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035★隠し通路、封鎖させてもらいます
しおりを挟む神官達や神官戦士達に邪魔されまくったけど、私は騎士達に守られて、なんとか誓約の神殿の廊下へと抜け出すコトが出来た。
重いやたら豪奢なドレスに四苦八苦しながら、私はチラリッと後ろを振り返る。
その視線の先には、多くの騎士達の背中が見える。
もちろん、参拝者達は今日は訪れるコトは出来ないので、誓約神殿の祭壇の間から、出入り口へ向かって立っている騎士は、ひとりだだった。
(あぁ‥‥‥ああして
私を捕縛しようとする
神官達や神官戦士達を
廊下へと出れないように
しているのね、助かるわ
じゃなくて、そういえば
この誓約の神殿って
かなり激ヤバでマズイわぁ
誓約の祭壇の間までの
出入り口って‥‥‥
色々な控え室や
神官達の居室
幾つもあったんじゃ
なかったっけ?)
私はその事実を思い出しながら、前ひとり後ひとりと左右に2人づつで完全護衛する騎士達に感謝しつつ、私に出来る限りの速度で歩く。
が、流石に婚約式用の迷惑なくらい豪奢で重いドレスの為、競歩のようには行かない。
せいぜいが、騎士達の普通の歩みくらいでしかない。
まぁ、そのお蔭で、護衛の騎士達はしっかりと前後左右を警戒しながら歩けるのだから‥‥‥。
(どこかに、緊急時の
非常口になっている
隠し通路を封鎖する
魔石が嵌った石柱が
この通路のどこかに
あるはずなんだけど
アレって、いったい
どこだったかしら?)
抜刀した騎士達に守られながら歩く私を、見詰めるものは幸い居ない。
もちろん、歩行を邪魔するような者も居ない。
もしここで私達の進路を邪魔する者が居たら、それは敵よね。
神官や神官戦士、または、王の手先というコトだろう。
誓約神殿の祭壇の間を出て、見事な彫刻を施された左右の石柱を確認しながら歩いていたセシリアは、手に持っているある場所の鍵となる扇が微かに脈動するのを感じて、無意識に足を止める。
「ちょっと、立ち止まっても?」
私が立ち止まると同時に、すぐさま私の状態を視線だけで確認する。
そして、私の言葉に、足を痛めたと勘違いした騎士が、心配そうに問いかけてく。
「セシリア姫
もしや、おみ足を
痛めましたか?」
私の歩く速度が、自分達騎士の通常歩行に近い速度だった為、そう思ったらしい。
「いいえ、多少キツイですが
足は大丈夫です
すみませんが、左右の石柱を
調べていただけませんか?
青い魔石と赤い魔石が
嵌っている柱がこの辺りに
存在するはずなんです」
私の言葉に、前を歩いていた騎士が残り、残り5人が左右の石柱へと走る。
護衛騎士として残った騎士が、私に問いかけて来る。
「セシリア姫
石柱に嵌る魔石が
どうかしたのですか?」
その質問に、私はあっさりと答える。
「はい、この誓約の神殿は
控え室や神官達の居室から
外へと通じる隠し通路が
幾つも存在するのです
それは、緊急時用に
作られたモノです
そこから、神官達や
神官戦士達が、私達より
先に外に出られます
このままでは、外に先回り
されてしまいますので
対緊急時用の防護対策で
勝手に、居室や控え室から
外へと通じる、隠し通路を
使えなくする為の仕組みが
組み込まれている、魔石が
あるはずなんです
確か、赤い魔石が封鎖
青い魔石が封鎖解除です」
なんで、セシリア姫がそんなコトを知っているのか?という疑問はあれど、護衛を騎士達は、無事に逃がすコトだけを考える。
そんな中、セシリアの背後を守っていた騎士が、声を上げる。
「赤い魔石ありました」
同時に、左手側前を守っていた騎士も、反対側の石柱の前で声を上げる。
「こちらには
青い魔石が有ります」
セシリアは、ホッとした表情になり、赤い魔石が嵌っていると言われた方に、迷わず進む。
なまじ誓約の神殿はやたらとデカイので、左右の石柱までかなりの距離があったりする。
なんとか石柱へとたどりつき、セシリアは赤い魔石を見付けた騎士に聞く。
「どこかしら?」
「こちらです、セシリア姫
お腹辺りの高さに魔石は
嵌ってます」
そう言って騎士が触るが、何の変化も無い。
私は、その赤い魔石にソッと手のひらを当てて、火属性の魔力を注ぎ込む。
スゥーと魔力が吸い込まれ途端、あちらこちらで、ゴトッガタッという音が響く。
「良かったぁ
上手くいったわ
この赤い魔石が
封鎖するのは
隠し通路だけなのよ
まぁ、隠し通路が
封鎖されても
悪いことをしていなければ
そのままでも良いでしょう
封鎖を解除したければ
私が今したように
あちら側の青い魔石に
水属性の魔力を注げは
解除されますわ」
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