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第2章

暗雲

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       ◯



 帰りはまたロープウェイを利用することになった。

 下山する途中、星蘭さんはゴンドラの窓に張り付いて、そこから見える景色を堪能していた。

 子どもみたいにはしゃいでいる彼女の後ろ姿を、俺と月花は対面の椅子に腰かけて眺めていた。

「よかったな、月花。白いタンポポが見つかって」

 俺が言うと、月花は不意を突かれたようにこちらを向いて、

「は……はいっ」

 と、慌てて返す。

「えっと……本当に、ありがとうございました。旭さん」
「いや、俺は別に何も……」

 至近距離から礼を言われて、俺はなんだか照れくさくなった。

 思わず斜めに視線を逸らし、今度は星蘭さんの背中に声を掛ける。

「星蘭さんも、良かったですね」
「……うんっ!」

 明るい声とともに、長いポニーテールを揺らしてこちらを振り返る星蘭さん。

「今日はありがとね! すっごく楽しかったよ。二人ともだーいすきっ」

 そう言って、彼女は軽くジャンプしたかと思うと、いきなり両手を広げてこちらに飛びついてきた。

「わわっ!?」
「きゃっ!」

 戸惑う俺と月花には構わず、星蘭さんはその細い腕で俺たちの肩をぎゅっと抱き寄せる。

「せ、星蘭さん?」

 お互いの頬が触れ合い、ほのかな熱が感じられた。

 そのとき、またしてもデジャヴが起こった。

 なんだか懐かしい感じがする。
 以前にも、こうして誰かに抱きしめてもらうことがあったような。

「にゃは。今日はホントに楽しかったね」

 確認するように、星蘭さんが言った。

 その発言で、俺は改めて今日一日を振り返った。

 彼女の破天荒な振る舞いには色々と振り回されてしまったが、なんだかんだで楽しい一日だった、と思う。

「そう……ですね。楽しかったですね」

 苦笑まじりに俺が返すと、

「ずっと、忘れないでね。今日、一緒に遊んだこと」

 少しだけ寂しそうな声で、星蘭さんが言った。

「星蘭さん?」

 彼女は腕の力を緩めると、ゆっくりとした動きで身体を離した。
 そうして再び見えるようになった顔は、やけに落ち着いていた。

 美しい曲線を描くアーモンド型の目が、静かに俺の方を見つめてくる。

 その姿に、やっぱり綺麗な人だな、と思った。
 生徒会選挙のときもそうだったけれど、黙っているときの彼女はどこか大人びた魅力がある。

 しかしそんな風に見惚れていると、彼女は突然、

「あなた……誰?」

 と、不可解な問いをこちらに投げかけた。
 心なしか、声のトーンが低くなったような気がする。

「え?」

 彼女が何を言っているのかわからず、俺は間抜けな声を漏らした。

 隣に座る月花も、不思議そうに小首を傾げている。

 直後、星蘭さんはハッと何かに気づいたような顔をして、

「あっ、ごめんなさい。わたし……また入れ替わっていたのね」

 そんな訳のわからないことを口にして、何かを考え込むように口元を手で隠す。

「星蘭さん?」

 一体どうしたというのか。

 彼女の動作は妙に淑やかで、まるでさっきまでの彼女と同じ人物だとは思えなかった。

 しばらく迷いの表情を浮かべていた彼女は、ちらりとこちらの顔を窺って、

「ええと……。いきなりこんなことを言っても、困らせてしまうだけかもしれないけれど」

 そう前置きして、彼女は言いにくそうに言葉を紡いだ。

「その、わたし……ときどき人格が入れ替わってしまうの。今日のことも、何も覚えてなくて……」
「……え?」

 突然そんなことを言われて、俺は頭の整理が追いつかなかった。

「冗談、ですよね?」

 恐る恐る聞くと、星蘭さんは困ったように眉根を寄せる。

「何も、覚えてないの。……ごめんなさい。きっと、あなたたちにも迷惑をかけてしまったわね」

 そう言った彼女の顔は真っ青で、とても嘘を吐いているようには見えなかった。
 演技にしては自然すぎる。

 俺と月花は突然のことに顔を見合わせて、そうしてどちらからも口を開くことができなかった。





       ◯





 山の麓に着くと、星蘭さんは用事があるからと言って、その場で別れることになった。

 簡単な挨拶を交わして背を向けた彼女は、ぴんと背筋を伸ばして真っ直ぐに歩いていく。
 その姿は落ち着いた大人の女性そのもので、あの生徒会選挙の日の彼女を彷彿とさせた。

