きき かいかい

るいのいろ

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きき かいかい

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僕の町は 何かが変。

うちの庭の木には にわとりが実り、

その木のあしもとで 金魚が泳ぐ。

屋根の上には ひまわりが咲く。


今日も 学校へ行く。


隣のお家には クマの家族が住む。

そのお向かいには かみなりさまの親子が住む。



自販機の前で コオロギが僕を待つ。

「やあ、おはよう」

コオロギは 僕の後ろを歩く。


信号待ちで キーキーなるベビーカーを引く、

5歳の女の子と会う。

その後ろには、派手髪のお父さん。

口には、おしゃぶりを咥えて。


花屋のおばさんは 元気がない。

お店のお花に 栄養を分けてあげたんだって。

商品棚には、赤ちゃんしか見えないけど。


本屋のおじさんは ちっとも喋らない。

ずっと ずっと パソコンと睨めっこ。

ゴミが散乱してる 汚いなぁ。


学校までもうすぐ。


魚屋さんは 靴下を売ってる。

肉屋さんからは 甘いケーキを焼く匂いしかしない。


路地裏で パパが寝てる。

こんなところで寝てたんだ 帰ってこないから

心配したよ。

パパは僕のこと、覚えていないだろうけど。


ゴミ捨て場に 大量のぬいぐるみ。

拾っていくのは 子供じゃなくて 大人だけ。



ジリリリリ。ジリリリリ。


あ、授業が始まる。急がなきゃ。

教室の真ん中に 僕の机がひとつ。

今日は先生 くるかな?


さあ、1日がんばるぞ。

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