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036★やっぱり、制約が多いです
しおりを挟むいまひとつ予想が付かないので、私は神官様に質問することにした。
「どんな方法で会話するんですか?」
私の質問に神官様は、へろりと答える。
「魔法を使います」
うふふ……ラノベの…テンプレ…魔法がきた………。
神官様には、日常に使っている簡単な魔法でも………。
魔法の存在しない世界で育った私達は、習ったことも使ったことも無いモノでしかないんですけどぉぉぉ~………。
それって、なんの無理ゲーですか?
なんて思っていると美少女(エリザベート改め)エリーさんが、ムッとした表情でポソッと言う。
「私は、使えませんけど?」
彼女の指摘に神官様は、そこはかとなく黒いオーラを滲ませながらシレッと答える。
「魔法を習う時に、魔法使いに『他の聖女と話したい』と授業の前後に頼みなさい。すぐに水鏡を作ってくれますから、繋がったら会話が出来ますよ」
あはは………それって、監視下での会話じゃないですか。
当分の間(水鏡の魔法を覚えるまで)は、突っ込んだ会話が出来ないってコトですね。
ちょっとがっかりしている私を他所に、ハルト君が質問する。
「俺達が、魔法の授業中でも、彼女達が、魔法の授業中とは、限らないでしょう?」
お説ごもっともですというハルト君の指摘に、神官様は微笑みを浮かべていた。
「魔法の授業は、頭がすっきりしている朝一番にします。また、その後は習った魔法の実践の授業になります。これが午前中の授業です。午後一番にする授業は、一般常識です。その後に歴史などが入ります。身体を動かす授業はその日の最後の授業になります。身体が疲れていると授業内容が頭に入りませんから………」
大まかな授業内容?と時間割?を口にして、神官様は説明してくれた。
そこで、私は、水鏡の魔法ってどのぐらいで取得できるか?を聞いてみた。
すると、神官様は苦笑しながら説明してくれた。
「簡単な魔法なので一週間もあれば覚えられます」
「「「「「「「「やったーぁ」」」」」」」」
嬉しくなった私達は叫んでしまう。
だって、小学生の頃から、ケータイを持っていたんです。
今はスマホを持っているので、会話やメールが出来ないって、ストレスなんですよ。
その一部が解消されるって思ったら嬉しいでしょう?
そんな私達に、生ぬるい表情で神官様が言う。
「王城内と神殿内では、水鏡の使用を許可された者以外は、守護結界に阻まれるので水鏡は使えませんよ」
うっわぁー情報統制ですか?
私達の会話に、プライバシーは無いんですね?
なんかむかつきます。
やっぱり、ここでは、私達は、どこまでも、塩対応なんですね………ガッカリです。
そんな気持ちが、はっきりくっきり表情に出ていたのでしょう。
神官様が苦笑しながら、再度、説明してくれました………恥ずかしいかも。
「王城内も神殿内も、直接、会って、会話できる距離です。それなのに、あえて水鏡を使って話すのは、緊急性が高い内容のみです。なお、王城内と神殿内では、ほとんどの魔法は使用禁止か、使用できる場所が決まっています。また、魔法を使用する人間も決められています。これは、どんなに簡単で小さな魔法でも一緒です」
神官様の説明に、確かに、ラノベの中にたまに出てくる設定と同じだなぁ~と思った。
そして、なんか感動してしまい質問することも忘れて黙ってしまう。
「「「「「「「「…………」」」」」」」」
王城外から王城内に転移する魔法も、守護結界によって弾かれる設定が多かったもんね。
王城(国王など)を守る為に、禁止になる魔法があるって………。
テンプレを実際に、擬似体験(水鏡の使用禁止の話し)できるなんて………。
たまんないわぁ~なんて思っていると、神官様は説明を続けてくれる。
「理由は、国王を初めとする王族の警護の都合上もあります。それと、政務を執る都合上秘匿しなければならない会話や書類もありますので、それを聞いたり見たり出来る魔法は禁止なのです。ですから、勇者殿や聖女殿でも水鏡の使用は禁止です」
私達は、神官様の説明に、良い子の返事をした。
「「「「「「「「わかりました」」」」」」」」
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