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リスケ大作戦 4〜子ども達に救われる〜
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試しに起きてきた二人に、ホームドラマやアニメで見たことのある「大事な話があるからちょっとそこに座りなさい」というのをやってみた。
かえって面白がられてしまうのではとも思ったが、早朝からの殺伐とした空気が何となく伝わっていたのか二人とも神妙な表情で私の前に正座した。
「岩手のひいおばあちゃんが亡くなったの」
「えっ」と二人は揃って小声を発し顔を見合わせた。
「本当は家族全員で岩手に行ってお葬式に出なきゃいけないんだけど、お父さんは仕事ですぐには帰って来れない。でもお母さんはすぐにでも手伝いに行かなきゃいけないの」
「じゃあ、どうするの?」
颯也が心配そうに聞き返してきた。
「明日になるか明後日になるかわからないけど、お父さんが帰ってきたら颯也はお母さんと一緒に岩手にお手伝いに行って、悠也は家でお父さんとお留守番をしていてほしい」
颯也はともかく悠也が「俺も行く。手伝えるもん」とか「颯也だけ岩手に行くのずるい」などと言い出してごねるのではないかと身構えていたが、拍子抜けするほど二人とも素直に承諾した。
「何日に帰ってくるの?」
朝ご飯の後で悠也が聞いてきた。行く日もまだ決まっていないのにやっぱり寂しいのか……明後日の金曜日に発ったとして、その晩から三日間通夜と葬儀があって、後かたづけもあるだろうからどんなに頑張っても帰ってくるのは五日後になる。
火曜日までカレンダーに印をつけて見せると悠也は真面目な顔で頷いた。
「俺たちがいない間、お前が父さんとこの家を守るんだぞ」
アニメの台詞か何かなのか、颯也は真顔でもっともらしく悠也を励ました。悠也も素直に頷いていた。
「おみやげ買ってきてね」「ああ、わかった」
笑ってはいけないところだが大真面目な二人が微笑ましくつい顔が緩んでしまう。
「留守番の間、これ、貸しといてやるよ」
颯也は自分の携帯ゲーム機を持って来て悠也に渡した。従兄弟のお兄ちゃん達のお下がりでもらった二台のうち、新しくていい方のゲーム機だ。
「えっいいの?」
悠也と私は思わず同時に聞き返した。暴君まではいかないが「悠也に貸すと壊れるから(あながち杞憂でもない)」と、普段はややけちん坊で威張りん坊の兄にしてはずいぶんと太っ腹だ。
「俺のセーブデータ、絶対消すなよ」
これはこれで後日の波乱の予感しかしないのだが、悠也は嬉しそうに頷いたーー本人達の意思を尊重して見守りますか。
かえって面白がられてしまうのではとも思ったが、早朝からの殺伐とした空気が何となく伝わっていたのか二人とも神妙な表情で私の前に正座した。
「岩手のひいおばあちゃんが亡くなったの」
「えっ」と二人は揃って小声を発し顔を見合わせた。
「本当は家族全員で岩手に行ってお葬式に出なきゃいけないんだけど、お父さんは仕事ですぐには帰って来れない。でもお母さんはすぐにでも手伝いに行かなきゃいけないの」
「じゃあ、どうするの?」
颯也が心配そうに聞き返してきた。
「明日になるか明後日になるかわからないけど、お父さんが帰ってきたら颯也はお母さんと一緒に岩手にお手伝いに行って、悠也は家でお父さんとお留守番をしていてほしい」
颯也はともかく悠也が「俺も行く。手伝えるもん」とか「颯也だけ岩手に行くのずるい」などと言い出してごねるのではないかと身構えていたが、拍子抜けするほど二人とも素直に承諾した。
「何日に帰ってくるの?」
朝ご飯の後で悠也が聞いてきた。行く日もまだ決まっていないのにやっぱり寂しいのか……明後日の金曜日に発ったとして、その晩から三日間通夜と葬儀があって、後かたづけもあるだろうからどんなに頑張っても帰ってくるのは五日後になる。
火曜日までカレンダーに印をつけて見せると悠也は真面目な顔で頷いた。
「俺たちがいない間、お前が父さんとこの家を守るんだぞ」
アニメの台詞か何かなのか、颯也は真顔でもっともらしく悠也を励ました。悠也も素直に頷いていた。
「おみやげ買ってきてね」「ああ、わかった」
笑ってはいけないところだが大真面目な二人が微笑ましくつい顔が緩んでしまう。
「留守番の間、これ、貸しといてやるよ」
颯也は自分の携帯ゲーム機を持って来て悠也に渡した。従兄弟のお兄ちゃん達のお下がりでもらった二台のうち、新しくていい方のゲーム機だ。
「えっいいの?」
悠也と私は思わず同時に聞き返した。暴君まではいかないが「悠也に貸すと壊れるから(あながち杞憂でもない)」と、普段はややけちん坊で威張りん坊の兄にしてはずいぶんと太っ腹だ。
「俺のセーブデータ、絶対消すなよ」
これはこれで後日の波乱の予感しかしないのだが、悠也は嬉しそうに頷いたーー本人達の意思を尊重して見守りますか。
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