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第1部
頂は遥か 後編
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翌4月1日、新年度が始まった。
これにより千秋は正式に部長となり管理職となり、入社式も滞りなく進んでいる、らしい。
というのも、新入社員が配属される部署の部長もしくは課長は、それぞれの仕事内容を紹介説明するために式に出席しているのだが、千秋にはそれの声がかからなかったからだ。
「まあそうでしょうね、発足したばかりですし新入社員が配属されるところでもないですからねぇ」
端末に中継されている入社式を観ながら、町屋、塩尻が暇そうにしている部長に呟いた。
この日の朝、千秋はいつもの8時半出社をずらして9時出社にした。
上司があまり早く行くと部下達が困ると知っていたので、これからは9時出社を目安にするつもりである。
部屋に入ると、町屋、塩尻そして一色さらにはなんと塚本も来ていた。
その10分後、加納が手さげ袋片手にやってくる。
「それじゃ揃ったようだから挨拶をすませましょう」
千秋の言葉に全員が立ち上がり、礼をする。
加納が持ってきた手さげ袋からペットボトルの御茶と紙コップを取り出すと、御茶を淹れ全員に配る。
「新造船の上に新米乗組員が多め、なおかつ目的地も分かってないけど、船出はしました。今日からよろしくお願いします」
千秋の音頭で乾杯すると、みんなで拍手した。
そしてすぐ加納は会場に向かい、一色もその後に続いた。
「昨日、総務課の人達が手伝ったのは加納さんが今日手伝うからという交換条件だったのね」
加納に昨日の事を話し、一色は加納のサポートとしてついていった。
塚本は資料データ化のデータベースを構築し始める。
肩書付きの3人はすることもないので、入社式の社内放送を千秋の端末モニターで観ているのだった。
「今年は少ないですね」
「東京、大阪も少なめらしいですよ。やっぱりまだまだ不況なんでしょうなぁ、オイルショックの頃よりはマシですけど」
町屋塩尻の会話は、達観した仙人のような感じだなと千秋は思った。
「東京、大阪の支社でもこれ流しているんですか」
「例年どおりなら本社社長の挨拶まで流して、それから各支社長の話、それから部門の紹介を各部長がして、歓迎の余興、それから閉会式をして昼休み。昼から配属先で仕事初めという流れです」
ということは昼から後片付けの時間を含めて、一色くんが戻ってくるのは15時くらいか。それまでやること無いなぁ。
暇をもて余すなと考えているのをよそに、町屋塩尻は各々の時間潰しをはじめる。私もなにか暇潰しつくらなくちゃと千秋は思った。
これにより千秋は正式に部長となり管理職となり、入社式も滞りなく進んでいる、らしい。
というのも、新入社員が配属される部署の部長もしくは課長は、それぞれの仕事内容を紹介説明するために式に出席しているのだが、千秋にはそれの声がかからなかったからだ。
「まあそうでしょうね、発足したばかりですし新入社員が配属されるところでもないですからねぇ」
端末に中継されている入社式を観ながら、町屋、塩尻が暇そうにしている部長に呟いた。
この日の朝、千秋はいつもの8時半出社をずらして9時出社にした。
上司があまり早く行くと部下達が困ると知っていたので、これからは9時出社を目安にするつもりである。
部屋に入ると、町屋、塩尻そして一色さらにはなんと塚本も来ていた。
その10分後、加納が手さげ袋片手にやってくる。
「それじゃ揃ったようだから挨拶をすませましょう」
千秋の言葉に全員が立ち上がり、礼をする。
加納が持ってきた手さげ袋からペットボトルの御茶と紙コップを取り出すと、御茶を淹れ全員に配る。
「新造船の上に新米乗組員が多め、なおかつ目的地も分かってないけど、船出はしました。今日からよろしくお願いします」
千秋の音頭で乾杯すると、みんなで拍手した。
そしてすぐ加納は会場に向かい、一色もその後に続いた。
「昨日、総務課の人達が手伝ったのは加納さんが今日手伝うからという交換条件だったのね」
加納に昨日の事を話し、一色は加納のサポートとしてついていった。
塚本は資料データ化のデータベースを構築し始める。
肩書付きの3人はすることもないので、入社式の社内放送を千秋の端末モニターで観ているのだった。
「今年は少ないですね」
「東京、大阪も少なめらしいですよ。やっぱりまだまだ不況なんでしょうなぁ、オイルショックの頃よりはマシですけど」
町屋塩尻の会話は、達観した仙人のような感じだなと千秋は思った。
「東京、大阪の支社でもこれ流しているんですか」
「例年どおりなら本社社長の挨拶まで流して、それから各支社長の話、それから部門の紹介を各部長がして、歓迎の余興、それから閉会式をして昼休み。昼から配属先で仕事初めという流れです」
ということは昼から後片付けの時間を含めて、一色くんが戻ってくるのは15時くらいか。それまでやること無いなぁ。
暇をもて余すなと考えているのをよそに、町屋塩尻は各々の時間潰しをはじめる。私もなにか暇潰しつくらなくちゃと千秋は思った。
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