 まるで別人になってしまったように感じられたが、しかし普段はこっちが本物の星蘭さんなのだろう。

 とても不思議で、そして空しい思いがした。
 狐や狸に化かされた、というよりは、大事な何かを失くしてしまったときのような。

 ぽっかりと胸に穴が空いたようだった。
 それこそ日和にフラれたときのような、現実味のない喪失感。

 俺たちが昼間に見た明るい星蘭さんは、夢や幻だったのではないか、とさえ思えた。

「……こういうことって、あるんだな」

 呟くように俺が言うと、月花からの返事はなかった。
 無理もない。
 こんなときにどんな会話をすればいいのかなんて、俺だってわからない。

 無言のまま、俺たちは路面電車の停留所へと向かった。

(そういえば……)

 ふと、雲水の言葉が頭を過った。

 ――別に、興味ないや。

 あの女好きの雲水が、星蘭さんを見て放った一言だ。
 普段の彼の性格からすると、あまり予想できない発言だった。

 いつも女の子のことばかり追いかけまわしているあいつのことである。
 もしかすると、星蘭さんのことについて、すでに何か知っていたのかもしれない。





       ◯





「今日は、付き合ってくださってありがとうございました」

 停留所のホームに立って、月花はぺこりと頭を下げた。

「いや、俺の方こそ。ていうか、もともと俺から誘ったんだからな」

 俺が言うと、月花は少しだけ照れたように笑った。

 結局、今日は俺たち二人にとって有意義な一日となったのだろうか。

 月花は満足しただろうか。
 少しでも彼女のためになっただろうか。

 星蘭さんのことは少し残念だったけれど、それでも、目的の白いタンポポは見つかった。
 願掛けもした。
 これで病が必ず治るというわけではないけれど、それでも。

「治るといいな」

 願いを込めて、俺は言った。
 月花はしばらくきょとんとしていたけれど、やがて「あっ……はい」と、やっと理解したように慌てて言った。

「きっと治るよ。俺もお願いしたし。信じていればきっと、な」
「…………」

 月花は黙っていた。
 何か考えているらしい。

 その沈黙が長かったので、俺はちょっと顔を覗き込んだ。

「月花?」
「……ごめんなさい」
「へ?」

 いきなり謝られて、俺は首を傾げた。

「私……あのタンポポに、違うことをお願いしちゃいました」
「違うこと?」

 その告白は予想外だった。

「違うことって、何をお願いしたんだ?」
「その……」

 彼女は言いづらそうに言葉を切った後、一拍置いてから、やがておずおずと口を開き、

「これからもずっと、旭さんと……」

 そこまで言いかけて、いきなり首を横に振った。

「いえ、やっぱり、内緒ですっ」
「はあっ?」

 思わず声が裏返った。

「なんだよ。教えてくれたっていいじゃないか」
「だ、だめですよ。願い事は口に出してしまうと、叶わなくなるかもしれませんからっ」

 そう頑なに口を閉ざす月花。

 中途半端におあずけを食らった俺は、もやもやとしたものを胸に抱えた。

 一体、彼女は何を願ったのだろう?
 病を治すことよりも、優先させたいことがあるのだろうか。

 と、そこへ西行きの電車がホームに入ってきた。

 ドアが開き、月花は車内へと足を踏み入れる。
 俺は反対行きの電車だから、彼女とはここでお別れだ。

 車内からこちらを振り返った月花は、「旭さん」と俺を呼んだ。

 扉が閉まるまではわずかな時間しかない。
 俺は簡単に別れの挨拶を済ませようとしたが、振り返った月花の表情を見て、思わず固まった。

 彼女は何かを言いたげな、神妙な面持ちでこちらを見つめていた。

 そして、

「……あなたが私のそばにいてくれるのは、私が白雪姫だから……なんですよね」

 かろうじて聞き取れるくらいの小さな声で、彼女は言った。

「月花?」

 どういう意味だ、と尋ねるより早く、入口の扉が閉まった。

 車両が動き出し、こちらと目を合わせたままの月花の姿がゆっくりと左へ流れていく。

 俺はその場に立ち尽くし、離れていく電車を呆然と見送った。

 どうして彼女は、最後にあんなことを言ったのだろう?
 もやもやとしたものがさらに増え、何とも言えないもどかしさが胸の内を支配する。

 しかしそんな気分も、次の瞬間には消えていた。

(あれ……?)

 遠ざかる車両の中に見えた、ある二人の姿に、俺は釘づけになった。

 月花の立っていた場所よりも後ろ――最後尾の席に、若い男女が並んで談笑しているのが見えた。

 肩まで伸びる髪を持った女の子と、チャラそうな男。
 ひどく見覚えのある後ろ姿だった。

(あれは、もしかして……日和と雲水?)

 確証はない。
 遮光フィルムが施された窓の奥は薄暗くてよく見えなかった。

 ただの見間違いかもしれない。
 けれど、そうではないかもしれない。
 真実がわからない以上、俺はその答えが知りたくて仕方がなかった。

 日和と、雲水――妙な組み合わせだ。
 もしも見間違いでないのなら、どうしてその二人が一緒に、それも休日に顔を合わせているのだろう。

 ざわざわとしたものが、腹の底から湧き上がってくる。

 そのとき、ぽつりと鼻の先に水滴が落ちてきた。

 思わず顔を上げ、どんよりとした空を眺める。

 いつのまにか夕焼けを覆い隠した雲の表面から、雨が降ってきた。





       ◯





 そして、翌日の月曜日。
 俺は登校して一番に日和の席を訪れた。

「なあ日和。昨日、西行きの電車に乗ってたか?」

 挨拶をするのも忘れて、俺は単刀直入に聞いた。

 カバンから筆記用具を取り出していた日和は、くりっとした真ん丸な目をさらに丸くして、

「どうして?」

 と、戸惑うように聞いた。

「あ、いや……」

 さすがに唐突すぎたか。

 俺は少し距離を取ろうと、後ろへ一歩下がった。

「別に、違ったならいいんだ。たまたま、裏山のロープウェイの近くでお前に似た人を見たからさ」

 素直に、昨日見たままのことを伝えた。

 日和は何も答えなかった。
 斜めに視線を逸らし、何かを思案するように黙り込んでいる。
 昨日のことを思い起こしているのだろうか。

 彼女の答えを待つうちに、俺は段々と冷静になって、同時に自信をなくしていった。

 あれはやっぱり、俺の見間違いだったのかもしれない。

 電車の中は薄暗くてよく見えなかったし、俺の立っていた場所からは距離があったから、日和に似た人物のこともほとんどシルエットしかわからなかった。

 勝手に勘違いをして、その勢いで見当違いな質問を投げかけてしまったのなら、日和に申し訳ない。

「そ、そういえばさ」

 何とか普段の調子を取り戻そうと、俺は話題を振った。

「あの裏山には昔、二人で一緒に行ったよな。確か、小学校に上がってすぐくらいのときにさ」

 裏山繋がりで咄嗟に思いついたのはそれだった。

「裏山に?」

 と、日和はやっと俺に視線を戻した。

「うん。懐かしいだろ? あのときはまだお互いに小さかったよな。子どもだけで遊びに行くのって俺、あの日が初めてだったからさ」
「…………」

 日和はまた沈黙した。
 それも表情が先ほどよりも曇っている。
 そして、またしても彼女の視線は斜め下の方を彷徨う。

「日和?」

 あまりにも元気のない彼女の様子に、俺も段々と心配になってきた。
 そうして彼女の顔を覗き込もうとすると、

「行ってないよ」

 と、突っぱねるようにして彼女が言った。

「え?」

 どくん、と心臓が跳ねた。

 日和は相変わらず斜め下の方を見つめながら続けた。

「私は、旭くんと一緒には行ってない。小学校に上がってすぐっていったら、一年生のときでしょ? 私がここに引っ越してきたのは、二年生になってからだったから」
「……そうだっけ?」

 まさか否定されるとは思っていなかった。
 けれど彼女本人が言うのだから、それが事実なのだろう。

 彼女がもともと転校生だったということさえ忘れていた俺は、

「じゃあ、一緒に行ったのは二年生のときだったか」
「違うよ」

 再びはっきりと否定されて、今度はさすがに二の句が継げなかった。

 日和はさらに続けた。

「私は、旭くんと一緒に裏山には行っていない。旭くんは、誰か別の……私じゃない誰かと二人で裏山を登ったんだよ」

 彼女がそう言い終える頃には、俺は完全に自信を失っていた。

「……そう、だっけ……」

 何年もの間ずっと大事にしてきたはずの俺の思い出は、日和の口から今はっきりと否定された。

 もともと記憶なんて脆いものだと思っていたけれど、まさかこんな風に、根底から覆されることがあるなんて。

 けれど、俺が裏山に登ったことがあるのだけは間違いない。
 それだけは断言できる。
 でなければ、白いタンポポの迷信を教えてくれた人物の存在までもが妄想の産物となってしまう。

(なら俺はあのとき、一体誰と裏山に行ったんだ?)

 そう考えたとき、なぜか背中の方がひやりとした。
 血の気が引くような、ぞっとするような冷気が俺の身体を襲った。

「……ごめん。私ちょっとトイレに行ってくるね」

 日和はそれだけを言い残し、逃げるようにして席を立った。

「あ、おい、日和っ……」

 まるで俺の声は聞こえていないようだった。
 この話はこれでおしまい、とでも言うように、彼女は一度たりとも振り向くことはなく、そのまま教室を後にした。

 違和感があった。
 何かを隠すような、知らない振りをするような、そんな不自然さがあった。

 そして俺は俺で、記憶の整理がつかなかった。

(俺……どうしたんだろう)

 一部の記憶が飛んでいる。
 ぽっかりと穴の開いたところがある。

 何か、大切なことを忘れている。

 思い出してはいけない何かが、そこにあるような気がした。
 
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