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1章

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深夜、シルガは宿に巡らせていた探知魔法が反応したのを感じて目を覚ました。


「重要な話か?」

「まあ、主に苦情だな」

寒かろうと用意していたお茶を出すと ジスは嬉しそうに受け取った。
待ち構えていたシルガを見ても驚く様子はなかったので、探知魔法に気付いていたのだろう。ジスのこういうところは話が早くて助かっている。

「き…… ジスはいつ休んでるんだ?」

「えっ? 普通に休んでるぜ」

「……」

休むの意味が違うのかもしれない。

「アスレイヤが君みたいな無茶をしたら困る。休まないと身体が持たないぞ」

「なるほど、ついでに心配してくれてんのか」

「ついでってわけでもない。夜のルーンシェッド大森林がどれだけ危険かよく知ってるはずの君が、この時間にわざわざ行くほどの不穏なことでも起きてるんだろ。深くは聞かないが何かあってからじゃ遅い。君の同僚に連絡するとかそういう手段をとってほしい」

「へぇ、察しが良いな」

深く考えずに言った言葉があっさりと肯定されてしまった。

「え、そう……そんなに不穏な状況なのか?」

「ふぅん……」

思った以上に深刻なことになっているのだろうか。
逆に焦り始めたシルガを余所に、ジスはちょっと考えて言った。

「じゃ、一緒に行くか」

「え?」

「乗せてくぜ」

「え……」

それはとても魅力的な誘いだった。無謀な行動を諫めるために待ち伏せていたというのに……

(あ、悪魔の囁きってやつだこれ……!)



そんなやりとりをしたその後、剣を打ち合う様子を窓から見ながら今後の方針を考えていた。

(学校で学ぶ魔法ってどうなってるんだろ……)

シルガは正式な授業を受けたわけではないので、アスレイヤが学院で学ぶものの邪魔にならないように計画を立てなければならなかった。見せてもらった教科書はあまり実践的ではないが基礎になる大切な部分を担っていた。がしかしやはり、シルガの魔法とは少し違う。正規のものから外れた魔術式の組み立て方を教えても余計な混乱を招くだけだ。

(魔術式は学院に準拠するとして)

ソロのバーサーカーで活動するとなると攻撃が最大の防御なわけだから、身体強化と防御結界が最優先の魔法だ。それに加えて治癒魔法を使えれば単独活動でも心強いが、今はまだ魔力量が乏しいため3つ同時に使うのは厳しい。

(あの家にあった魔術書も覚えてないこともないけど、いきなり高度すぎるしな)

結局のとこ出来ることなんて魔力制御の訓練程度しかない気がしてきた。これさえ熟達していれば既成のちゃちな魔術式でも最大の威力を引き出すことが可能だからだ。
ジスと打ち合うアスレイヤが使う 身体強化と防御結界をぼんやり見ながらシルガはふと、思った。

―― 一般的な治癒魔法しか習わないのだから、ちょっと外れた治癒魔法を教えても邪魔にはならないのでは?

(うーん……でも今の治癒魔法で十分やっていけてるんだし時間もないし、中途半端に間口を広げるのは良くないな)

窓枠に両肘をついて顔をうずめ、悩みに悩んだ末の結論はこれだ。

(ま、実践が重要だよな。実際見てから考えよ……)

いまいち投げやりな、本当に軽いノリの結論である。


*****


「アスレイヤ」

シルガは稽古が一段落した頃合いを見計らって呼び止めた。すぐそこの厩舎でジスと店主が竜の世話をしているのも白狸亭のお馴染みの風景になりつつある。気性の荒かった竜が丸くなったもので、よく懐いている。乗せてくぜ、といった言葉がシルガの頭の中で反芻されて気になって仕方ないが、今はアスレイヤに用があるのだ。


「今後の方針のために、君の治癒魔法をちょっと見せてほしい」

「? ああ、べつに構わない」

徐にローブから腕を出し袖をまくり上げるシルガを不審に思いながらも、アスレイヤは治癒魔法の術式をゆっくりと思い出しながら魔力を練った。と、そのとき。

ザクッ、と音がしそうな程に思い切りよくその腕が縦に切り裂かれた。

「はっ!!?」

白い腕に出来た裂け目から真っ赤な血が溢れている。

「なっ、き、何して……!!!」

流れ出る血の量を見て ひゅっと息を呑んだアスレイヤに気付かずシルガはのんきに促した。

「治癒魔法がどんな感じか見せてくれ」

言われてはっと我に返ったアスレイヤは ただ真剣に魔法を使った。腕の傷が徐々に塞がり、微かに赤い筋が残っている。それをまじまじと観察しながら気もそぞろに礼を言った。

「ありがとう」

(これなら今のとこ魔力制御に集中した方がいいかもしれない)

そもそも、魔術式は自分で一から考えなくても学府で研究されて継承してきた高度なものがあるのだ。学年が進めばいずれは学ぶことが出来るだろう。それよりも省エネ高コスパの魔法行使を目標に訓練させて魔力量をのばしつつ時折座学をいれて基礎の理解を深められればそちらの方が良い……

