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024★私の価値は………
しおりを挟む貴族様達を観察してみたら、その視線が雄弁に語っていた。
チンクシャは、勇者と戦いに出るだけの能力があるって………。
私ってば、その程度の評価なのかなぁ~………。
でも、脳筋っぽい騎士様達の視線は、なんか暑苦しかったわ。
前線に出て戦う騎士様達は、戦える能力のある私の方を評価するのね。
自分達が優位に立てる戦力として………。
まっ、戦力として評価されるんなら、暗殺される心配が少しは減ったかな?って思った。
ただし、気をつけないと隷属の首輪とか腕輪とかを嵌められそうなのは、変わりないと思う………。
だって、私を使いつぶしても、彼ら好みの美少女達という聖女はいるんだから………。
そんな暗い思考に嵌まっていた私の耳に、まだ、周りの貴族様達や騎士様達のざわめいきが聞こえていたわ。
ここは気分を変えよう。
なんと言っても、誰もが欲しがる能力があるって、判定されたんだしなんだなぁ~って思ったわ。
そして、私は、アルス君達も美少女達もハルト君達も、みんな厨二病を持っていたんだなぁ~って思った。
いや、お仲間って嬉しいよね。
従魔テイム…どんな子がテイムできるのかな?
幻獣って言われた想像上の生物。
グリフォン、ドラゴン、ユニコーン、ペガサス、ユニコーンペガサス、フェンリル、カーバンクル、ウィングキャット、ワイバーンとか色々な動物がいるんだろうなぁ~。
その中で、騎乗できるのは、どの子なんだろうとか?
空を飛べる子を、従魔に出来たら良いなぁ~って思うのは普通だよね。
なんてコトを想像して、にこにこしている私達に、神官様は淡々と命令?する。
本当に空気を読む気の無い人らしいと思った。
「勇者殿だけ、破邪の能力判定をいたしますので、順番に水晶球に手を置いてください」
「「「「…………」」」」
相変わらず頷くだけで、誰も口を開かなかったなぁ~なんて、私はぼんやり思っていた。
だって、従魔能力があるって言われて、うきうきしたままだったから………。
だから、静かに淡々とアルス君が、勇者の水晶球に手を触れていた姿を見て驚いた。
本当にアルス君は真面目で、言われたコトを淡々とこなす人だなぁ~って思う。
だって、アルス君ってば、ダリューン君に………。
『これで、もふもふをティムできるな』
って、小さく言っていたんだもの。
それに、ダリューン君も嬉しそうに笑って頷いていたんだもん。
それなのに、神官様に言われて、すぐに、気持ちを切り替えて判定を受けるんだから、これってすごいよね。
2人とも、言われたコトをきっちりとやってみてから、色々と考えて工夫するタイプなのかもしれないなぁ~なんて思っていたら………。
アルス君が、触れている水晶球の中に金の光が灯り、水晶球全体に広がって行き、最後に黄金に青をほんの少し混ぜて輝いた。
すると、周りに居た貴族達は、うぉぉーと感動の声をあげる。
次に、ダリューン君が、水晶珠に手を載せる。
その途端、水晶球の中に金の光が灯り、水晶球全体に広がって行き、最後には茶色っぽい光が混じった金色の光が当たりを照らした。
辺りにいた貴族達は、また、おおーという声をあげる。
すると、ざわざわした中で、神官様は2人に向かって言う。
「アルス殿は、破邪の能力に、水の究極魔法を内在しているでしょう。ダリューン殿は、破邪の能力に、土の究極魔法を内在しているでしょう。貴方達は、歴代勇者の中でも最強レベルの能力をお持ちです」
神官様に最強レベルの勇者だって言われても、アルス君とダリューン君の口は開かなかった。
ただ頷いただけだった。
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