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091★ラノベ定番というモノが通用しません
しおりを挟むラノベの騎士様って、ストイックで、女性に優しいもの…うん…これで大丈夫ね。
良いことを思いついたって思って、私は笑って言う。
「それって、護衛の騎士様を連れていても一緒のなのですか?」
その質問に対して、私に返ってきた答えは、予想外のモノでした(涙)。
ここって、本当に常識が違うの………ラノベも参考にならなかったりする程(泣)。
意気揚々として、私は、思いついたコト神官様に言ってみた。
そんな私に、神官様は生温い笑顔を浮かべて、優しく教え諭すように答えてくれた。
「それですと、護衛の騎士も、一緒に性交渉しましょうという意味になります。友人を訪ねる場合や親族の女性を訪ねる場合は、夫と供に行くものです。聖女殿の場合は、婚約者の勇者殿を連れて行くべきでしょう」
「………」
その予想のはるか彼方を飛び越えた答えに、私は眩暈を起こしダリューン君に、ひょいっと抱き上げられてしまいました。
うっうう…どうせだったら慣れているハルト君か、ジーク君のほうが良かった(涙)。
だって…ダリューン君って、なんか鬼畜っぽいんですもの(泣)。
こっちの世界の常識に、ついていけない。
男と女の関係が、なんかもうわかんなくなってきちゃったよぉぉぉ~………(号泣)。
おかしいな男のハルト君達より、女の私の方が、環境適応能力は上のはずなのに(涙)。
ああ…そうだ…正式な婚約ってどうするのか? って、聞いてみよう。
ついでに、エリーさん達の婚約者ってどんなヒトなのかも………。
落ち着け私、ここには、私とハルト君達と魔法使いのセルディ様しかいないんだから。
不用意な発言をしたって、身の危険は何時ものコトだし………。
彼女達が、どんな儀式? をしたのか気になるもの。
「ねぇ~エリーさん、ちょっと聞きたいんだけど?」
「何が聞きたいのアリア?」
「婚約? っていうか、結婚? の儀式って?」
「ああ、アレね。契約の女神ソルトアーナ様の神殿から、婚約誓約証書って契約書を取り寄せるのよ」
契約の女神ソルトアーナって? それに、婚約誓約証書って何?
色々と聞いたコトの無い言葉が出てくるわね。
ここは、素直に聞きましょう。
「婚約誓約証書?」
「契約の女神ソルトアーナ様に仕える神官様が婚約誓約を書いて、それを女神様の力が宿る御神水に漬け込むの………」
私の質問にマリアさんが、答えてくれる。
書類を書いて、その書類を水に漬け込むって、文字が消えるよね?
う~んなんか、今ひとつ想像がつかないわ。
ラノベに出てこないよね………こんな設定は?
「書いた文字が解けたり流れたりしないの?」
疑問ってかいてある私の顔を見て、彼女達は色々と答えてくれる。
「御神水だから、大丈夫って言うしかないわね。私達はそこまで詳しく教えてもらっていないから……」
御神水だから………ですましてしまうって………ファンタジーだわ。
「御神水に浸らせた婚約誓約証書に、ソルトアーナ神殿の刻印を入れて完成するんですって……」
「………」
濡れた婚約誓約証書を乾かして、刻印を入れるんですね。
自然乾燥? 魔法乾燥? どっちなの?
濡らして乾かした紙って、強度が落ちるよね?
それとも、そんなコトにならない特殊紙なの?
突っ込みたいけど、聞いていないって言われて終わりよね。
「この婚約誓約証書に、魔法のペンと魔法のインクで、男女が名前を書き込むの。その後、誓約魔法を魔法使い様か神官様がかけるの」
「………」
魔法のベンとインクですか?
見た目と書き心地はどうだったんでしょうか?
ここで、質問しなくても、婚約誓約証書を手に入れて、ハルト君達と書くからここは、あえて聞かない。
百聞は一見にしかずって言うもの。
「すると、お互いの手首に《連環の輪》が浮かぶの、それが目に見える証ね」
「なぁ~《連環の輪》って、何なんだ?」
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