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あげは紅ははかないらしい

クラス全員、見せなくても

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「オーツチくーん、ひょっとしてそれさぁ、1度にひとつの命令しかできないんじゃないのぉ」

カトーちゃんの言葉に、オーツチはビクッとする。それにあわせてクラスメイトの動きが止まった。
その様子を見て、確信したように言葉を続ける。

「どうやら図星のようねぇ、サトーちゃん、どうするぅ」

状況はどうみてもシューガールの方が追い詰められているのに、逆にオーツチが追い詰められているみたいだ。

「カトーちゃんとムトーちゃんは、ビトーちゃんを守って。あたしはあげはに加勢に行く」

「そうねぇ、あたし達を襲うなら、サトーちゃんが疎かになるから、そのエンピツモドキをあげはと2人がかりで奪えるわね。逆にあげはを襲うなら、あたし達は教室から逃げ出して、先生を呼ぶことができるわねぇ」

追い詰めたネズミをどういたぶってやろうか、そんな感じでカトーちゃんがオーツチを精神的に追い詰める。

怖ええええー、カトーちゃん怖ええええー

オーツチはどうしていいか分からず、かたまっている。それをみて、タカコがあたしに目で合図を送った。

「よし、みんな、行くよ!!」

タカコの力強い合図に、カトーちゃんが応える。

「頑張ってねー、みんなー」

その言葉にムトーちゃんがかまえたまま、言い返す。

「あなたも手伝いなさい」

「だってぇ、あたしは非力だしぃ、こうやってビトーちゃんを守るしか出来ないからぁ、攻撃《オフェンス》はみんなに任せるわ」

「だったらビトーちゃんから離れなさい」

「ビトーちゃんは、あたしより非力だしぃ、こうして後ろからスカートをめくられないように、抱きしめていないといけないのぉ」

「離れなさいってば!!」

「心配しなくて大丈夫よぉ、こうして後ろから両腕で胸をカバーして、足を絡めてスカートを押さえて、あら、ビトーちゃん、意外と胸があるのね、形もいい感じの……」

ムトーちゃんが我慢しきれず、振り向いて睨み付ける。

「あなたねぇ」

隙が出来たかと、対峙していた男子がムトーちゃんに襲いかかった。

すると、さっきまでの挑発的な物言いから、うってかわって真剣な言い方で鋭くカトーちゃんが放つ。

「後ろ、3人」

それに呼応し、ムトーちゃんが振り向き様、男子達に手刀を首筋に打ち込む。
全員が崩れ落ちると同時に、タカコが駆け出し、こっちに向かってきた。

オーツチは反応が出来ずにおろおろする。あたしもタカコに合わせて、エンピツモドキを取り上げようとオーツチに向かった。
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