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第1章
5話:転校生
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林田果歩side…
ある日、私のクラスに転校生が来た。その転校生は、無邪気な顔で笑っていた。
「笹川流(ささかわながれ)です。よろしく!」
私は、無邪気な顔で笑っている転校生を見つめる。すると、目が合う。私は、顔を一度そらし、もう一度彼の方を見る。彼は、ニッコリ笑う。つられて私も笑う…なんて事は、ない。榊の方を見ると、相変わらずの作り笑だ。
(吐気がする、この世界に。)
「ねえ、林田さん。」
笹川に、話しかけられた。
「学校案内してもらっていい?」
笹川は、私がイジメにあっていることを知らないのだろうか?知っていて、同情して私に話しかけているのだろうか?どっちでもいい。学校の道案内?そんなのお断りだ。
「…嫌だ。何故、私がそんな事しないといけないの?」
「あっ、ごめんね。」
(別に謝る必要なんてないのに。)
彼の少しショックそうな顔を見て、私は道案内することにした。
「別にいいよ。道案内してあげる。」
一通り学校の道案内を済ませた私は、すぐに笹川のそばを離れようとする。彼を私の問題に巻き込むわけにはいかない。
「おーい、林田ぁー、ちょっと来いよ?」
「…」
何も言わず、何も聞いていないふりをして、一刻も早く帰ろうとする私の髪を引っ張り地面に私の顔を叩きつける。
「────痛っ!」
「林田、笹川と仲良くなれたとか思ってんだろ?」
「…思ってない!」
「自意識過剰だなぁー?」
「誰もてめえなんかと、友達なるわけねーだろ?」
「死ねよ、ブス。」
「てめえなんか、そこら辺に捨ててあるゴミ以下の存在なんだよ!」
「かハッ」
私は、腹部を思いっきり蹴られ、咳き込む。口の中が血の海だ。食べた物が、逆流しそうだ。私の今の身体は、もうボロボロだ。精神も壊れる寸前だ。
(…先生、助けて。)
「やめろよ!林田に酷いことすんな!」
そう言って、私の前に現れたのは、榊じゃなくて、笹川だった。その事実に少し落ち込む。
(なんだ…先生じゃないのか。)
「笹川…あんたもコイツ虐めないの?楽しいよ?」
「俺の友達にそんな事出来るわけないだろ!」
(友達じゃなかったら、虐めるの?)
批判的な考え。私の悪い癖だ。
────あの人以外誰も、信じられない。
────あの人を慕う気持ち以外私には、何も無い。
────空っぽだ。
────生きているのに、死んでいるようだ。
「俺は、俺にとって大切な相手には絶対に手ぇ上げね!」
「クッ!行くよ!」
「あっ、うん。」
女子達がいなくなるのを見た後、笹川は膝をつき、私に手を差し出す。
「掴まんなよ。」
「いい。1人で起きれる。」
起き上がると、寝ていた時よりも蹴られたところがじんじんいたんだ。
(笹川。君は、何色なの?)
ある日、私のクラスに転校生が来た。その転校生は、無邪気な顔で笑っていた。
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「学校案内してもらっていい?」
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「…嫌だ。何故、私がそんな事しないといけないの?」
「あっ、ごめんね。」
(別に謝る必要なんてないのに。)
彼の少しショックそうな顔を見て、私は道案内することにした。
「別にいいよ。道案内してあげる。」
一通り学校の道案内を済ませた私は、すぐに笹川のそばを離れようとする。彼を私の問題に巻き込むわけにはいかない。
「おーい、林田ぁー、ちょっと来いよ?」
「…」
何も言わず、何も聞いていないふりをして、一刻も早く帰ろうとする私の髪を引っ張り地面に私の顔を叩きつける。
「────痛っ!」
「林田、笹川と仲良くなれたとか思ってんだろ?」
「…思ってない!」
「自意識過剰だなぁー?」
「誰もてめえなんかと、友達なるわけねーだろ?」
「死ねよ、ブス。」
「てめえなんか、そこら辺に捨ててあるゴミ以下の存在なんだよ!」
「かハッ」
私は、腹部を思いっきり蹴られ、咳き込む。口の中が血の海だ。食べた物が、逆流しそうだ。私の今の身体は、もうボロボロだ。精神も壊れる寸前だ。
(…先生、助けて。)
「やめろよ!林田に酷いことすんな!」
そう言って、私の前に現れたのは、榊じゃなくて、笹川だった。その事実に少し落ち込む。
(なんだ…先生じゃないのか。)
「笹川…あんたもコイツ虐めないの?楽しいよ?」
「俺の友達にそんな事出来るわけないだろ!」
(友達じゃなかったら、虐めるの?)
批判的な考え。私の悪い癖だ。
────あの人以外誰も、信じられない。
────あの人を慕う気持ち以外私には、何も無い。
────空っぽだ。
────生きているのに、死んでいるようだ。
「俺は、俺にとって大切な相手には絶対に手ぇ上げね!」
「クッ!行くよ!」
「あっ、うん。」
女子達がいなくなるのを見た後、笹川は膝をつき、私に手を差し出す。
「掴まんなよ。」
「いい。1人で起きれる。」
起き上がると、寝ていた時よりも蹴られたところがじんじんいたんだ。
(笹川。君は、何色なの?)
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