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039★勇者グループ+α(チンクシャな私)と美少女達グループに別れました
しおりを挟む私達と美少女達の会話は、どちらにしろ当たり障りのないモノになるだろう、と思ったから………。
その代わり、私は魔法の授業の前後の時間なら、毎日でも会話して良いか、と聞いてみることにした。
「神官様、慣れないコトが多いので、毎日でも、彼女達と会話したいんですが、宜しいでしょうか?」
こんな我がままを、私が言っても聞いてもらえるかしら?
チンクシャが、強気に出おって………なんて思われないかしら………。
ネガティブな私は、また、ひとりで暗くなって行った。
が、幸いなコトに神官様は、優しく微笑んで答えてくれた。
「異世界から、私達の事情に巻き込む為に召喚したんです。要望は出来る範囲で、全て叶えるのは当然です。まして、水鏡など簡単な魔法ですから、毎日使用しても構いません。まして、聖女なのに離れ離れとなったアリアンロッド殿は、不安でしょうから………」
えっ嘘…聖女召喚のテンプレ…ちやほや対応を、私にもしてくれるんですか?
私ってば、たんなる巻き込まれのチンクシャなんですよ………良いんですか?
だったら、それに甘えて、毎日、ガールズトークしちゃいますよ。
まぁ…私に出来る範囲でですけどね。
とりあえず、別々になっても、連絡手段は出来たんだからと、私達はごねる?コトを止めた。
そして、それぞれ立ち上がり、リュックを背負いカバン他を持って集まった。
こうして、私達は、神官様と一緒に行く美少女達グループと侍従マリウスさんに付いて行く勇者グループ+α(チンクシャな私)に分かれた。
そして、二つのグループに分かれたままで、部屋から出て行きそれぞれの方向に向かって歩き始めた。
誰も、後ろを振り返ったりしなかった………。
他人を心配する(思いやる)余裕なんて無かったから………。
謁見の間を有する政務エリアから、私達は、騎士や魔法使いなどの訓練場や宿舎のあるエリアに向かってひたすら歩いた。
政務エリアを抜けたコトは、足元の赤いどっしりとした絨毯から、同じ赤でも、質が格段に落ちる絨毯に変わったコトでわかった。
馬車か、馬に乗って、王城内に入る貴族、または、それに準じる者達が歩く絨毯は、汚れが付き付着する可能性が低い。
それに、政務エリアを歩くのは、文官と侍従と近衛の騎士及び従者などという、綺麗な足元の人間だけだったから………。
表の顔(他国の大使や貴族や王族も歩く場所)というコトもあって、重厚で精緻な模様のどっしりとした絨毯が敷いてあった。
が、私達が向かったのは、言わば他の人に見せない場所みたいなとエリアなので、質を落としても構わなかったから………。
特に、訓練場を使う騎士や兵士、魔法使い専用の訓練場を使う魔法使い達の足元は、確実に汚れているから………。
気を使わなければならない王族や貴族が、存在しないエリアに入ると侍従マリウスさんが話し出す。
「もう少しで、勇者様と聖女様が滞在する魔法使いの宿舎が、右側の窓から見えてきます。その奥に魔術師の塔があります。ただ、残念なコトにこの廊下からは、宿舎の陰に隠れて見えません」
神官様より話しやすいというコトで、無口なアルス君が質問している。
「直接、宿舎に行くんですか?」
へぇ~アルス君の声って、見掛けのイメージよりも、高めなんだなぁ~って思った。
そんな私の思いに関係なく会話が弾んでいく。
マリウスさんは、にこやかに笑って答える。
「いいえ、途中に食堂棟がありますので、まずは、そちらを案内します」
食堂という言葉を聞いた瞬間に、私は空腹を自覚した。
だって、放課後に買い物をして、帰宅途中で召喚されたされたんだもの。
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何時もなら、夕食を食べている時間を過ぎているわ。
うん、お腹が空いている自覚が出たら、ものすごぉーくご飯が食べたくなったわ。
きっと、ハルト君達もそうだと思う。
だからかな? 無口なダリューン君も質問しているのって………。
「食堂棟って?」
その質問に、マリウスさんは微妙にズレた答えを返す。
「王城内で働く者達に、食事を提供する場所です」
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