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後日譚 2〜仏様のお導き?〜
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祖母の葬儀からしばらくして、両親とのクッション役も終わったと認識したのか、あるいは結婚をせかす両親の集中攻撃を避けるためなのかはわからないが晃夫は実家を出て、職場近くのアパートで一人暮らしを始めた。
てっきりこのままマイペースなおひとり様人生確定なんじゃないかと思っていたら去年の秋、浮かれる母から結婚式の連絡が来てーーしかも相手が咲恵ちゃんだと聞いて二度びっくりした。
時季はずれの海に出かけたときは畑中君とちょっといい雰囲気なんじゃないかとこっそり思っていたのに……えっ、ちょっと待って、いつの間に……?
私は咲恵ちゃんとも晃夫ともたまにメールのやりとりくらいはしていたが、そういう雰囲気には全然気づかなかった。
学年が上がって環境の変わった悠也のフォローや中学でもサッカー部に入った颯也の送迎当番などで引き続き忙しかったし。
「ごめんね。いつ報告しようか悩んでたんだけど」
連絡をもらってすぐ、新婦の方からフォローが入った。弟本人にこういうマメさは期待していなかったので嬉しかった。
「おめでとう。というか、本当に晃夫なんかでいいの?」
しまった。馴れ初めを聞くつもりが、いきなり卑下と否定から入ってしまった。
「もちろん。お義姉さん、これからもよろしくね」
咲恵ちゃんの弾む声から、あの十代の頃のままの愛らしい笑顔が目に浮かんだ。
祖母の葬儀から半年後、今度は元気そのものに見えた大伯母の葬儀があった。私は帰らずに弔電を送った。
昌弘君の家でやはり三日間の「念仏」が行われたそうだが、真夏の時期に昼間から手伝いに出かけていたうちの父が熱中症になり、救急車で運ばれるという騒ぎがあったそうだ(これも全然知らなかった)
幸い大事には至らなかったものの、二日目の通夜と葬儀は晃夫が父の代理で出席した。
酒宴の席で、やはり手伝いに行っていた咲恵ちゃんとお互いの祖母の思い出話などをしているうちに意気投合したのという。
縁は異なもの……というが人の出会いなんてどこに転がっているか本当にわからない。ひょっとしたら縁遠い孫世代を心配した祖母姉妹が、タッグを組んで頑張ってしまったのかもしれない。
「畑中君が既婚者だったら仲人してもらいたかったな」
「うーん。だとしても馴れ初め的に微妙じゃない?後輩だし。代わりに披露宴のスピーチでもしてもらいなよ」
「お式がキリスト教だから、延々と仏様の説話をされても……」
「大丈夫だよ!その辺はきっと空気読んでくれるよ!……わかんないけど」
畑中君にもいつか、一緒に伴走してくれる素敵なパートナーが現れてくれればいいと思っているのだが、別な出会いはあったようでーー
てっきりこのままマイペースなおひとり様人生確定なんじゃないかと思っていたら去年の秋、浮かれる母から結婚式の連絡が来てーーしかも相手が咲恵ちゃんだと聞いて二度びっくりした。
時季はずれの海に出かけたときは畑中君とちょっといい雰囲気なんじゃないかとこっそり思っていたのに……えっ、ちょっと待って、いつの間に……?
私は咲恵ちゃんとも晃夫ともたまにメールのやりとりくらいはしていたが、そういう雰囲気には全然気づかなかった。
学年が上がって環境の変わった悠也のフォローや中学でもサッカー部に入った颯也の送迎当番などで引き続き忙しかったし。
「ごめんね。いつ報告しようか悩んでたんだけど」
連絡をもらってすぐ、新婦の方からフォローが入った。弟本人にこういうマメさは期待していなかったので嬉しかった。
「おめでとう。というか、本当に晃夫なんかでいいの?」
しまった。馴れ初めを聞くつもりが、いきなり卑下と否定から入ってしまった。
「もちろん。お義姉さん、これからもよろしくね」
咲恵ちゃんの弾む声から、あの十代の頃のままの愛らしい笑顔が目に浮かんだ。
祖母の葬儀から半年後、今度は元気そのものに見えた大伯母の葬儀があった。私は帰らずに弔電を送った。
昌弘君の家でやはり三日間の「念仏」が行われたそうだが、真夏の時期に昼間から手伝いに出かけていたうちの父が熱中症になり、救急車で運ばれるという騒ぎがあったそうだ(これも全然知らなかった)
幸い大事には至らなかったものの、二日目の通夜と葬儀は晃夫が父の代理で出席した。
酒宴の席で、やはり手伝いに行っていた咲恵ちゃんとお互いの祖母の思い出話などをしているうちに意気投合したのという。
縁は異なもの……というが人の出会いなんてどこに転がっているか本当にわからない。ひょっとしたら縁遠い孫世代を心配した祖母姉妹が、タッグを組んで頑張ってしまったのかもしれない。
「畑中君が既婚者だったら仲人してもらいたかったな」
「うーん。だとしても馴れ初め的に微妙じゃない?後輩だし。代わりに披露宴のスピーチでもしてもらいなよ」
「お式がキリスト教だから、延々と仏様の説話をされても……」
「大丈夫だよ!その辺はきっと空気読んでくれるよ!……わかんないけど」
畑中君にもいつか、一緒に伴走してくれる素敵なパートナーが現れてくれればいいと思っているのだが、別な出会いはあったようでーー
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