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010★男尊女卑の血統主義ですもんね

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 騎士学校に入れたくないって酷いわよね。
 いくら侍女に手を付けて産ませた子供達だって………。

 女は、容姿が美しかったら政略結婚に使えるから、貴族として育てる。
 普通の容姿だったら、侍女としての教育をして、嫁ぐ者の侍女として婚姻先に送る。

 愛人にするも良し、侍女として使うも良しって感じね。
 本当に胸クソ悪いったらありゃしないわ。

 男は、騎士や侍従としての教育をして、婚姻先に付き従う騎士や侍従として送り出す人員にする。
 これって、下級や中級の一般的な貴族では当たり前のコトなのよね。

 侍女や侍従や騎士って、お給料が高いから………自分の子供達ならお給料は必要無いからね。
 教育は、家に仕える侍女や侍従、騎士達にさせれば経費は掛からないもの。

 貴族の息子として騎士学校に通うって、正妻の息子と寵愛された夫人や愛妾の息子達だけなのよね。
 侍女や侍従、文官用の学校に通えるのも、正妻と寵愛された夫人と愛妾の生んだ子供達だけ。

 学校に通った子供達は、ちゃんと就職できるし、頑張れば結婚だって出来るわ。
 でも、それ以外の子供達は、一生飼い殺しよね。

 まぁ…自分達は平民扱いだし、侍女や騎士として教育を受けたし、ちゃんと食べられるだけマシって思うしかないって、彼女や彼達は言っていたわね。
 屋敷に仕える人間達を全部自分達の血族にするのは、外聞が悪いから外の人間達を雇うって不文律もあるしね。

 特に騎士達は、騎士学校を卒業した正規の騎士を、半分以上揃えていないと笑われるわ、貴族の体面も保てない程の貧乏なのかってね。
 でも実際は、そう言うよりは、領地の治安維持や街道の巡回活動や騎士団の維持管理、騎士や従騎士達に自警団の指導等は、騎士学校を出た正規の騎士しか出来ないのよね。

 それに、騎士学校卒業者達の横繋がりの情報網も馬鹿にならないからね。
 だから、余剰分の子供達からなる教育の足りない騎士達なんかは要らないのよね。

 要らないから嫁ぎ先に出すし、嫁ぎ先でいらないって言われたって引き取ったりしない、その程度の存在。
 でも、正規の騎士はそのまま雇われるし、戻るコトも出来るこれって大きな違いよね。

 侍女や侍従は、そこまでは、きつくないけど………少しマシな程度。
 ああもう、私は死ねないじゃないの。

 私が死んだら、確実に路頭に迷う人間達がやまといるもの。
 私が持っているモノは、皇子としての血統。

 レアリア辺境伯爵家の正当な後継者の資格。
 前世の記憶とこの五歳児のか弱い身体。

 それと、魔法の全属性と皇族としての《魔力量》だけ。

 確か、ラノベあるあるでは、土属性を使って、堀や城壁、街道整備に畑などの開墾、館や商館、領民達の家や騎士達の宿舎とかを作っていたわね。
 国境地帯の砦は、定期的に国からの補助金も足して修理していたけど、魔の森やダンジョンを監視する砦の修理は、あまり進んでいなかったって………。

 まずは、老朽化した砦の改修と強化ね。
 それと、レアリア辺境伯爵領内の各街道の補修と整備ね。

 余裕が出来たら、魔の森や山脈近くのむ未開発の土地の開墾と開発ね。
 今回、死んだ騎士達などに、新たな領地と騎士爵か士爵と領地を与えるのにつかっても良いしね。

 それと、優秀な指揮官として、帝都騎士団を纏めて、魔物討伐にもきちんと出かけているあの団長、母上に惚れていたって噂されているオーベルシュタイン侯爵の3男カール・ハインツ・オーベルシュタイン騎士爵とその有主な部下達とその身内を引っ張る報酬にね。

 試しに、私のスキル占いで確認してみますか………。
 くっくくく…マジですか…カール団長は、女の趣味が悪いですね。









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