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第4章 7階層攻略編
第95話 兵どもの夢の跡
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最北西端に着いた僕は、7階層についたばかりの激戦を思い出していた。
人族のリリア、人造魔人のハルク、ゾンビとして蘇ったクロコ、そしてミミックのリュウ。
リュウに騙されていたとはいえ、僕らはパーティとしてここまで来たのだ。
そして獣人族との激戦。
この戦いがきっかけで、このフロアの獣人族のクランは壊滅してしまった。
すでに獣人たちの死体は処理されている。
あるいはミミックやモンスターたちに食べられたのか、1人もこのエリアには残っていない。
廃墟のように静まり返っているのだ。
ただ、壁や床にはおびただしい量の出血痕が残っている。
「兵どもの夢の跡」
この言葉がふさわしいのかどうかは分からない。
ただこの光景を眺めながら回想をしていたら、頭にその言葉が浮かんできたのだ。
(ここが兄貴が暴れ回ったところか…。誰もいねぇじゃん)
強引に僕についてきたタケルは、退屈そうにしている。
確かにタケルにとっては面白くもなんともない場所だろう。
一通り周囲を探索して見てもリュウやクロコ、リリア、族長の姿もない。
リリアも族長もリュウからの攻撃で瀕死状態に陥った。
おそらくもう生きてはいまい。
(兄貴、あそこに部屋があるぜ。
お宝とか残っているかもしれねぇぜ)
部屋の奥に小さな小部屋があった。
部屋の前に扉はあるが、鍵はしまっていない
僕らは扉の中へと入った。
おそらくここが族長が言っていた、族長孤個人の宝物庫だったのだろう。
壁には棚が設置されており宝箱がいくつも陳列されている。
しかし、どの宝箱もすでに空っぽ。
すでに誰かが中身を盗んだ後なのだ。
部屋の奥には金色に光る、剣を構えた獣人が掘られた扉がある。
おそらくこれが、8階層に向かう階段への扉の一つだろう。
僕は扉を開けるための2つのアイテムの一つ、獣神の宝玉を持っている。
あとは扉の鍵さえあれば、8階層に行くことが出来るのだ。
その鍵はリリアが持っていた。
リリアがいなくなった今となっては、この7階層のどこかにあるというスペアキーを探さなければならない。
少し時間をおいたおかげか、僕の頭はすっかりクリアになっていた。
今僕がしなくてはならないのは、パンドラボックスを取得すること。
パンドラボックスも僕が所有者になることには、あまり抵抗を感じていなかった。
しかし、所有するにはパンドラボックスに「希望」を見せなければならない。
一体パンドラボックスが言う「希望」とはなんなのか?
どうすれば見せられるのか?
僕にはまだその答えを見いだせていないのだ。
また、パンドラボックスを手に入れるには、シャーマンたちが待つ部屋の最奥部に潜入しなければならない。
前回は敵が油断していたおかげで難なく侵入できたが、次からはそうはいかないだろう。
おそらく同盟相手にも声をかけて、守備をより強化するだろう。
さすがに僕とタケルの2体では心もとない。
新たな仲間が必要かもしれない。
パンドラボックスを手に入れた後は、7階層の攻略だ。
僕の目の前にある扉を開ける鍵を手に入れる必要がある。
こちらについても闇雲に下がるよりも情報も集めた方がいいだろう。
(兄貴、ここには何もねぇよ。さっさと次の所に行っちまおうぜ。)
確かにいつまでも感慨にふけっていても仕方がない。
ただどこに行けばいいのか分からない。
ここにたどり着くまでの間に僕は、数多くの種族を食べてきた。
今やほとんどの種族に僕は脅威と思われているのだから。
今や僕を怖がっていないのはミミックぐらいだ。
ん?ミミック!?
そうだ、ミミックだ!
このフロアには数え切れないほどのミミックがいる。
このミミックたちをまとめ上げられれば、どこの同盟軍よりも大きい組織になるだろう。
しかし、そもそもミミックをまとめ上げられるのか?
