1 / 9
生まれ変わり認定試験
しおりを挟む
世は選択の時代──。観たいドラマも聴きたい音楽も、同じ趣味の友達に、果ては結婚相手に至るまで、欲しい物は何だって手元のボタンひとつで選べてしまう。
それならまだしも現実的だが、この世で最も非現実的かつ非生産的な選択はアプリゲームへの課金だと僕は常々思う。いわばデータにお金を払っているも同然で、現実に残るものは心の安寧と推しへの愛だけ。到底理解の範疇ではないけれど、つらい現実を生き抜くための活力と考えればまあ納得できないこともない。
そんな人間にとって、こんなにも究極でこんなにも非現実的な選択が他にあるだろうか。命を落として初めて遭遇する事態に、果たして「この世で」などと注釈をつけていいものかどうか、僕は悩んだ。
死後の世界なんて信じていなかったけれど、こうして実際に体験してみると案外すんなりと受け入れられるものだ。
目の前には“天使のようなもの"、がいる。
宙に浮かんでいるし、それなりに容姿も整っているけれど、想像している赤子のような雰囲気は一切なく、どちらかというと成人、しかも男性とはっきりわかる。どうせ出会うなら子供の姿か、もしくは儚げで優しげな美しい女性の姿が良かったなどと栓のないことを考えて、思わず首を振る。
目下、重要視すべき事柄はひとつ。僕は今、死んでいて、この世でもあの世でもない空間に存在しているらしい、ということだけだ。
『君の名は?』
『名はありません。この世界では“御霊司“と呼ばれています』
『みたまし?』
どうやら“天使“ではないらしい。それなら尚更、可愛い女の子が良かった。
口に出していないその声が相手に聞こえた気がして、僕はなんとなく視線を逸らした。何もかも見透かされているようで落ち着かない。その間も淡々と話は続く。
『ここから先は死後の世界。目の前の2つの扉の先は、君の選択次第で変化します。さてここで質問』
2つの扉──。特に変哲のない鈍重な扉で、ただその先に何があるのかどうなっているのか、全く見当もつかない。僕がぼんやり眺めていると、強調も抑揚すらなく、御霊司は告げる。危うく聞き逃してしまいそうだ。
『君は生まれ変われるとしたら、もう一度自分がいいですか? それとも別人がいいですか?』
愚問とはこういうことを言うんだろう。そもそも後者を回答する人間がいるんだろうか。僕はそんなふうに思いながら、打って変わって御霊司を強く見据えた。
『──自分がいいに決まってる』
今度は御霊司が視線を逸らす番だった。感情を一切感じないので、その意味が僕にはわからない。ただ、ほんの少しの間の後、変わらず平坦な口調で御霊司は言う。
『では、【生まれ変わり認定試験】が必要です』
『・・・・・・【生まれ変わり認定試験】?』
聞いたこともない。まあ一度死なないとわからないのだからそれは当然か。御霊司は僕の目を見ずに説明を始める。
『ええ。もう一度、同じ生を与えられるかどうかは試験の結果によって決まります』
『じゃあ、ここで別人を選んだら?』
余計なことを言わないようにしているためか、はたまた単に話す速度がゆっくりなためか、やけに焦ったい話し方だと僕は思う。
『来世は別の生になるというだけです』
僕に遮られたことには特に反応を示さないところも、考えが読めずに苛々する。
『試験もなし?』
『さあ。そこは関知の範囲外ですので』
僕の苛立ちを逆撫でするような答えが気に食わず、あえて言葉に棘を含んで対抗してみる。
『生まれ変わりを望んだとして、具体的にどういう試験?』
『走馬灯というものをご存知で?』
質問を質問で返すな、とは生前もたくさん聞いた台詞だと唐突に思い出す。これまでの展開があまりにも非現実的で、振り返ることすら忘れていたのだとここでようやく気づく。
『死ぬ時に見るというやつ?』
『ええ。その走馬灯で自らの人生を再び歩んでいただきます。巻き戻しはできません。当然、時間を止めることもできません。ただし、空間を自由に移動することと早送りは可能です』
また突拍子もないことを言う。頭を抱えつつ、僕はふと疑問に思う。
『それって正解はあるの?』
そもそも、正解なんて誰がわかるのだろうか。
『ええ』
『正解すれば死なない、とか?』
『いいえ。君の死は既に決定しています。あくまで、来世の人生が希望通りになるかならないかの試験ですから。強いて言うなら、君の死の理由は明らかになるかもしれません』
『僕の死の理由?』