怪我してない方の腕をグッと引かれ、考え込んでいたシルガの意識が少し浮上した。

「何でわざわざ傷を付けるんだ! 俺はジスとの剣の稽古で癪だがいつも傷だらけなんだぞ。練習ならそれを使えばいいんだ!」

「それもそうか。無駄に魔力を消費させて悪かった」

どこか遠く聞こえる怒鳴り声を軽く流したその瞬間、かっと怒りをのせたアスレイヤの目がシルガを見た。

「え……」

「貴様は たまにすごく…… 信じられないくらい、無礼な奴だ!!」

「アスレイヤ!」

走り去ったアスレイヤを追ってシルガも駆け出した。二人の様子をなんともなしに見ていた店主とジスの表情は微妙だ。

「なんっ……か、もどかしいな。あの二人」

「本当にね」



シルガの呼び声にひとつも応えることなくアスレイヤはずんずん進んでいく。足が速いので追いかけるのは大変だった。見失わないように割と必死で追っていたシルガは、白狸亭から少し離れた草むらの 適当に打たれた柵に寄りかかっている後ろ姿を見つけた。ほんの少し安堵して息を整えながら近づいたのだが、気付いているだろうにちらりともこちらを見ない。怒りを湛えた顔を背けて シルガがひょいと柵を越える様子を気配だけ探っている。

柵に寄りかかったままのアスレイヤと同じように背を凭れさせにじり寄る様子は傍から見るとちょっと笑えた。だが本人は必死だ。ここで拒絶されたら落ち込むどころじゃない。慎重に距離を測って自身を弁護し、少しでも譲歩を引き出して慈悲をかけてもらうのだ。聞く耳持たずに端から撥ね退けることをしないアスレイヤは公正だ。嘘を吐けば一瞬で何もかも崩れ去るだろう。
シルガはこんなに精魂込めて誰かのご機嫌をとったことがなかった。


「俺の師と言える人が」

「……」

「俺の魔法を見るために、よくあんなふうにしてたんだ」

「…………」

「切ったり焼いたり折ったり、たまに指を落としたりして」

「貴様の師とやらは どうかしてる」

「それは否定できない」

「度が過ぎてる。何も思わなかったのか?」

「……どうだったかな。治すのに必死であまり、」

覚えてない、と言おうとして沈黙した。
嘘だからだ。

目の前で傷付けられ噴き出した血、皮膚の焼ける臭い、ひしゃげた身体の一部。それらは幼いシルガを腹の底から凍らせ、身体の内側をじりじりと焦がした。だが何をすればいいかは解っていた。いつも通りの何気なさで魔法を使って治しさえすればいいのだ。それ以外、求められているものはなく、そうすることが あの養い親を満足させることだと理解していた。いつの間にかそれが当たり前になっていたが、普通でないことはわかっていたはずだ。


「俺は他人の怪我を治すための魔力を惜しむような人間じゃない」

視線も寄越さず怒りを孕んだ声でアスレイヤは言った。

「すまない。その通りだ」

「貴様が……どうせすぐ治せるとかいう気持ちで気軽に傷つけるのも腹が立つ。それが貴様自身に対するものであっても俺は、不快だ」

「確かにそういうところはある」

ジスと戦闘になったとき 強力な氷結魔法を拘束用に使ったのも、負わせた怪我は後で治せばいいというお気軽な気持ちでしたことだった。よく考えてみれば、自分の魔法に胡座をかいて いい気なものだ。

「不快な思いをさせて……悪かった」

「貴様は何もわかってない!!」

ほとんど叫ぶように 勢いよく顔を上げて睨むアスレイヤのあまりの剣幕にシルガは驚き、焦りを通り越して呆然となった。

「俺は、」

勝気そうな少し吊りがちの両目の 碧海にも似た瞳が揺れている。

「驚いて……血がたくさん出たから……」

喉の奥から絞り出すような声だ。

「頭が真っ白になって、何をすればいいのかわからなくなって、魔法を使えばいいとわかっていても上手くできるか…… 痛そうで、不安で、つまり、」

言葉を探して途切れながら出される声は 細く頼りなくなっていくのに、澄んだ冷たい空気の中で何故かよく通る。

「心配したんだ」


アスレイヤは握りしめた拳を更にぎゅっと握り込んで真っ直ぐにシルガを見据えた。ちゃんと聞いているのかもわからない呆けた様子にふつふつと怒りが湧いてくる。昨夜の怒りとはまた違った、心臓から燃え上がって頭のてっぺんを焼くような激しい怒りだ。

「いきなり何てことをするんだ貴様はふざけるな!血まで流して俺を動揺させて、今度こんなことをしたら許さない!!ぶっ……」

アスレイヤは強い力で肩を引かれてバランスを崩し 何か固いものに頬をぶつけた。視界一面、見知ったローブの布地だ。冷たい空気を遮るぬくもりを感じ始めた頃、耳のすぐ上から声が落ちてきた。

「不束者ですまない」

シルガはよくわからないままに アスレイヤを抱きしめていた。そうしたいと思う間もなく勝手にそうなっていたのだ。手繰り寄せてぎゅうぎゅうに隙間を満たしてあたたかさを分け合うこの状態がむしろ自然なことに思えた。

