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051★自棄で結婚を口にしたら、エライことになりました1
しおりを挟む顔をびっきびっきに引きつらせて、私は一気に言った。
「ダリューン君も、ハルト君も、ジーク君も、アルス君も、私のあの姿(恥ずかしくて見せられない裸なんて言えないわよ)を、毎日、見るんだから、責任取ってよね」
良し…言った…えらいぞ、私。
うふふふ………この程度の嫌がらせしか出来ないなんて………切ないわ……。
少しは動揺する顔が見れるかな?
私は、言い切った後に、4人の顔をじっと見詰めた。
勿論、ベッドに横になったままで………。
だって、すっぽんぽん…ようするに裸の私は、バスタオルを巻かれた状態で、寝かせられていたから………。
そう彼らは、私を着替えさせてくれませんでした。
まぁ~ね…下着とかを衣装箱から漁るのは、ちょっと……って躊躇したってわかるわ。
なんて、取り留めの無いことを考えていたわ。
それから、改めて4人に視線を向けると、何かぞくっとするのよねぇ………何故?
だから、つい俯いたわ………所詮、私は小心者よ。
でも、責任取れって言われたら、男として少しは動揺するよね……たぶん、きっと。
アルス君とダリューン君なら特に、なんて、思ってました。
そんな私の予想なんて……なんて儚い夢……そう泡沫の夢だったわ。
私の言葉に対して、4人の王子様は、それはそれは嬉しそうに黒く笑ったわ。
もしかして、私ってば、自爆した?
墓穴を超えてしまったの?
でも、なんで、4人とも笑うの?
おかしいでしょ?
私は、1人だし、ハルト君達の内3人はあぶれるでしょう?
そう、その時、私は常識的に考えてしまった。
そう、夫婦は一婦一夫って………。
日本での常識が、ここでは通用しないことをすっかり忘れてました。
だから、内心でドキドキしてました。
ケンカに………ならないよね………。
チンクシャで、ペッタンな私じゃ………争うことなんて………。
嗚呼、自分で突っ込んで切なくなる私って………。
せいぜいが、ジャンケンかな?
まっ美形で面倒見が良くて、家事全般と子育ての出来る男をひとり確保できれば、この世界で生きていくのに御の字よね。
そんな暗いことを考えいる私に、彼らは、特大の爆弾を投下してくれました。
最初に、にっこり笑って言ってくれたのは、無口なアルス君でした。
「嬉しいなアリア、オレは喜んで、責任をとるよ。結婚しよう」
「…………」
笑顔はすてきなんだけど、なんか黒いオーラが見えます。
そんなに、責任取りたくないなら、取らなくてイイのにぃぃ~………。
えぇぇ~ん…笑顔が怖いですぅぅぅ~………。
ここで、拒否の言葉を口にしたら………。
なんか、とぉ~っても怖いコトがおきそうで………。
それに、この世界環境を思うと、断るのもちょっと………。
だって…イケメンなんですもの………。
私って、面食いだったんだわって、変な自覚が芽生えました。
だから、私は、黙ってしまう。
全部、あいまいな状態にしたくって………。
それなのに、アルス君は、笑顔のままで………それ以上何も言わない。
次に、私の手を握ったままのダリューン君が、やっぱり黒いオーラをまとった笑顔でさらりと言う。
「これからは、毎日、色々としてあげるね。アリア、ボクと結婚しよう」
「…………」
毎日、色々と何をする予定なんですか?
重点的に効くけど…とぉ~っても痛い足ツボマッサージをする気ですか?
ダリューン君って、そこはかとなくSの香りがします………。
それって愛ですか? それともイジメですか?
ダリューン君も、私の返事を求めていませんね?
黙ったままの私を、見詰めているだけなんですから………。
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