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袋の鼠
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「長老様ーーーーーーーーーー!!!」
「お主が無事でよかった…。しかしどうしたのじゃ、そんなに慌てて」
「ご心配おかけしました。それよりも大変なのです!我々の船が燃やされてしまったのです!」
「なに!?船が!?」
鬼之進が叫んだ。鬼たちはざわつき始めた。
「誰にやられたのじゃ」
「それが、大きな旗を持ったガキに動物が3びき、ワイワイ歌を歌いながら燃やしやがったんだ…」
「村長…!!」
「ああ。それが桃太郎じゃ。やはり居たのか!」
「その者共はどこに行ったのじゃ!」
「えっと…山の方へ向かいました。あ!それとこれ!」
「ん?なんじゃこれは」
それは小さなポーチだった。裏を見ると、幼い文字で「ヨウキ」と書いてあった。
「長老様…!!!」
「…急げ村長。みなを山へ向かわせるのじゃ。桃太郎を止めるのには今しかない。この機を逃すではないぞ。それと鬼之進、村長の命令に従い、みなを連れて山へ迎え、よいな」
「長老様はどうなさるのです…?」
「子供たちがこの島に入ったに違いない。どうやって入ったのかはわからんが、わしはこの子を探しに行く。見つけ次第わしもそちらに向かう」
「長老様!一人で行動するのは危険です!私も行きます!」
「大丈夫じゃ。任せられるのはお前しかおらん。頼むぞ、鬼之進」
「長老様…」
「村長、では頼むぞ。そして、私の仲間も」
「…任せておけ、長老。また後でな」
そうして長老は1人走って行った。
「では、みな着いてきてくれ。はぐれるんじゃないぞ」
長老を見送ったあと、村長も人間と鬼を連れて桃太郎がいるであろう山の方まで走った。
「「「も~もた~ろさん!も~もた~ろさん!」」」
山の奥から楽しげな歌が聞こえてくる。
「いやー!派手にやりましたねえ!桃太郎さん!」
「船が燃える匂いはいい匂いでしたねぇ~」
「いい匂い!いい匂い!」
「うむ。」
4人は鬼の船から持ってきた食料を持ち帰り、みんなで分け合って食べていた。
「あ、それはそうと桃太郎さん、この鬼たちどうしましょうか」
「鬼鍋!鬼鍋!」
「鬼の丸焼きなんでどうだ?美味そうじゃないか!?」
「う~ん。鍋!」
「さっすが桃太郎さん!やっぱり鬼は鍋で食べるのが1番ですよねー!」
「俺、鍋持ってくるよ!」
「俺も手伝うぜ!おっきい鍋がいるからな!」
犬と猿は2人で大きな大きな鍋を取りに行った。
キジと桃太郎の横には、ヨウキとルキの死体が転がされていた。
桃太郎は2つの死体をじーっとみていた。
「これ、これ、」
「ん?なんですか?桃太郎さん」
「これ、くれ」
「ああ。鬼のツノですか。こんなもの何に使うんですか?」
キジはそういいながら、ヨウキとルキのツノを折った。
そして、桃太郎に渡した。
「ふん!ふん!」
桃太郎はもらったツノを自分の頭にくっつけて遊んでいた。
「はっはー!お似合いですよ!桃太郎さん!」
キジは桃太郎をはやし立て、ご機嫌取りに徹していた。
「なあ、キバ」
「なんだ?」
「なんか焦げ臭くないか?」
「すんすん、ほんとだ。焦げ臭い!」
「なんの匂いだろう!見に行ってみようぜ!」
「うん!いくぞ!」
キバと悠太は食べていたリンゴを投げ捨て、焦げの匂いのする方へ走っていった。
「お主が無事でよかった…。しかしどうしたのじゃ、そんなに慌てて」
「ご心配おかけしました。それよりも大変なのです!我々の船が燃やされてしまったのです!」
「なに!?船が!?」
鬼之進が叫んだ。鬼たちはざわつき始めた。
「誰にやられたのじゃ」
「それが、大きな旗を持ったガキに動物が3びき、ワイワイ歌を歌いながら燃やしやがったんだ…」
「村長…!!」
「ああ。それが桃太郎じゃ。やはり居たのか!」
「その者共はどこに行ったのじゃ!」
「えっと…山の方へ向かいました。あ!それとこれ!」
「ん?なんじゃこれは」
それは小さなポーチだった。裏を見ると、幼い文字で「ヨウキ」と書いてあった。
「長老様…!!!」
「…急げ村長。みなを山へ向かわせるのじゃ。桃太郎を止めるのには今しかない。この機を逃すではないぞ。それと鬼之進、村長の命令に従い、みなを連れて山へ迎え、よいな」
「長老様はどうなさるのです…?」
「子供たちがこの島に入ったに違いない。どうやって入ったのかはわからんが、わしはこの子を探しに行く。見つけ次第わしもそちらに向かう」
「長老様!一人で行動するのは危険です!私も行きます!」
「大丈夫じゃ。任せられるのはお前しかおらん。頼むぞ、鬼之進」
「長老様…」
「村長、では頼むぞ。そして、私の仲間も」
「…任せておけ、長老。また後でな」
そうして長老は1人走って行った。
「では、みな着いてきてくれ。はぐれるんじゃないぞ」
長老を見送ったあと、村長も人間と鬼を連れて桃太郎がいるであろう山の方まで走った。
「「「も~もた~ろさん!も~もた~ろさん!」」」
山の奥から楽しげな歌が聞こえてくる。
「いやー!派手にやりましたねえ!桃太郎さん!」
「船が燃える匂いはいい匂いでしたねぇ~」
「いい匂い!いい匂い!」
「うむ。」
4人は鬼の船から持ってきた食料を持ち帰り、みんなで分け合って食べていた。
「あ、それはそうと桃太郎さん、この鬼たちどうしましょうか」
「鬼鍋!鬼鍋!」
「鬼の丸焼きなんでどうだ?美味そうじゃないか!?」
「う~ん。鍋!」
「さっすが桃太郎さん!やっぱり鬼は鍋で食べるのが1番ですよねー!」
「俺、鍋持ってくるよ!」
「俺も手伝うぜ!おっきい鍋がいるからな!」
犬と猿は2人で大きな大きな鍋を取りに行った。
キジと桃太郎の横には、ヨウキとルキの死体が転がされていた。
桃太郎は2つの死体をじーっとみていた。
「これ、これ、」
「ん?なんですか?桃太郎さん」
「これ、くれ」
「ああ。鬼のツノですか。こんなもの何に使うんですか?」
キジはそういいながら、ヨウキとルキのツノを折った。
そして、桃太郎に渡した。
「ふん!ふん!」
桃太郎はもらったツノを自分の頭にくっつけて遊んでいた。
「はっはー!お似合いですよ!桃太郎さん!」
キジは桃太郎をはやし立て、ご機嫌取りに徹していた。
「なあ、キバ」
「なんだ?」
「なんか焦げ臭くないか?」
「すんすん、ほんとだ。焦げ臭い!」
「なんの匂いだろう!見に行ってみようぜ!」
「うん!いくぞ!」
キバと悠太は食べていたリンゴを投げ捨て、焦げの匂いのする方へ走っていった。
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