「でも俺は、なんだか とても……」

続く言葉は出なかった。
なんというか正直泣きそうだったので声を出したくなかったのである。アスレイヤを閉じ込めた腕にぎゅっと、無意識に力が入った。


――そんな言葉を 伝えたかった。


アスレイヤから差し出される言葉たちは、音にされることもなくシルガの喉の奥のあたりでどこかへ消え去ったものたちを思い出させた。
幼い頃、シルガの身体の内側から溢れて絞り出された感情は、言葉という姿を借りて音になって存在を示したものだ。しかしそれらはいつも無感動に、時には恐怖、時には蔑みを以て撥ね退けられた。無意味で無価値で無力な、要らないものだと言わんばかりに。
自身の情動、引いては存在自体、一滴の水にも及ばない取るに足りないものだ。そんなふうに片付けてしまえば恐れるものは何もなく、シルガは果てしない自由を享受できた。けれど ただひとつ、顧みることを恐れていたのだ。
不要なガラクタとして放棄してきたものたちは今もそこにあるはずなのだ。身の内側から湧き出た無意味で無価値なつまらないものたち。いくら自分でそう理解していても、如何にもその通りだと、まざまざと思い知らされるのは恐ろしいことだった。

けれどもしかしたら、振り返ってみた眺めは、自分が恐れていたほどの惨い廃棄場の様相を呈してはいないのかもしれない。前だけを見ることで目を背けていたものたちは今も変わらずそこにあり、キラキラと輝いているかもしれない。そしてそれは、実は初めから美しかったのではないだろうか。惜しむことなくアスレイヤから差し出される美しいものたちのように。


腕の中の温かさも、頬を撫でる風の冷たさも、何もかもが心地よかった。
目を閉じて心地よさだけ感じていれば、ぎゅっと圧されていた胸の奥にさわやかな空気が入っていった。

「……もうしないよ」

「べつに……それなら、いい」

馴染んできたぬくもりを手放すのは惜しかったがシルガは両腕を緩めて離れ、少し腰を落として視線を合わせた。

「最初の魔法は、付与魔法にしよう」

シルガの魔法の基礎部分を占める重要な魔法である。命を付与しているようだといった店主の感想は、実は本質を突いていたのだ。突き詰めて極めればそこまで出来てしまう可能性のある危険な魔法でもある。
使い魔で魔力制御を訓練しながら付与魔法に活かせばとても効率よく訓練できる。身体強化、防御結界、属性付与、治癒魔法……何にでも応用が利くので学院で学ぶ魔術式にも十分対応可能だ。

「地味かな」

「ふん。悪くない」

そうか、と、シルガは笑った。

「じゃひとまず、プリンを作ろう」

「なんだと?」

「今から作れば 夕食のデザートが豪華になるよ」

ちょっといいなとアスレイヤは思った。


*****


店主が腕を振るって用意してくれた夕食は 二日連続でご馳走だ。きれいに血抜きされたハイアスディアの肉は、低温でじっくりと焼かれてハーブとスパイスの香りが食欲をそそる。酸味のあるソースと肉汁の相性が良く、ほんのり香るバターが脂身の少ないさっぱりした肉に華やかさを添えていた。そしてデザートはプリンアラモードだ。飾り切りした果物と生クリームでゴージャスに装われた4皿のほかに、ちょっとかわいそうなプリンの皿がたくさん並んでいる。


「ボソボソしてる。けどま、食えるぜ」

「こっちはドロッとしてるさね。でもまあ、食べられないこともないでしょう」

「うん、まあこれはこれで。こっちのは明日俺が食べるよ」

「……捨てる。不味いのはわかってるんだ」

残念なプリンたちはアスレイヤが作ったものだ。お世辞にも美味しいとは言えないプリンを皆で食べてくれているのだが、とてもいたたまれない。そもそも付与魔法を習うはずがプリンを作っていたのも今となっては意味がわからなかった。シルガの作った美しいプリン達がちょっと恨めしくなって、アスレイヤはデザートに釣られたことを後悔していた。

「捨てることないじゃないか。俺の味覚の守備範囲は広大だから安心していい」

「……」

アスレイヤは明らかに不機嫌なぶすくれ顔で不格好なプリンの皿をひとつ奪った。

「俺も食べる」

「あはは!その表情かお、俺は好きだよ」

「だまれ」

ザラザラした妙な歯ごたえのあるプリンのような何かを食べながら、アスレイヤは心底疑問に思った。

(何故これほど差が出るのか)

卵とミルクと砂糖を混ぜて蒸す、それだけ。
シルガが最初に手順とコツを説明しながら作ったお手本とは雲泥の差である。

「付与魔法はなんかさ、たまご料理みたいなんだ」

「……」

「しばらくたまご料理を作りながら付与魔法を頑張ろう。自炊もできるようになって一石二鳥だ。なので毎朝卵を採りに行こう」

「……わかった」

(俺がたまご料理を作る意味はあるのか?)

釈然としなかったが卵採りは楽しそうだ。
……なんて思っていたのだが、やはりこちらも少し後悔することになるのだった。



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