7 / 7
第1章:小さな子供
006:小さな心①
しおりを挟む
僕は友達が出来てから、毎日学校に通うのが楽しくなっていた。
そんなある日の夜、僕は両親に呼び出された。
妹は、もう寝ている時間で、僕ももう寝ようとしていたところだった。
「何?お母さん、お父さん…」
「お兄ちゃん、よく聞いてね…」
「???」
「ハルの力なんだけど…」
「ハルの力?」
「ええ。貴方は、見たことある?」
そう母に聞かれて、今までを思い出してみる。
「そう言えば、見たことないね(汗)」
「…そうなの。お母さん達も見たことがなかったの」
「なかった?過去形なの?」
すると、母は僕に顔を近づけて、どういう顔をしていいのか分からないという顔で、言った。
「お母さん、見たのよ。ハルの力…」
「え?どんな力だったの?やっぱりお母さん、お父さんみたいに水の力とか?」
そう言うと、母は首を横に振る。
「…いいえ。あのね、ハルの力のことを言う前に、お母さん達はね、あなた達に戦いから遠く離れた力を持ってほしいと思っていたの。」
「???どういう意味?」
「ハルの力は…力というか、魔力、血、肉、骨はあらゆる怪我も、病気も治してしまうの…」
「そんなの、ハルらしい力じゃない?」
母は、僕のその言葉を聞いて悲しそうな顔をする。
「そうね。でも、あらゆる怪我も、病気も治すのよ?魔族だけじゃない、人族も、神族も全ての種族がハルを奪い合うでしょうね…」
「そうなったら、ハルは!」
「ええ、そうよ…」
「なんてことだ!そうなったら、ハルに、平穏で幸せな日々が来なくなる。それに、ハルを奪い合って、色々な者達が傷つくのは、ハルが1番辛い事じゃないか!」
「そうよ…」
「僕は、どうすればっ!ハルを守りたい…」
「なら、守って見せなさい。貴方なら、できるはずよ?」
母は、僕の肩に手を置いて、強く頷く。
僕は、力強く母の目を見て、頷いた。
「僕、やるよ!強くなって、何がなんでも妹を守るっ!」
────僕は、妹を守るためなら、どんなに薄情な奴になったとしても構わない。
────妹に嫌われても…
────それは、ちょっと立ち直れないかも(汗)
────でも、妹以外に嫌われても、悪だと罵られても、構わない。
────僕は、妹の幸せさえ守れれば、その場に例え僕がいなくてもいい。
────妹が、笑顔でいててくれれば、僕のことを忘れてしまっても構わない。
────でも、たまには僕のことを思い出してほしい。
────僕は、強くなる。
────妹を全世界から守れるくらい。
────最強になってやる。
***
「…本当にあの子達には、申し訳ないことをしてしまったと思うよ…」
「それを今、僕達が嘆いても仕方ないさ…」
「それでもっ!私は、嘆かずにはいられない…」
────どうすることが、正解だったのだろうか…
「あの時、あの子達を────っ!」
「それは、言ってはいけないよ…特に、あの子達の前では…」
「…ぅうっ!分かってるわよ!」
女は、その場で泣き崩れてしまった。
そんなある日の夜、僕は両親に呼び出された。
妹は、もう寝ている時間で、僕ももう寝ようとしていたところだった。
「何?お母さん、お父さん…」
「お兄ちゃん、よく聞いてね…」
「???」
「ハルの力なんだけど…」
「ハルの力?」
「ええ。貴方は、見たことある?」
そう母に聞かれて、今までを思い出してみる。
「そう言えば、見たことないね(汗)」
「…そうなの。お母さん達も見たことがなかったの」
「なかった?過去形なの?」
すると、母は僕に顔を近づけて、どういう顔をしていいのか分からないという顔で、言った。
「お母さん、見たのよ。ハルの力…」
「え?どんな力だったの?やっぱりお母さん、お父さんみたいに水の力とか?」
そう言うと、母は首を横に振る。
「…いいえ。あのね、ハルの力のことを言う前に、お母さん達はね、あなた達に戦いから遠く離れた力を持ってほしいと思っていたの。」
「???どういう意味?」
「ハルの力は…力というか、魔力、血、肉、骨はあらゆる怪我も、病気も治してしまうの…」
「そんなの、ハルらしい力じゃない?」
母は、僕のその言葉を聞いて悲しそうな顔をする。
「そうね。でも、あらゆる怪我も、病気も治すのよ?魔族だけじゃない、人族も、神族も全ての種族がハルを奪い合うでしょうね…」
「そうなったら、ハルは!」
「ええ、そうよ…」
「なんてことだ!そうなったら、ハルに、平穏で幸せな日々が来なくなる。それに、ハルを奪い合って、色々な者達が傷つくのは、ハルが1番辛い事じゃないか!」
「そうよ…」
「僕は、どうすればっ!ハルを守りたい…」
「なら、守って見せなさい。貴方なら、できるはずよ?」
母は、僕の肩に手を置いて、強く頷く。
僕は、力強く母の目を見て、頷いた。
「僕、やるよ!強くなって、何がなんでも妹を守るっ!」
────僕は、妹を守るためなら、どんなに薄情な奴になったとしても構わない。
────妹に嫌われても…
────それは、ちょっと立ち直れないかも(汗)
────でも、妹以外に嫌われても、悪だと罵られても、構わない。
────僕は、妹の幸せさえ守れれば、その場に例え僕がいなくてもいい。
────妹が、笑顔でいててくれれば、僕のことを忘れてしまっても構わない。
────でも、たまには僕のことを思い出してほしい。
────僕は、強くなる。
────妹を全世界から守れるくらい。
────最強になってやる。
***
「…本当にあの子達には、申し訳ないことをしてしまったと思うよ…」
「それを今、僕達が嘆いても仕方ないさ…」
「それでもっ!私は、嘆かずにはいられない…」
────どうすることが、正解だったのだろうか…
「あの時、あの子達を────っ!」
「それは、言ってはいけないよ…特に、あの子達の前では…」
「…ぅうっ!分かってるわよ!」
女は、その場で泣き崩れてしまった。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる