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1章 はじまりの月
1−6
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王子との一件はセレーナの思惑どおり、誰にも知られる事なく過ぎ去った。
結局、王子も会場に戻ってくることもなく、無事にお茶会はお開きとなった。
あの後、友達と遊ぶことで気分が晴れたらしいソルは、怒っていたことなんてさっぱり忘れたようで、帰りの馬車の中でも遊んだ内容を公爵夫人に懸命に話していた。
公爵夫人も満足げに聞いていていて、王子の話題に触れることはなかった。
──殿下とソルを会わせたかったわけじゃないんだ・・・
公爵夫人の口から王子の話が出なかったことは、とても意外だった。
なんとなくだが、セレーナはあの茶会は王子と子どもを引き合わせる場だったのだろうと思う。
気の合う学友を見つけることだったり、今後の婚約者候補選びだったり、いろんな目的があったはず。
そうでないと、ソルが行くと言った時の公爵の安心した表情の説明がつかない。
それに、本当は公爵は、セレーナたちと一緒に登城しようとしていた。
また仕事で先に屋敷を出たが、子どもたちの将来に関わる事だったら、あの大人たちのやる気にも納得できる。
だから、ソルを大切にしている公爵夫人なら、ソルを王子の婚約者に据えようと躍起になってもおかしくはない。
けれど、ソルが多くの人を魅了しながら楽しくやっている姿だけで、公爵夫人は満足げだった。
──機嫌がいいのならいいけど
何事もなく過ぎ去ったことにセレーナはホッとする。
機嫌が良ければ公爵夫人はセレーナなど気にせず、勝手に過ごしてくれるから。
セレーナの求める平穏の第一歩だ。
セレーナはゆっくりと息を吐き、読みかけている本に目を戻す。
いつの間にか窓から差し込む陽が変わっていて、セレーナの手元は薄暗くなっていた。
──お祖父様、まだいるのかしら・・・
セレーナは書庫の窓から太陽の位置を確認した。
セレーナの母方の祖父、インペリウム伯爵は午前にやってきて、太陽が真上を過ぎてもまだ屋敷に留まっている。
セレーナは、もう少ししたら祖父は帰るだろうかと、音が鳴りそうなお腹をさする。
祖父が来る時はいつもそうだ。
誰にも見つからないように書庫にいる為か、それともソルを囲んで盛り上がっているからか、使用人もセレーナの事を忘れてしまい、食事を取り損なってしまう。
けれど、だからといってセレーナも書庫から出ようとは思わない。
国王の元教育係だった祖父は、厳格な雰囲気をまとっていて、デジレ夫人に通じるものがある。
けれど、それだけの理由でセレーナは彼から逃げているわけではない。
祖父──インペリウム伯爵はセレーナにとって恐怖そのものだから。
いつだったか、セレーナがまだデジレ夫人の授業を受けていない、それぐらい小さかった頃。
あの時はまだ周りの人に気に入られようと努力していた時で、セレーナは屋敷にやってきた祖父を出迎えようと彼に駆け寄った。
しかし、その時に、セレーナは小石につまづいて転び、目の前にいたインペリウム伯爵の体にセレーナの手があったった。
『貴様ごときがっ! 』
セレーナが自分に触れたことに怒り狂ったインペリウム伯爵。
彼は激昂し叫ぶと、あろうことか転んで地べたにへばりついていた幼いセレーナを蹴り上げた。
小さいセレーナは人形のように石畳に放り出され、経験したことのない痛みに悲鳴を上げた。
使用人が慌てて止めに入ったが、インペリウム伯爵の怒りは中々おさまらず、その後からも何度が伯爵に踏まれ、意識を失い、2週間程寝込む程の怪我を負った。
意識が戻った直後にやって来た公爵夫人からは「あなたが馬鹿をするからよ。お父様がお怒りなのも無理はないわ」と呆れ気味に言われた。
ぼんやりとした記憶の中で、仕事を放り出してセレーナの看病をしていた公爵は、「それでも母親か! 」と公爵夫人を責め立て部屋から追い出していた。
あれからセレーナは、インペリウム伯爵を避けている。
彼を目の前にすると震えが止まらないし、嫌われている彼にまた何をされるか分からない。
それに彼がやって来るのはいつも公爵のいない時で、セレーナは自分を守るために彼の前に姿を現さないようにしている。
そして、セレーナが隠れ家に選んだのはこの書庫。
書庫は読書をあまりしないソルや母は滅多に来ない。
使用人も掃除ぐらいでしか出入りすることはないし、大好きな本に囲まれ、セレーナには最適な場所。
インペリウム伯爵が来ると、セレーナは気配を消してここに来て、彼が帰るまでやり過ごす。
その間、誰もセレーナの事など気にしない。
セレーナの周りは平穏だが、閉ざされた空間に一人いることに少しだけ、まだほんの少しだけ、寂しさがあった。
──それでも、前は気にしてくれる人はいたのに・・・
セレーナをインペリウム伯爵から庇ってくれた人。
セレーナを気遣って食事をわざわざ運んできた人。
大人しいセレーナに好意的だった人。
そういう人たちはいつの間にか屋敷から消えていた。
彼らは前から公爵家に使えていた人だったが、公爵夫人は伯爵家の使用人と入れ替えてしまい、今ではセレーナに好意的な人は、まず、いない。
前も言ったが、別に彼らもセレーナを嫌っているわけではない。
ただなんとなく、セレーナを不気味に思っているようで、公爵夫人に嫌われいる娘であると分かっていて、無意識に避けている。そして、気にしないようにしている。気にしなくても公爵夫人には咎められることもないから。
──お腹すいたな・・・
インペリウム伯爵は頻繁に来るわけではないので、セレーナの食事が抜きになるのもたまにだが、空腹の辛さが拭えるわけではない。
お腹が空きすぎると気持ち悪くなるし、むしろ食事をするのが辛くなる時がある。
唯一気づいてくれる公爵が帰ってこなければ、このまま夕食も抜きかもなとぼんやり考える。
それでも、インペリウム伯爵の怒りを買うより空腹を我慢する方が何十倍もいい。
セレーナはお腹の音を誤魔化そうと、書庫の奥にある開けた場所で膝を抱え座り込んだ。
地べたに座るなんてデジレ夫人に見られたらひどく怒られそうだが、書庫にあるのは本や棚の他にあるのは梯子ぐらいで、椅子なんてものはない。
──やだな
全員が自分を忘れてしまいそうで、セレーナの頬を涙が伝った。
*
「セレーナ! セレーナ、どこにいるっ! 返事をしてくれ! 」
公爵の叫び声でセレーナは目を覚ました。
セレーナはいつの間にか寝ていたことに気づき慌てて立ち上がる。
近くにあった書庫唯一の高窓に、梯子をかけて外を覗く。
窓からは声を枯らすことも躊躇わず声を出す公爵の姿があった。
──お父様、遅い日のはずなのに・・・
セレーナはまだ日の落ちていない時間に姿を現した公爵に驚いた。
寝ていたせいで公爵が帰って来た事さえ気づかなかった。
「セレーナ! どこにいるんだ! 」
庭の中に入っていく公爵。
まだ屋敷の敷地内にいるってことは帰って来たばかりのはず。
セレーナは父に心配かけてはいけないと、梯子やら本やらを元の位置に戻すと、身だしなみを整えて書庫をでた。
そしてインペリウム伯爵から隠れていたことも忘れて、公爵のもとに駆け寄る。
「お父様」
「セレーナッ! 」
セレーナが近づくと公爵は勢いよくセレーナを抱きしめた。
「お父様、ごめんな──」
「すまない。すまなかったセレーナ・・・」
セレーナは公爵に謝って寝ていたことを伝えようとしたが、公爵はそれを遮り、目一杯にセレーナを抱きしめ、セレーナの肩に顔を埋める。
心配させたのは自分なのに、そう呟く公爵の意味が分からない。
セレーナに全く分からないが、苦しくなるほど抱きしめられたセレーナは、苦しいのになぜかそれが嬉しかった。
ついさっきまで一人ぼちだっのに、今はそんなことも忘れてしまいそうだった。
結局、王子も会場に戻ってくることもなく、無事にお茶会はお開きとなった。
あの後、友達と遊ぶことで気分が晴れたらしいソルは、怒っていたことなんてさっぱり忘れたようで、帰りの馬車の中でも遊んだ内容を公爵夫人に懸命に話していた。
公爵夫人も満足げに聞いていていて、王子の話題に触れることはなかった。
──殿下とソルを会わせたかったわけじゃないんだ・・・
公爵夫人の口から王子の話が出なかったことは、とても意外だった。
なんとなくだが、セレーナはあの茶会は王子と子どもを引き合わせる場だったのだろうと思う。
気の合う学友を見つけることだったり、今後の婚約者候補選びだったり、いろんな目的があったはず。
そうでないと、ソルが行くと言った時の公爵の安心した表情の説明がつかない。
それに、本当は公爵は、セレーナたちと一緒に登城しようとしていた。
また仕事で先に屋敷を出たが、子どもたちの将来に関わる事だったら、あの大人たちのやる気にも納得できる。
だから、ソルを大切にしている公爵夫人なら、ソルを王子の婚約者に据えようと躍起になってもおかしくはない。
けれど、ソルが多くの人を魅了しながら楽しくやっている姿だけで、公爵夫人は満足げだった。
──機嫌がいいのならいいけど
何事もなく過ぎ去ったことにセレーナはホッとする。
機嫌が良ければ公爵夫人はセレーナなど気にせず、勝手に過ごしてくれるから。
セレーナの求める平穏の第一歩だ。
セレーナはゆっくりと息を吐き、読みかけている本に目を戻す。
いつの間にか窓から差し込む陽が変わっていて、セレーナの手元は薄暗くなっていた。
──お祖父様、まだいるのかしら・・・
セレーナは書庫の窓から太陽の位置を確認した。
セレーナの母方の祖父、インペリウム伯爵は午前にやってきて、太陽が真上を過ぎてもまだ屋敷に留まっている。
セレーナは、もう少ししたら祖父は帰るだろうかと、音が鳴りそうなお腹をさする。
祖父が来る時はいつもそうだ。
誰にも見つからないように書庫にいる為か、それともソルを囲んで盛り上がっているからか、使用人もセレーナの事を忘れてしまい、食事を取り損なってしまう。
けれど、だからといってセレーナも書庫から出ようとは思わない。
国王の元教育係だった祖父は、厳格な雰囲気をまとっていて、デジレ夫人に通じるものがある。
けれど、それだけの理由でセレーナは彼から逃げているわけではない。
祖父──インペリウム伯爵はセレーナにとって恐怖そのものだから。
いつだったか、セレーナがまだデジレ夫人の授業を受けていない、それぐらい小さかった頃。
あの時はまだ周りの人に気に入られようと努力していた時で、セレーナは屋敷にやってきた祖父を出迎えようと彼に駆け寄った。
しかし、その時に、セレーナは小石につまづいて転び、目の前にいたインペリウム伯爵の体にセレーナの手があったった。
『貴様ごときがっ! 』
セレーナが自分に触れたことに怒り狂ったインペリウム伯爵。
彼は激昂し叫ぶと、あろうことか転んで地べたにへばりついていた幼いセレーナを蹴り上げた。
小さいセレーナは人形のように石畳に放り出され、経験したことのない痛みに悲鳴を上げた。
使用人が慌てて止めに入ったが、インペリウム伯爵の怒りは中々おさまらず、その後からも何度が伯爵に踏まれ、意識を失い、2週間程寝込む程の怪我を負った。
意識が戻った直後にやって来た公爵夫人からは「あなたが馬鹿をするからよ。お父様がお怒りなのも無理はないわ」と呆れ気味に言われた。
ぼんやりとした記憶の中で、仕事を放り出してセレーナの看病をしていた公爵は、「それでも母親か! 」と公爵夫人を責め立て部屋から追い出していた。
あれからセレーナは、インペリウム伯爵を避けている。
彼を目の前にすると震えが止まらないし、嫌われている彼にまた何をされるか分からない。
それに彼がやって来るのはいつも公爵のいない時で、セレーナは自分を守るために彼の前に姿を現さないようにしている。
そして、セレーナが隠れ家に選んだのはこの書庫。
書庫は読書をあまりしないソルや母は滅多に来ない。
使用人も掃除ぐらいでしか出入りすることはないし、大好きな本に囲まれ、セレーナには最適な場所。
インペリウム伯爵が来ると、セレーナは気配を消してここに来て、彼が帰るまでやり過ごす。
その間、誰もセレーナの事など気にしない。
セレーナの周りは平穏だが、閉ざされた空間に一人いることに少しだけ、まだほんの少しだけ、寂しさがあった。
──それでも、前は気にしてくれる人はいたのに・・・
セレーナをインペリウム伯爵から庇ってくれた人。
セレーナを気遣って食事をわざわざ運んできた人。
大人しいセレーナに好意的だった人。
そういう人たちはいつの間にか屋敷から消えていた。
彼らは前から公爵家に使えていた人だったが、公爵夫人は伯爵家の使用人と入れ替えてしまい、今ではセレーナに好意的な人は、まず、いない。
前も言ったが、別に彼らもセレーナを嫌っているわけではない。
ただなんとなく、セレーナを不気味に思っているようで、公爵夫人に嫌われいる娘であると分かっていて、無意識に避けている。そして、気にしないようにしている。気にしなくても公爵夫人には咎められることもないから。
──お腹すいたな・・・
インペリウム伯爵は頻繁に来るわけではないので、セレーナの食事が抜きになるのもたまにだが、空腹の辛さが拭えるわけではない。
お腹が空きすぎると気持ち悪くなるし、むしろ食事をするのが辛くなる時がある。
唯一気づいてくれる公爵が帰ってこなければ、このまま夕食も抜きかもなとぼんやり考える。
それでも、インペリウム伯爵の怒りを買うより空腹を我慢する方が何十倍もいい。
セレーナはお腹の音を誤魔化そうと、書庫の奥にある開けた場所で膝を抱え座り込んだ。
地べたに座るなんてデジレ夫人に見られたらひどく怒られそうだが、書庫にあるのは本や棚の他にあるのは梯子ぐらいで、椅子なんてものはない。
──やだな
全員が自分を忘れてしまいそうで、セレーナの頬を涙が伝った。
*
「セレーナ! セレーナ、どこにいるっ! 返事をしてくれ! 」
公爵の叫び声でセレーナは目を覚ました。
セレーナはいつの間にか寝ていたことに気づき慌てて立ち上がる。
近くにあった書庫唯一の高窓に、梯子をかけて外を覗く。
窓からは声を枯らすことも躊躇わず声を出す公爵の姿があった。
──お父様、遅い日のはずなのに・・・
セレーナはまだ日の落ちていない時間に姿を現した公爵に驚いた。
寝ていたせいで公爵が帰って来た事さえ気づかなかった。
「セレーナ! どこにいるんだ! 」
庭の中に入っていく公爵。
まだ屋敷の敷地内にいるってことは帰って来たばかりのはず。
セレーナは父に心配かけてはいけないと、梯子やら本やらを元の位置に戻すと、身だしなみを整えて書庫をでた。
そしてインペリウム伯爵から隠れていたことも忘れて、公爵のもとに駆け寄る。
「お父様」
「セレーナッ! 」
セレーナが近づくと公爵は勢いよくセレーナを抱きしめた。
「お父様、ごめんな──」
「すまない。すまなかったセレーナ・・・」
セレーナは公爵に謝って寝ていたことを伝えようとしたが、公爵はそれを遮り、目一杯にセレーナを抱きしめ、セレーナの肩に顔を埋める。
心配させたのは自分なのに、そう呟く公爵の意味が分からない。
セレーナに全く分からないが、苦しくなるほど抱きしめられたセレーナは、苦しいのになぜかそれが嬉しかった。
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