奴らは自分の欲望に忠実だ。
徒党を組むミミックなんて、プレイヤー以外で見たことがない。
だが、ミミックの集団戦闘の強さは僕らで実践済みだ。
相手にとってミミックに集団で襲われるほど、怖いものはないだろう。
「やっほー光君。面白…恐ろしいこと考えるね。」
突然チュートリアルの声が僕の頭に響いてきた。
僕が煮詰まっているのを見て、助け舟を入れに来てくれたのだろうか?
「ミミックを使役する方法があるかって?
そんな面白いこと考えたプレイヤーは君が初めてだよ(笑)
ほとんどのプレイヤーはミミックを餌としか考えてないからね。」
(で、どうなの?出来るの?)
「もぅ、相変わらずせっかちだなぁ。
でも結論からいうと「YES」。使役出来るよ。」
タケルは僕とチュートリアルのやりとりをキョロキョロしながら見ている。
どうやら彼にはチュートリアルの声が聞こえないようだ。
(やっぱり使役できるんだ。どうすれば、使役できるようになるの?)
「それは君自身がミミックよりも格上の存在にならなきゃいけない。
ミミックキングになるしかないよね。」
(ミミックキング!?)
初めて聞く名前だ。なんか強そう。
(で、そのミミックキングにはどうやったらなれるの?)
「実はそう難しくも無いんだ。称号ってあるでしょ。
称号は合成することでさらに上位の称号に変化させられるんだ。
また、プレイヤーから奪った称号はそれ一つでも特別な称号となる。
プレイヤーからの称号を三つ併せれば、通常では存在しないレア称号が合成出来るんだ。
その中にミミックキングの称号もあるよ。
君があと一人プレイヤーを食べれば合成出来るかもね。」
プレイヤーの称号を3つ…。
今僕が持っているプレイヤーの称号は、リッチの【ネクロマンサー】とハルクの【バーサーカー】の2つ。
3つ揃えるために、タケルを食べなきゃいけないの!?
人族のリリア、人造魔人のハルク、ゾンビとして蘇ったクロコ、そしてミミックのリュウ。
リュウに騙されていたとはいえ、僕らはパーティとしてここまで来たのだ。
そして獣人族との激戦。
この戦いがきっかけで、このフロアの獣人族のクランは壊滅してしまった。
すでに獣人たちの死体は処理されている。
あるいはミミックやモンスターたちに食べられたのか、1人もこのエリアには残っていない。
廃墟のように静まり返っているのだ。
ただ、壁や床にはおびただしい量の出血痕が残っている。
「兵どもの夢の跡」
この言葉がふさわしいのかどうかは分からない。
ただこの光景を眺めながら回想をしていたら、頭にその言葉が浮かんできたのだ。
(ここが兄貴が暴れ回ったところか…。誰もいねぇじゃん)
強引に僕についてきたタケルは、退屈そうにしている。
確かにタケルにとっては面白くもなんともない場所だろう。
一通り周囲を探索して見てもリュウやクロコ、リリア、族長の姿もない。
リリアも族長もリュウからの攻撃で瀕死状態に陥った。
おそらくもう生きてはいまい。
(兄貴、あそこに部屋があるぜ。
お宝とか残っているかもしれねぇぜ)
部屋の奥に小さな小部屋があった。
部屋の前に扉はあるが、鍵はしまっていない
僕らは扉の中へと入った。
おそらくここが族長が言っていた、族長孤個人の宝物庫だったのだろう。
壁には棚が設置されており宝箱がいくつも陳列されている。
しかし、どの宝箱もすでに空っぽ。
すでに誰かが中身を盗んだ後なのだ。
部屋の奥には金色に光る、剣を構えた獣人が掘られた扉がある。
おそらくこれが、8階層に向かう階段への扉の一つだろう。
僕は扉を開けるための2つのアイテムの一つ、獣神の宝玉を持っている。
あとは扉の鍵さえあれば、8階層に行くことが出来るのだ。
その鍵はリリアが持っていた。
リリアがいなくなった今となっては、この7階層のどこかにあるというスペアキーを探さなければならない。
少し時間をおいたおかげか、僕の頭はすっかりクリアになっていた。
今僕がしなくてはならないのは、パンドラボックスを取得すること。
パンドラボックスも僕が所有者になることには、あまり抵抗を感じていなかった。
しかし、所有するにはパンドラボックスに「希望」を見せなければならない。
一体パンドラボックスが言う「希望」とはなんなのか?