『ええ。君の死──いえ、ほとんどの人間の死は、人生の中で選択肢を間違えたことによるものです。それがたった一度の人間もいれば、多くの積み重ねで結果的に死を招く人間もいます。君が走馬灯で見つけるのは、その間違いです。間違いを正すことが、正しい解答でしょう。間違い探しのようなもの、と考えれば少しは楽しめるかもしれません。特に、君のような人間は──。とはいえ、多くの人間は全ての間違いを正すことができず、不合格となって死後の世界へ送られますが』
へえ。面白そうじゃん、間違い探し。俄然興味が湧いてきた。自分が死んだことすら未だ現実味がないが、生まれ変われるというのなら尚更、この死に意味があるとも思えない。死後の世界とやらは、存外、無秩序で無能力な人間の集まりらしい。
『その場合、生まれ変わりの話はどうなるの?』
『さあ。関知するところではございません』
目に見えて変わった僕の表情にも、御霊司は特に言及せず、視線を逸らしたまま答えた。
『合格したら、もう一度自分になれる?』
『はい』
『その時は同じ人生を繰り返すの? それとも走馬灯で見つけた正解の人生になる?』
『さあ』
『また“関知するところではございません“?』
『左様です』
やっつけ仕事丸出しの御霊司の態度にも、もはや僕は何も感じなくなっていた。それよりも早く、もう一度人生をやり直したい。いや、僕の人生に間違いなんてないけれど、せっかく同じ人生を辿れるのなら、生前とは別のことをしてみたい。そうすれば、正解じゃなくても何か見えるものがあるかもしれない。
そう、奇しくも御霊司が言った通り。僕のような、面白そうな事象に首を突っ込まないと気が済まない人間にとっては、生まれ変わり後の自分以上に、今この時の自分を楽しく生きたいのだ。たとえそれが、刹那的だと言われようとも──。
とはいえ、僕は僕以外の人生なんて考えられないから、生まれ変わっても僕で在り続けたい。そのためには、証明しなければならない。
『どうも釈然としないけど、本当に合格すればもう一度自分になれるんだよね?』
『はい。合格すれば』
『わかった。じゃあ、試験始めてよ。僕の存在証明、ちゃんと見ててよね?』
『・・・・・・承知しました』
『何、その間?』
『いえ。では、君が人間界に生まれ落ちた瞬間から走馬灯を開始します。準備はよろしいですか?』
『早く始めてよ。なんだかわくわくしてきた』
『──これより【生まれ変わり認定試験】を始めます。君の次の人生を懸けて、行ってらっしゃい』
【生まれ変わり認定試験】とは。
■来世もよりよい自分に生まれ変わるための試験
■"走馬灯"を使用して行われる
・早送りはできる
・巻き戻しはできない
・空間の移動が可能
基本的に"走馬灯"は動画のように再生を始めたら勝手に進み続ける。ただし、人生を左右する選択に関わらない場面は早送りが可能。関わる部分は自動的に早送り再生が止まり、一部始終が流される。
その間、空間の移動はできるが、当然ながら巻き戻しはできない。場面が終わると、御霊司からの質問があり、選択を変えるか否かを回答する。
変えるを選択した場合、実際の"走馬灯"の人生が変わることはなく、御霊司の採点にのみ反映される。御霊司は変えた場合の人生をシミュレーションすることができ、その選択を認証・証明することで正解か不正解かを見極める。
人によって選択肢の数は違うが、全問正解しなければ合格とはならない。
それならまだしも現実的だが、この世で最も非現実的かつ非生産的な選択はアプリゲームへの課金だと僕は常々思う。いわばデータにお金を払っているも同然で、現実に残るものは心の安寧と推しへの愛だけ。到底理解の範疇ではないけれど、つらい現実を生き抜くための活力と考えればまあ納得できないこともない。
そんな人間にとって、こんなにも究極でこんなにも非現実的な選択が他にあるだろうか。命を落として初めて遭遇する事態に、果たして「この世で」などと注釈をつけていいものかどうか、僕は悩んだ。
死後の世界なんて信じていなかったけれど、こうして実際に体験してみると案外すんなりと受け入れられるものだ。
目の前には“天使のようなもの"、がいる。
宙に浮かんでいるし、それなりに容姿も整っているけれど、想像している赤子のような雰囲気は一切なく、どちらかというと成人、しかも男性とはっきりわかる。どうせ出会うなら子供の姿か、もしくは儚げで優しげな美しい女性の姿が良かったなどと栓のないことを考えて、思わず首を振る。
目下、重要視すべき事柄はひとつ。僕は今、死んでいて、この世でもあの世でもない空間に存在しているらしい、ということだけだ。
『君の名は?』
『名はありません。この世界では“御霊司“と呼ばれています』
『みたまし?』
どうやら“天使“ではないらしい。それなら尚更、可愛い女の子が良かった。
口に出していないその声が相手に聞こえた気がして、僕はなんとなく視線を逸らした。何もかも見透かされているようで落ち着かない。その間も淡々と話は続く。
『ここから先は死後の世界。目の前の2つの扉の先は、君の選択次第で変化します。さてここで質問』
2つの扉──。特に変哲のない鈍重な扉で、ただその先に何があるのかどうなっているのか、全く見当もつかない。僕がぼんやり眺めていると、強調も抑揚すらなく、御霊司は告げる。危うく聞き逃してしまいそうだ。
『君は生まれ変われるとしたら、もう一度自分がいいですか? それとも別人がいいですか?』
愚問とはこういうことを言うんだろう。そもそも後者を回答する人間がいるんだろうか。僕はそんなふうに思いながら、打って変わって御霊司を強く見据えた。
『──自分がいいに決まってる』
今度は御霊司が視線を逸らす番だった。感情を一切感じないので、その意味が僕にはわからない。ただ、ほんの少しの間の後、変わらず平坦な口調で御霊司は言う。
『では、【生まれ変わり認定試験】が必要です』
『・・・・・・【生まれ変わり認定試験】?』
聞いたこともない。まあ一度死なないとわからないのだからそれは当然か。御霊司は僕の目を見ずに説明を始める。
『ええ。もう一度、同じ生を与えられるかどうかは試験の結果によって決まります』
『じゃあ、ここで別人を選んだら?』
余計なことを言わないようにしているためか、はたまた単に話す速度がゆっくりなためか、やけに焦ったい話し方だと僕は思う。
『来世は別の生になるというだけです』
僕に遮られたことには特に反応を示さないところも、考えが読めずに苛々する。
『試験もなし?』
『さあ。そこは関知の範囲外ですので』
僕の苛立ちを逆撫でするような答えが気に食わず、あえて言葉に棘を含んで対抗してみる。
『生まれ変わりを望んだとして、具体的にどういう試験?』
『走馬灯というものをご存知で?』
質問を質問で返すな、とは生前もたくさん聞いた台詞だと唐突に思い出す。これまでの展開があまりにも非現実的で、振り返ることすら忘れていたのだとここでようやく気づく。
『死ぬ時に見るというやつ?』
『ええ。その走馬灯で自らの人生を再び歩んでいただきます。巻き戻しはできません。当然、時間を止めることもできません。ただし、空間を自由に移動することと早送りは可能です』
また突拍子もないことを言う。頭を抱えつつ、僕はふと疑問に思う。
『それって正解はあるの?』
そもそも、正解なんて誰がわかるのだろうか。
『ええ』
『正解すれば死なない、とか?』
『いいえ。君の死は既に決定しています。あくまで、来世の人生が希望通りになるかならないかの試験ですから。強いて言うなら、君の死の理由は明らかになるかもしれません』
『僕の死の理由?』
『ええ。君の死──いえ、ほとんどの人間の死は、人生の中で選択肢を間違えたことによるものです。それがたった一度の人間もいれば、多くの積み重ねで結果的に死を招く人間もいます。君が走馬灯で見つけるのは、その間違いです。間違いを正すことが、正しい解答でしょう。間違い探しのようなもの、と考えれば少しは楽しめるかもしれません。特に、君のような人間は──。とはいえ、多くの人間は全ての間違いを正すことができず、不合格となって死後の世界へ送られますが』
へえ。面白そうじゃん、間違い探し。俄然興味が湧いてきた。自分が死んだことすら未だ現実味がないが、生まれ変われるというのなら尚更、この死に意味があるとも思えない。死後の世界とやらは、存外、無秩序で無能力な人間の集まりらしい。
『その場合、生まれ変わりの話はどうなるの?』
『さあ。関知するところではございません』
目に見えて変わった僕の表情にも、御霊司は特に言及せず、視線を逸らしたまま答えた。
『合格したら、もう一度自分になれる?』
『はい』
『その時は同じ人生を繰り返すの? それとも走馬灯で見つけた正解の人生になる?』
『さあ』
『また“関知するところではございません“?』
『左様です』
やっつけ仕事丸出しの御霊司の態度にも、もはや僕は何も感じなくなっていた。それよりも早く、もう一度人生をやり直したい。いや、僕の人生に間違いなんてないけれど、せっかく同じ人生を辿れるのなら、生前とは別のことをしてみたい。そうすれば、正解じゃなくても何か見えるものがあるかもしれない。
そう、奇しくも御霊司が言った通り。僕のような、面白そうな事象に首を突っ込まないと気が済まない人間にとっては、生まれ変わり後の自分以上に、今この時の自分を楽しく生きたいのだ。たとえそれが、刹那的だと言われようとも──。
とはいえ、僕は僕以外の人生なんて考えられないから、生まれ変わっても僕で在り続けたい。そのためには、証明しなければならない。
『どうも釈然としないけど、本当に合格すればもう一度自分になれるんだよね?』
『はい。合格すれば』
『わかった。じゃあ、試験始めてよ。僕の存在証明、ちゃんと見ててよね?』
『・・・・・・承知しました』
『何、その間?』
『いえ。では、君が人間界に生まれ落ちた瞬間から走馬灯を開始します。準備はよろしいですか?』
『早く始めてよ。なんだかわくわくしてきた』
『──これより【生まれ変わり認定試験】を始めます。君の次の人生を懸けて、行ってらっしゃい』
【生まれ変わり認定試験】とは。
■来世もよりよい自分に生まれ変わるための試験
■"走馬灯"を使用して行われる
・早送りはできる
・巻き戻しはできない
・空間の移動が可能
基本的に"走馬灯"は動画のように再生を始めたら勝手に進み続ける。ただし、人生を左右する選択に関わらない場面は早送りが可能。関わる部分は自動的に早送り再生が止まり、一部始終が流される。
その間、空間の移動はできるが、当然ながら巻き戻しはできない。場面が終わると、御霊司からの質問があり、選択を変えるか否かを回答する。
変えるを選択した場合、実際の"走馬灯"の人生が変わることはなく、御霊司の採点にのみ反映される。御霊司は変えた場合の人生をシミュレーションすることができ、その選択を認証・証明することで正解か不正解かを見極める。
人によって選択肢の数は違うが、全問正解しなければ合格とはならない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
「鏡像のイデア」 難解な推理小説
葉羽
ミステリー
豪邸に一人暮らしする天才高校生、神藤葉羽(しんどう はね)。幼馴染の望月彩由美との平穏な日常は、一枚の奇妙な鏡によって破られる。鏡に映る自分は、確かに自分自身なのに、どこか異質な存在感を放っていた。やがて葉羽は、鏡像と現実が融合する禁断の現象、「鏡像融合」に巻き込まれていく。時を同じくして街では異形の存在が目撃され、空間に歪みが生じ始める。鏡像、異次元、そして幼馴染の少女。複雑に絡み合う謎を解き明かそうとする葉羽の前に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた。
SNSの使い方
花柳 都子
ミステリー
ある日、無実の罪でアルバイトをクビになった綿貫千春は、ひょんなことから小さな編集社の旅雑誌公式SNSプロジェクトを手伝うことに。
旅雑誌といえばキラキラしてワクワクして、見ているだけで幸せな気持ちになれる、はずなのに。
不運続きの千春にとって、他人のSNSなど微塵も興味がなく、いっそ消えてなくなればいいとさえ思っていた為、実際のところ全くもって熱が入らなかった。
それでも相棒となった記者の風月七緒は、千春の仕事ぶりを認め、取材で関わる全ての人に敬意を払い、どんなに小さな仕事に対しても真っ直ぐ、懸命に向き合う。そんな姿に千春は徐々に心を動かされていく。
彼らは行く先々で必ずトラブルに巻き込まれるが、千春はその度にその土地の人々の葛藤や迷いが、そしてその人たちにしか分からない愛や幸せがあることを知る。
自分にとっての幸せとは、SNSを見る人たちの日常の喜びとは、全ての人にとってのこの世界とは、一体何なのか。
人生一度目の壁にぶつかる若き青年と、人類全ての幸福を願う文系ヒーローの熱くもあたたかい物語。
SNSを通して本当の幸せを見つけたいあなたへ、心からの愛を込めて。
幻影のアリア
葉羽
ミステリー
天才高校生探偵の神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、とある古時計のある屋敷を訪れる。その屋敷では、不可解な事件が頻発しており、葉羽は事件の真相を解き明かすべく、推理を開始する。しかし、屋敷には奇妙な力が渦巻いており、葉羽は次第に現実と幻想の境目が曖昧になっていく。果たして、葉羽は事件の謎を解き明かし、屋敷から無事に脱出できるのか?
探偵たちに時間はない
探偵とホットケーキ
ミステリー
前作:https://www.alphapolis.co.jp/novel/888396203/60844775
読まなくても今作だけで充分にご理解いただける内容です。
「探偵社アネモネ」には三人の探偵がいる。
ツンデレ気質の水樹。紳士的な理人。そしてシャムネコのように気紛れな陽希。
彼らが様々な謎を解決していくミステリー。
今作は、有名時計作家の屋敷で行われたミステリー会に参加することに。其処で事件が発生し――
***
カクヨム版 https://kakuyomu.jp/works/16818093087826945149
小説家になろう版 https://ncode.syosetu.com/n2538js/
Rising Star掲載経験ありのシリーズです。https://estar.jp/selections/501
学園ミステリ~桐木純架
よなぷー
ミステリー
・絶世の美貌で探偵を自称する高校生、桐木純架。しかし彼は重度の奇行癖の持ち主だった! 相棒・朱雀楼路は彼に振り回されつつ毎日を過ごす。
そんな二人の前に立ち塞がる数々の謎。
血の涙を流す肖像画、何者かに折られるチョーク、喫茶店で奇怪な行動を示す老人……。
新感覚学園ミステリ風コメディ、ここに開幕。
『小説家になろう』でも公開されています――が、検索除外設定です。
友よ、お前は何故死んだのか?
河内三比呂
ミステリー
「僕は、近いうちに死ぬかもしれない」
幼い頃からの悪友であり親友である久川洋壱(くがわよういち)から突如告げられた不穏な言葉に、私立探偵を営む進藤識(しんどうしき)は困惑し嫌な予感を覚えつつもつい流してしまう。
だが……しばらく経った頃、仕事終わりの識のもとへ連絡が入る。
それは洋壱の死の報せであった。
朝倉康平(あさくらこうへい)刑事から事情を訊かれた識はそこで洋壱の死が不可解である事、そして自分宛の手紙が発見された事を伝えられる。
悲しみの最中、朝倉から提案をされる。
──それは、捜査協力の要請。
ただの民間人である自分に何ができるのか?悩みながらも承諾した識は、朝倉とともに洋壱の死の真相を探る事になる。
──果たして、洋壱の死の真相とは一体……?
VIVACE
鞍馬 榊音(くらま しおん)
ミステリー
金髪碧眼そしてミニ薔薇のように色付いた唇、その姿を見たものは誰もが心を奪われるという。そんな御伽噺話の王子様が迎えに来るのは、宝石、絵画、美術品……!?
この満ち足りた匣庭の中で 三章―Ghost of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
幾度繰り返そうとも、匣庭は――。
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
その裏では、医療センターによる謎めいた計画『WAWプログラム』が粛々と進行し、そして避け得ぬ惨劇が街を襲った。
舞台は繰り返す。
三度、二週間の物語は幕を開け、定められた終焉へと砂時計の砂は落ちていく。
変わらない世界の中で、真実を知悉する者は誰か。この世界の意図とは何か。
科学研究所、GHOST、ゴーレム計画。
人工地震、マイクロチップ、レッドアウト。
信号領域、残留思念、ブレイン・マシン・インターフェース……。
鬼の祟りに隠れ、暗躍する機関の影。
手遅れの中にある私たちの日々がほら――また、始まった。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる