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2店目「飲んだ後にもぴったりなスープ」
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こんにちは!トラ顔紳士です。
いやー昨日は【ギルドの酒場】で飲みすぎちゃいました。
朝から頭がグワングワンと揺れちゃっていましたね。
そんな朝にもぴったりなのが、今回ご紹介するお店です。
ウメーディの西の郊外にあるお店で、古民家をリノベーションした可愛らしい建物です。
レンガ造りの家なんですが緑色の敦がくるくるって絡まってて、ちょっとしたアクセントになっていますね。
見上げると三角形の屋根から煙突がにょっと伸びていて。白い煙をぷんかぷんか吐き出しています。
木製のドアを開けると、弦科の植物が至るところに生えていました。
周りを見渡すとぼんやりと明るい。
蝋燭も無いのに、部屋が照らされているという感じです。
どうやら部屋を明るく照らす魔道具を使用しているようです。
ただ、どこを見回してもその光源がありません。
高い天井を見上げてもシャンデリアも無ければ、ランタンや照明用の魔道具さえも設置されていません。
それにもかかわらず、店内はうっすら明るく照らされているのです。
いくら考えても、その原理がよくわかりませんね。
席はテーブル席が四台とカウンター席が六席で、ほぼ満席。
お客さんは八割が若い女性で、おしゃべりしながら遅めのランチを楽しんでいるようです。
実はこのお店にはメニューがありません。
お店の人がお客さんの食べたいもの、もしくは今のお客さんに必要なものを察知して即興で料理を作ってくれるそうです。
しかも予算まで考えてくれるというのだから驚きですね!
食べたいものってその時によって変わるじゃないですか?
トラブルが起こりそうだと思うのですが、今までお客さんが満足しなかったことは無いそうです。
一体どのように調べているのか気になりますよね!
あっ、どうやら料理がきましたよ。
料理を持って来たのは耳の長い女性の給仕さん。
綺麗な方ですが、どことなくミステリアスな感じがします。
置かれた料理は空の深皿にバカでかい豆が四つだけ。
他には何もありません。
まさかこれで終わりじゃないですよね?
彼女は何やら詠唱しながら、銀のポットから豆に向かって液体を注ぎ始めました。
何が始まるんだろう……。
パンッという炸裂音とともに豆が破裂し、液体と豆が渦を巻きながら混ざり始めました!
透明な液体が緑色のトロミのついたスープに早変わり。
あまりの出来事に僕は呆気に取られてしまいました。
そんな僕に構わず、エルフの給仕さんは僕のスープにパラパラと香草を一つまみ振りかけました。
どうやらこれでスープが完成のようです。
・豆のスープ 一銀貨+五銅貨
どうやらこのお店はお客さんの前で、魔法を使って料理を完成させるスタイルのようです。
周りを見回してみると、同じように驚きの声があちこちであがっていますね。
早速料理を味わってみましょう。
スープは緑がかった乳白色。
粗く潰された豆のつぶつぶが、見るからにヘルシーですね。
豆独特の青っぽい香りに加え、熱した豆乳のような甘い香り、ハーブの爽やかな匂いが広がります。
ドロッ
スープをすくうと十分なトロミを感じます。
これならバゲットに浸しても美味しそうですね。
口にいれると優しい甘みが口中に広がります。
豆本来の甘みとほろ苦さ、ミルクのコクと鳥肉を越してとっただろう出汁の旨さが際立ちますね。
人肌くらいのスープの温度も、疲れた胃にはとても優しいですね。
飲んでいるうちにいつの間にか頭痛が無くなってしまいました。
なんとも不思議なお店でしたね。
今度はどんな料理が出てくるのか楽しみです。
ごちそうさまでした。
店名:エルフの料理店「ジョゼフィーナ」
予算:一銀貨~二銀貨
店の雰囲気 ★★★★★
店員の対応 ★★★☆☆
料理の味 ★★★★☆
コスパ ★★★★☆
バラエティ ★★★☆☆
総合評価 ★★★★☆
いやー昨日は【ギルドの酒場】で飲みすぎちゃいました。
朝から頭がグワングワンと揺れちゃっていましたね。
そんな朝にもぴったりなのが、今回ご紹介するお店です。
ウメーディの西の郊外にあるお店で、古民家をリノベーションした可愛らしい建物です。
レンガ造りの家なんですが緑色の敦がくるくるって絡まってて、ちょっとしたアクセントになっていますね。
見上げると三角形の屋根から煙突がにょっと伸びていて。白い煙をぷんかぷんか吐き出しています。
木製のドアを開けると、弦科の植物が至るところに生えていました。
周りを見渡すとぼんやりと明るい。
蝋燭も無いのに、部屋が照らされているという感じです。
どうやら部屋を明るく照らす魔道具を使用しているようです。
ただ、どこを見回してもその光源がありません。
高い天井を見上げてもシャンデリアも無ければ、ランタンや照明用の魔道具さえも設置されていません。
それにもかかわらず、店内はうっすら明るく照らされているのです。
いくら考えても、その原理がよくわかりませんね。
席はテーブル席が四台とカウンター席が六席で、ほぼ満席。
お客さんは八割が若い女性で、おしゃべりしながら遅めのランチを楽しんでいるようです。
実はこのお店にはメニューがありません。
お店の人がお客さんの食べたいもの、もしくは今のお客さんに必要なものを察知して即興で料理を作ってくれるそうです。
しかも予算まで考えてくれるというのだから驚きですね!
食べたいものってその時によって変わるじゃないですか?
トラブルが起こりそうだと思うのですが、今までお客さんが満足しなかったことは無いそうです。
一体どのように調べているのか気になりますよね!
あっ、どうやら料理がきましたよ。
料理を持って来たのは耳の長い女性の給仕さん。
綺麗な方ですが、どことなくミステリアスな感じがします。
置かれた料理は空の深皿にバカでかい豆が四つだけ。
他には何もありません。
まさかこれで終わりじゃないですよね?
彼女は何やら詠唱しながら、銀のポットから豆に向かって液体を注ぎ始めました。
何が始まるんだろう……。
パンッという炸裂音とともに豆が破裂し、液体と豆が渦を巻きながら混ざり始めました!
透明な液体が緑色のトロミのついたスープに早変わり。
あまりの出来事に僕は呆気に取られてしまいました。
そんな僕に構わず、エルフの給仕さんは僕のスープにパラパラと香草を一つまみ振りかけました。
どうやらこれでスープが完成のようです。
・豆のスープ 一銀貨+五銅貨
どうやらこのお店はお客さんの前で、魔法を使って料理を完成させるスタイルのようです。
周りを見回してみると、同じように驚きの声があちこちであがっていますね。
早速料理を味わってみましょう。
スープは緑がかった乳白色。
粗く潰された豆のつぶつぶが、見るからにヘルシーですね。
豆独特の青っぽい香りに加え、熱した豆乳のような甘い香り、ハーブの爽やかな匂いが広がります。
ドロッ
スープをすくうと十分なトロミを感じます。
これならバゲットに浸しても美味しそうですね。
口にいれると優しい甘みが口中に広がります。
豆本来の甘みとほろ苦さ、ミルクのコクと鳥肉を越してとっただろう出汁の旨さが際立ちますね。
人肌くらいのスープの温度も、疲れた胃にはとても優しいですね。
飲んでいるうちにいつの間にか頭痛が無くなってしまいました。
なんとも不思議なお店でしたね。
今度はどんな料理が出てくるのか楽しみです。
ごちそうさまでした。
店名:エルフの料理店「ジョゼフィーナ」
予算:一銀貨~二銀貨
店の雰囲気 ★★★★★
店員の対応 ★★★☆☆
料理の味 ★★★★☆
コスパ ★★★★☆
バラエティ ★★★☆☆
総合評価 ★★★★☆
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