どうすれば見せられるのか?
僕にはまだその答えを見いだせていないのだ。
また、パンドラボックスを手に入れるには、シャーマンたちが待つ部屋の最奥部に潜入しなければならない。
前回は敵が油断していたおかげで難なく侵入できたが、次からはそうはいかないだろう。
おそらく同盟相手にも声をかけて、守備をより強化するだろう。
さすがに僕とタケルの2体では心もとない。
新たな仲間が必要かもしれない。
パンドラボックスを手に入れた後は、7階層の攻略だ。
僕の目の前にある扉を開ける鍵を手に入れる必要がある。
こちらについても闇雲に下がるよりも情報も集めた方がいいだろう。
(兄貴、ここには何もねぇよ。さっさと次の所に行っちまおうぜ。)
確かにいつまでも感慨にふけっていても仕方がない。
ただどこに行けばいいのか分からない。
ここにたどり着くまでの間に僕は、数多くの種族を食べてきた。
今やほとんどの種族に僕は脅威と思われているのだから。
今や僕を怖がっていないのはミミックぐらいだ。
ん?ミミック!?
そうだ、ミミックだ!
このフロアには数え切れないほどのミミックがいる。
このミミックたちをまとめ上げられれば、どこの同盟軍よりも大きい組織になるだろう。
しかし、そもそもミミックをまとめ上げられるのか?
奴らは自分の欲望に忠実だ。
徒党を組むミミックなんて、プレイヤー以外で見たことがない。
だが、ミミックの集団戦闘の強さは僕らで実践済みだ。
相手にとってミミックに集団で襲われるほど、怖いものはないだろう。
「やっほー光君。面白…恐ろしいこと考えるね。」
突然チュートリアルの声が僕の頭に響いてきた。
僕が煮詰まっているのを見て、助け舟を入れに来てくれたのだろうか?
「ミミックを使役する方法があるかって?
そんな面白いこと考えたプレイヤーは君が初めてだよ(笑)
ほとんどのプレイヤーはミミックを餌としか考えてないからね。」
(で、どうなの?出来るの?)
「もぅ、相変わらずせっかちだなぁ。
でも結論からいうと「YES」。使役出来るよ。」
タケルは僕とチュートリアルのやりとりをキョロキョロしながら見ている。
どうやら彼にはチュートリアルの声が聞こえないようだ。
(やっぱり使役できるんだ。どうすれば、使役できるようになるの?)
「それは君自身がミミックよりも格上の存在にならなきゃいけない。
ミミックキングになるしかないよね。」
(ミミックキング!?)
初めて聞く名前だ。なんか強そう。
(で、そのミミックキングにはどうやったらなれるの?)
「実はそう難しくも無いんだ。称号ってあるでしょ。
称号は合成することでさらに上位の称号に変化させられるんだ。
また、プレイヤーから奪った称号はそれ一つでも特別な称号となる。
プレイヤーからの称号を三つ併せれば、通常では存在しないレア称号が合成出来るんだ。
その中にミミックキングの称号もあるよ。
君があと一人プレイヤーを食べれば合成出来るかもね。」
プレイヤーの称号を3つ…。
今僕が持っているプレイヤーの称号は、リッチの【ネクロマンサー】とハルクの【バーサーカー】の2つ。
3つ揃えるために、タケルを食べなきゃいけないの!?
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