれる…?)」
「本当か…!?」
と一人の少年が仮面に問う。昴にとって、その少年は見覚えがあった。昴と同じクラスだからだ。
『うん…。だってみんなやりたくないんでしょぉ…?じゃあもういいよ。出口はあっちだからねっ♪』
その言葉を聞いて、約30人が出口へと向かっていった。
「(いや…、何かおかしい。必ず何か見落としている)」
春叶は何かが引っかかった。
「(こいつの本当の意図は?)」
確証はない。ただの勘。もしかしたら本当に帰らせるのかもしれない。
でも、もし彼のこの引っかかりが間違いではないのなら…恐らく誰かしらが死ぬだろう。
それは避けたい。これ以上死者を増やすのは春叶にとって本意ではなかった。
「(考えろ。少ないピースを繋ぎ合わせて、限りない真実へと少しでも近づけ)」
「(100人…80人…。減った20人。人狼ゲーム…。コイツらの最初からの目的が本当に人狼ゲームだったら…?)」
「(どうして人数を減らした…?ただゲームをするなら、殺す必要なんかなかったはずだ)」
「(じゃあ、どうして減らした…?人数…、人狼ゲームは10数人でやるゲーム…………)」
「…………!」
春叶は一つの仮定に辿り着いた。
「(そういうことか…!まずい…!急いで出口へ向かう人を止めなくては…!)」
「みんな…、ちょっと待て!止ま……」
だが、出口へ向かった人達を助ける為の春叶の行動は、一人の少女によって止められた。
「無駄。助けたって無駄なの」
艷やかな銀髪と透き通るような淡い紫の瞳、よく耳に通る声が特徴的な少女だった。
「白鐘…?どうして…?!このままじゃ手遅れに…」
少女の名前は白鐘リリィ。春叶と同じクラスの少女だ。
「それが無駄なの…!あの人達は自分達が助かると本気で思ってるの!」
「どういうことだ…?」
「リリィ達は今から…、殺し合いをするの…。でもただの殺し合いじゃない。これは頭脳戦なの。今の言葉の意図までは理解できなくても、これぐらい自分で考えられきゃ…生き残れないの」
「だが…、このまま見殺しにする事なんか無理だ…!」
「駄目なの…!早くこうしてあげたほうがあの人達の為なの!例え今…、藤宮くんが助けたとしてもすぐに死んでしまうの…!」
「(は?誘拐理由が人狼ゲーム…?また…何でだ…?本当に意図が読めない)」
「(本当にコイツらは何がしたい?俺達をどうしたいんだ…?)」
『でも~普通の人狼ゲームじゃないよぉ~?』
「どういうことよっ!?」
「(普通じゃない…?確か人狼ゲームは…、人狼は人間を殺し、人間は人狼を当てる。というゲームだったか…)」
「…ん?人狼は人間を殺す……。もしかして…!」
春叶は想像してしまった。最悪な想像を。嫌な予感がした。絶対に当たってほしくない予感。
『ふふふっ♪それはね、今から君達がやるのは本物の人狼ゲーム。そう、簡単に言えば命を賭けた人狼ゲームっ☆』
『どう?やりたい?やりたい??』
「…………っ」
それを聞いた春叶は思わず息を呑んだ。
「(やりたいわけないだろう…。殺人ゲームだなんて…。言い方を変えれば仲間を殺せと言っているようなものだぞ)」
だが、恐らく彼らに拒否権は無いだろう。やるしかない……とそう春叶が考えた瞬間の事だった。
「おい!ふざけんな!!勝手に連れ去っておいて命を賭けてゲームをしろ…?は?ふざけんじゃねぇよ!」
「そうだ!そうだ!」
「家に帰らせろ!!」
周りが騒ぎ出した。確かに反抗したくなる気持ちも分かるが。
『えぇ~?!みんなやりたくないのぉ~??そんなぁ~…。じゃあ、帰りたい人は帰っていいよっ☆』
「(は…?何言ってんのコイツ。言ってる事とやってる事が違いすぎるでしょ。あんな強引に連れ去っておいて、帰りたがったら帰してくれる…?)」
「本当か…!?」
と一人の少年が仮面に問う。昴にとって、その少年は見覚えがあった。昴と同じクラスだからだ。
『うん…。だってみんなやりたくないんでしょぉ…?じゃあもういいよ。出口はあっちだからねっ♪』
その言葉を聞いて、約30人が出口へと向かっていった。
「(いや…、何かおかしい。必ず何か見落としている)」
春叶は何かが引っかかった。
「(こいつの本当の意図は?)」
確証はない。ただの勘。もしかしたら本当に帰らせるのかもしれない。
でも、もし彼のこの引っかかりが間違いではないのなら…恐らく誰かしらが死ぬだろう。
それは避けたい。これ以上死者を増やすのは春叶にとって本意ではなかった。
「(考えろ。少ないピースを繋ぎ合わせて、限りない真実へと少しでも近づけ)」
「(100人…80人…。減った20人。人狼ゲーム…。コイツらの最初からの目的が本当に人狼ゲームだったら…?)」
「(どうして人数を減らした…?ただゲームをするなら、殺す必要なんかなかったはずだ)」
「(じゃあ、どうして減らした…?人数…、人狼ゲームは10数人でやるゲーム…………)」
「…………!」
春叶は一つの仮定に辿り着いた。
「(そういうことか…!まずい…!急いで出口へ向かう人を止めなくては…!)」
「みんな…、ちょっと待て!止ま……」
だが、出口へ向かった人達を助ける為の春叶の行動は、一人の少女によって止められた。
「無駄。助けたって無駄なの」
艷やかな銀髪と透き通るような淡い紫の瞳、よく耳に通る声が特徴的な少女だった。
「白鐘…?どうして…?!このままじゃ手遅れに…」
少女の名前は白鐘リリィ。春叶と同じクラスの少女だ。
「それが無駄なの…!あの人達は自分達が助かると本気で思ってるの!」
「どういうことだ…?」
「リリィ達は今から…、殺し合いをするの…。でもただの殺し合いじゃない。これは頭脳戦なの。今の言葉の意図までは理解できなくても、これぐらい自分で考えられきゃ…生き残れないの」
「だが…、このまま見殺しにする事なんか無理だ…!」
「駄目なの…!早くこうしてあげたほうがあの人達の為なの!例え今…、藤宮くんが助けたとしてもすぐに死んでしまうの…!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ゴーストバスター幽野怜
蜂峰 文助
ホラー
ゴーストバスターとは、霊を倒す者達を指す言葉である。
山奥の廃校舎に住む、おかしな男子高校生――幽野怜はゴーストバスターだった。
そんな彼の元に今日も依頼が舞い込む。
肝試しにて悪霊に取り憑かれた女性――
悲しい呪いをかけられている同級生――
一県全体を恐怖に陥れる、最凶の悪霊――
そして、その先に待ち受けているのは、十体の霊王!
ゴーストバスターVS悪霊達
笑いあり、涙あり、怒りありの、壮絶な戦いが幕を開ける!
現代ホラーバトル、いざ開幕!!
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
こわくて、怖くて、ごめんなさい話
くぼう無学
ホラー
怖い話を読んで、涼しい夜をお過ごしになってはいかがでしょう。
本当にあった怖い話、背筋の凍るゾッとした話などを中心に、
幾つかご紹介していきたいと思います。
怨霊師
覧都
ホラー
怨霊師とは怨念を纏いて怨霊を使役する者也
一人の少年の両親が目の前で怨霊となり、少年はそれが見えるようになります。
そのせいか、人々の黒い物、怨念まで見えるようになりました。
見えるようになった少年の目には、世の中に黒い怨念があふれているように見えます。
そして、その中でも強い怨念は人に悪影響を及ぼす事を知り、人知れずそれを取り除いていました。
あるとき怨霊に取り憑かれた暴走族が、殺人をするところを目撃します。
少年は怒りに我を忘れます。
我を忘れた少年の体から、取り除いていたはずの大量の怨念が飛び出しました。
飛び出した大量の怨念は怨霊に吸収されると、とりついている暴走族を自由に動かし、殺してしまいました。
その時、少年は自分の出来る事を理解し、自らを怨霊師と名のる事にしました。
怨霊師となった少年は、その力で怨霊に取り憑かれてもなお悪事を働く者達に正義の鉄槌を加えます。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
AstiMaitrise
椎奈ゆい
ホラー
少女が立ち向かうのは呪いか、大衆か、支配者か______
”学校の西門を通った者は祟りに遭う”
20年前の事件をきっかけに始まった祟りの噂。壇ノ浦学園では西門を通るのを固く禁じる”掟”の元、生徒会が厳しく取り締まっていた。
そんな中、転校生の平等院霊否は偶然にも掟を破ってしまう。
祟りの真相と学園の謎を解き明かすべく、霊否たちの戦いが始まる———!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる