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020★魔力量は歴代の聖女より多いそうです

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 私達と神官様のやり取りを見ていた美少女達は、会話が終わった途端にちらりと私に視線を流してから、水晶球に触れていた。
 うっ…魔力判定を真面目にする気が無いって思われちゃったかなぁ~………。
 でも、気になったコトはすぐに聞いておく方がイイから………。
 ちょっと考え込んだけど、私は水晶球に手を置いた。

 結論から言えば、ハルト君達ほどでは無かったけど、アルス君ぐらいの光りの強さと量が、確かにあった。
 一応、丹田に力を集めるイメージでやったカイはあったと思う。
 ハルト君やジーク君も、イメージした方が良いって言っていたしね。
 とにかく、手を抜かないで、真面目に判定を受けようって思ったわ。
 そんな決意をしている私に、神官様は判定結果を説明してくれた。

 「アンネローゼ殿、マリアテレジア殿、エリザベート殿、貴女達の魔力量は、歴代の聖女殿達より、少々足りませんので、神殿にて精神修行と魔力量を増やす為の修行をしましょう。歴代の聖女殿達と同程度の魔力量に引き上げましょう。それでも、足りなかった場合は、その時に説明します」

 「「「…………」」」

 神官様の説明に、彼女達は顔を顰めて黙っていた。

 そんな彼女達を見ながら私は、自分がどんな判定を下されるのか? と思って待っていた。
 神官様は、彼女達の判定結果と修行について説明したけど………私の判定を別にするのってどういうコトなの?
 もしかして、私の魔力量は、私の判断と違ってダメだったの?

 なんて落ち込んでいると、すぐにハルト君が抱き込んでくれる。

 いやも嬉しいけど………恥ずかしいんですよぉぉぉ。
 美少女達も、今回は、私を見ているので、止めて欲しいんですが………。

 小心者なので、何も言えない私は、顔を真っ赤に染めて黙ってしまう。
 どぉーして、こう何回も、羞恥プレイをしなきゃいけないんですか?

 ハルト君やジーク君に、『恥ずかしいから、過剰なスキンシップを止めてください』なんて言えないもん。
 嫌われたら………なんて、思ってしまうから………。

 色々考えてぐらぐらしている私を無視して、神官様が話し出す。

 「アリアリンロッド殿、貴女の魔力量は勇者殿と遜色ありませんでした。歴代聖女殿達と比べるなら、最強と言っても良いくらいです。ですから、修行は勇者殿達と魔術師達の塔で行うように……」

 「はい、わかりました」

 私をじっと見て言うので、思わず返事をしてしまう。
 そんな私を、美少女達は、むっとした表情でにらんでくれた。

 うっぅぅーそんな目で見ないでよぉぉ~怖いからぁ~………。
 貴女達が、歴代最低の魔力しか無いのは、私と全然関係無いでしょ~………。
 たぶんに、自分達に向かっていた視線が、私の方にも向かうようになったから………。
 よっぽど気に入らなかったんでしょうけど………。

 私は、人の視線を感じると、イジメられていた過去が浮かぶから嫌なのにぃ~。
 でも、そんな弱みになるコトを口にしたく無いもんね。
 うわぁぁぁ~ん、乙女ゲームなのぉぉ~この世界ってば………。

 怖い…怖いよ…この優しい手が……ざまぁされてなくなっちゃうのが………。
 私には悪役令嬢みたいな、地位も権力も財産も美貌も無いのに………。
 ゲーム補正で弾劾されちゃうのぉぉ~………。

 だから、黙ったままハルト君に、ぎゆっと抱きついてしまう。
 そんな私の耳元に、ジーク君が甘く囁く。

 「アリア、怯えなくて良いんだよ。彼女達は、自分より力のある君に嫉妬しているだけなんだからね」

 「そうそう、彼女達と一緒に行動する可能性は無いって」

 「でも、聖女なんだから………」

 「アリアの力は、全種類勇者の僕達と同程度か、ちょっと少ないぐらいだと思うよ」
 
 「力の格差があり過ぎだから、修行を一緒にさせると面倒なんだ。だから、格差の無い俺達と修行させるさ」

 「………」

 2人の説明?説得?に、私は黙って頷いた。
 口を開いたら、でもとかだってとか言いそうだったから………。

 2人の好意や思いやりを否定するような言葉を、口にするのは………性格美人を目指している私には、似合わないと思ったから………。

 はい、美少女達と同じように、私も男の人や周りに媚ています。







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