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貴也参上ーーっ!てばよ!
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しおりを挟む玉子のしなやかな指先が踊るように貴也の裸の背中の肌をうなじから腰までつつ、と撫でた。
貴也は大きく仰け反り、震えて力の入らない拳で必死に玉子の胸を叩いた――が、玉子にやんわりとした仕草でその拳を包まれてしまった。
「貴ぴーは本当に素直だなあ。ゆうみと真逆だね?」
玉子は貴也の手の甲にチュッと音を立ててキスをして花の如く微笑んだ。
貴也はカッと目を剥いて後ろを振り返り、噛みつくように叫ぶ。
「――知ったような口を利くんじゃね――よ!ゆうみの事は俺が一番によーくわかってんだからな――!」
玉子は気色ばむ貴也の表情にも眉ひとつ動かさず唇の端を上げて優雅に微笑むと、貴也の胸の突起を人指し指と親指で摘まんでキュッと圧を加えた。
「――っ」
貴也は甘く震えて呻きそうになるのを必死に堪え玉子の指に噛みつくと、一瞬怯んだ玉子を渾身の力を込めて突き飛ばし、脱がされたシャツを掴んで鋭く睨む。
「ふふ……そういう君はゆうみの全てをわかってるつもりなんだね?」
玉子は僅かに頬をひきつらせるが、屁でもないとでも言うようにクスリと笑い、噛まれて血の滲んだ指先をペロリと舐めた。
「あ……あったり前だ!一体何年コイツを見てきたと思ってんだよ!この変態王子がっ!」
貴也は大急ぎでシャツを着ようとするが、男にBLチックな行為をされたショックで――しかも自分は満更でもなく感じてしまった事が何よりも衝撃だったのだ――指が震えて上手く出来ない。
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