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身体が先か、恋が先か?

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「み、美佳原さ……落ちついて」

「ほらっ!また呼び方が戻ってる!」

「だ……っ!さっきは気安く呼ぶなって……っ」

「今はその呼び方が気に食わないのよ!」

「そっそんな無茶苦茶なっ」

 

 しのは目を吊り上げ、怒りに任せて堺に向かって右の拳を振り上げるが、その拍子に持っていた脱いだ服が床に落ちて、再び魅力的な裸体が晒された。



「いやっ……」


 
 堺の目は釘付けになり、しのは服を拾い集めて胸に抱き座り込んだ。

 

「……っ」


 
 堺はドギマギしながら彼女にかける言葉を頭の中で必死に探すが、しのは彼の顔と身体を見て頬を真っ赤にする。


「ちょっと……そ……それは何なんですか!」

「へっ?」

「だからっ……」



 頬の赤い色を益々濃くするしのは顔を反らして口ごもり、彼の腹の下を指差した。

 キョトンとしていた堺だったが、しのの指差す先に自分の反り勃った獣があり、慌てて隠す。





「か、隠れてないしっ」

「ご、ごめんっ」

「だから!謝るなんて最低って言ったでしょ!」

「わっわわわわ――しのっ……っ」



 胸を拳で叩こうとするしのは勢い余って彼を押し倒す体勢になってしまった。


 

「いっ……!」



 床に頭をぶつけ目を白黒する堺に馬乗りになるしのは、キツい目元を更に鋭くして彼を見下ろすと、隆々と勃つ獣の根本を握る。

 堺は弾かれたように身体を震わせた。



「ねえ……これは何なのよ!」



 柔らかく手の中で包んだかと思えば力を加えてまた離したり――絶妙な加減で弄ばれ、堺は顔を歪めて呻く。


「な……なにって……うっ……!」

「私は怒ってるの!なのに……貴方はここをまたこんな風にして……サイテー!」

  



 

「だ……だってそれは――!」

「だって何よ!やっぱり貴方は私の身体しか見てないって事なのよね?若い女の子とセックスしたいだけ?だったら私じゃなくても良かったのよね?例えばオリオンの他のメンバーでも良かったかしら?そうなんでしょっ!」



 堺は快感に悶えながらも反論しようとし頭を起こし、自分に跨がるしのの美しい身体を目の当たりにすると息を呑んで絶句した。

 薄暗い中でもはっきりと分かるなだらかな胸から腰にかけての曲線、先程思うように掻き回して愛した花園の入口が誘う様に濡れて艶めき、堺はゴクリと喉を鳴らした。

 しのは声を震わせ、なじるように詰問しながらも手を動かすのを止めない。


「しの……止すんだ……止めないと……!」



 ぎゅっと腹に力を込め、はち切れそうになる欲を鎮めようとする堺だが、しの手を振り払う事が出来ない。

 しのが身を屈めて目の前で豊満な膨らみが揺れ、堺は衝動的に彼女の腕を掴み腰を抱き、胸に顔を埋めて先端を口に含んだ。





「やっ……」



 堺の唇と舌が与える甘く淫らな刺激に、しのは怒りを忘れて切ない声を漏らした。

 堺は両の掌でしのの乳房を掴み、みるみるうちに硬く上を向く突起をなぶるように舌で転がして、しのを叫ばせる。


「しの……しのが……そうやって誘惑するから……だから僕は」



 熱に浮かされた様に呟く堺の頭をしのは掴み、胸に抱いた。その仕草はまるで、彼にもっと愛撫を欲しいとせがむかの様だった。



「わ……私はそんな事てしてな……んっ」



 堺の手が腰に滑り、花芽にそっと触れると、しのの身体にピリッと熱さが駆け抜ける。痛い様なむず痒いような、不思議な感覚だった。


 






「痛い……?」



 指で触れたその先にある花園まで指を侵入させたくなるのを堪え、堺はしのの身体を気遣う。



「わ……わからな……」




 しのは首を振り、彼の背中にしがみつき、混乱していた。先程まで自分の中にあった嵐の様な怒りは何処へ行ってしまったのか。彼の掴めない態度に不満が胸の奥に渦巻いてるのは確かだったが、今はそれよりも、彼に触れて欲しい――我を忘れてしまう程に烈しく与えて欲しかった――何を――彼の熱くて硬い物でかきまわして欲しい――と思っていた。



(これじゃあ……私……淫乱みたいじゃない……さっき初めてのセックスをしたばかりなのに……)



 しのは自分の中に沸き上がる劣情に戸惑いながらも、彼のたぎった獣に手を伸ばし、包みこむ様に握った。

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