僕の願いと君の嘘

番外編

海斗の専属執事川野の話

コンコンとドアを叩く。

「あぁ、入ってくれ」

「坊ちゃん、失礼致します。」

「昨夜はよく眠れましたか…？」

「……あ、あぁ…眠れたよ……」

「……坊ちゃん？」

「す…すまない…。今日はちゃんと寝るよ」

「はい、是非そうして下さい。」


私の名前は川野零(かわのれい)。海斗様専属の執事である。

私が仕えている海斗様はとてもよく出来た方だ。

執事の私や、他の使用人に対してすごく優しく喋らかけられたり、メイドが大変そうにしていると手伝おうして下さる。(毎回、川野やメイド達に止められる)

だが、優しすぎるあまり自分を犠牲になさる…。
いつも顔色があまり良くないし、この前なんか過労で倒れられた。

私はそんな海斗様が心配で心配で……。

ですが、最近はよく眠られている。きくと、同級生の白羽様や真珠様、琴葉様が休んでほしいとおっしゃられたそうだ。

「あ、川野…。今日一緒に買い物をしないか？」

「買い物ですか？欲しい物があるのでしたら、わたくしめが買ってきますが…。」

「そうじゃなくて、か…川野と一緒に出掛けたいんだ…」

そう言うと、海斗様は照れくさそうに顔を赤くしていた。

「はい。では、学園の授業が終わられましたら迎えに参ります。」

「あぁ、ありがとう。楽しみにしているよ」

今日も海斗様は可愛らしい…。

世界の全員が海斗様が敵になっても私だけは、いつも味方です。