タイムパラドックス

kinmokusei

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秋時の気持ち

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最近感じる距離感。

(秋時って釣った魚には餌をやらないタイプ?)

あたしの想いだけが募っている感じ。

「秋時、、、?」

「ん?」

「あの、あの、、、。」

「どうした?」

「う、ううん。なんでもない。」


あたしなこと好き?

どれくらい好き?


言葉にしてくれないと不安だよ。


あたしはどうしようもなく秋時のことが好き。



「なー?奈津?」

「な、な、な、何?」

「何どもってるんだよ?」

秋時は笑ってる。


その笑顔があたしの心拍数を上げる。

「奈津は俺のこと好きか?」

え。

一気に顔から火が出る。

「好きだよ。」

あたしは言う。

だけど秋時は、、、。


「ならよかった。」

それしか言わなかった。






『秋時様。その後どうです?』

『あぁ。順調に進んでいる。美鈴を起こすのには大量の愛する気持ちが必要だからな。』

『その愛の力を使って美鈴様を起こすのですね?でも本当の美鈴様はもうこの世にはいません。ベル様とうり二つだからといって美鈴様はかえって来ませんよ?』


『俺は美鈴がいなければ生きている意味はないのだ。』


『でもベル様を眠らせたのには何か理由があるはずです。悪い予感がします。今すぐにでもやめることを、、、。』


『もう始まっていることだ。奈津には悪いが贄になってもらう。』


秋時の固い意志にネプチューンはため息をつく。


(あの娘、、、大丈夫だろうか?)


ネプチューンは迷うのだった。


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