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佐野千秋の休日 謎解き川柳(小川三水目線)
その4
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「昔やっていた、クリムゾンごっこって、どんな感じだったの」
「さっきも思い出していたんだけど、あんまり覚えてなくて……」
「三人で変身して名乗って、戦っていたのかな」
「そうね……、そうそう! 三人で名シーンのセリフを言い合って、あれよかったねー、とか話していたわ」
「それで時々、誰かが敵役になったりしてパープリンとか、どす黒いとかに……」
「パープロイドにドスグリーン!」
「そうそう、それになって戦ったとか」
「う~ん、そういう記憶はないな。そうじゃなくて、他の誰かと戦ったような……」
「他の遊び仲間がいたの」
千秋が空を見つめる。
「……ああ、同級生の男の子達がからかってきたので、その子達と戦いごっこになって遊んだんだ」
「なるほど」
「どうしたの、なんかわかったの」
「さっき空を見たとき、気がついたんだ」
「空?」
「南は真清田神社、西はスポーツ文化センター、東はスケート場のビルがあるだろ。そして北側だけ民家だ」
千秋は辺りの空を見回した。
「そうね、ということはどういうこと?」
「逆なんだよ、ここに来たら君が解るんじゃなくて、向こうがわかるんだよ」
千秋が、アッと言った。
「ここを常に見ることが出来る場所に、そいつはいるんだ」
「ということは今、見られているかもしれないのね。あたし、ストーカーに尾けられているのかな」
千秋は身震いした。さっきの話のせいだろう、表情が暗くなった。
「ストーカーなら追いかける方だから、たぶん違うだろう、そんなこと無いと思うよ」
それでもやはり気になるらしく、南側の木陰に移動する。私もいちおう紳士らしく千秋を隠すように北側に立つ。
「ねえ三ちゃん、そいつはどんなヤツだと思う」
きょろきょろしながら問いかける千秋に、背を向けながら考える。
「ここに来るように仕向けて、いつでも見ることができるとなると、自宅で室内業務していると考えられるな。それなら作業の合間に窓から覗けばいつでも見つけられる」
「勤め先だったら夜は分からないものね。となると、木が邪魔になるから2階建て以上の建物の窓際か……」
言われて探してみるが、意外と木々が邪魔してすべてを見渡せるところが見当たらない。
「どうしたの」
「いや、それらしい建物が見当たらないなと思って」
「ちょっとどいて、あたしが探すから」
と言って、千秋が私をおしのけたその時、
「ち~あ~きぃ~」
そう言いながら、何か不気味な格好をした人が、千秋に後ろから抱きついた。
「き……ぃやあぁぁぁぁぁー!!」
叫び声が大宮公園に響いた。
「さっきも思い出していたんだけど、あんまり覚えてなくて……」
「三人で変身して名乗って、戦っていたのかな」
「そうね……、そうそう! 三人で名シーンのセリフを言い合って、あれよかったねー、とか話していたわ」
「それで時々、誰かが敵役になったりしてパープリンとか、どす黒いとかに……」
「パープロイドにドスグリーン!」
「そうそう、それになって戦ったとか」
「う~ん、そういう記憶はないな。そうじゃなくて、他の誰かと戦ったような……」
「他の遊び仲間がいたの」
千秋が空を見つめる。
「……ああ、同級生の男の子達がからかってきたので、その子達と戦いごっこになって遊んだんだ」
「なるほど」
「どうしたの、なんかわかったの」
「さっき空を見たとき、気がついたんだ」
「空?」
「南は真清田神社、西はスポーツ文化センター、東はスケート場のビルがあるだろ。そして北側だけ民家だ」
千秋は辺りの空を見回した。
「そうね、ということはどういうこと?」
「逆なんだよ、ここに来たら君が解るんじゃなくて、向こうがわかるんだよ」
千秋が、アッと言った。
「ここを常に見ることが出来る場所に、そいつはいるんだ」
「ということは今、見られているかもしれないのね。あたし、ストーカーに尾けられているのかな」
千秋は身震いした。さっきの話のせいだろう、表情が暗くなった。
「ストーカーなら追いかける方だから、たぶん違うだろう、そんなこと無いと思うよ」
それでもやはり気になるらしく、南側の木陰に移動する。私もいちおう紳士らしく千秋を隠すように北側に立つ。
「ねえ三ちゃん、そいつはどんなヤツだと思う」
きょろきょろしながら問いかける千秋に、背を向けながら考える。
「ここに来るように仕向けて、いつでも見ることができるとなると、自宅で室内業務していると考えられるな。それなら作業の合間に窓から覗けばいつでも見つけられる」
「勤め先だったら夜は分からないものね。となると、木が邪魔になるから2階建て以上の建物の窓際か……」
言われて探してみるが、意外と木々が邪魔してすべてを見渡せるところが見当たらない。
「どうしたの」
「いや、それらしい建物が見当たらないなと思って」
「ちょっとどいて、あたしが探すから」
と言って、千秋が私をおしのけたその時、
「ち~あ~きぃ~」
そう言いながら、何か不気味な格好をした人が、千秋に後ろから抱きついた。
「き……ぃやあぁぁぁぁぁー!!」
叫び声が大宮公園に響いた。
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