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009★もしかして、私ってモテてるの?

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 はい、気が付いたら、ジーク君に横抱きにされていました。

 どんな羞恥プレイよぉぉぉぉ~………。
 チビのチンクシャが、弓の王子様の膝に抱っこされるなんて………。
 この世界って、もしかして、乙女ゲームなの?

 そう考えると、今の状況から考えるとぉ………。
 どこぞのラノベの世界なのかしら? 
 それとも……マジモノのこわぁ~い乙女ゲームの世界?

 でもって、私の配役ってば、悪役令嬢なの?
 駄目だわ、RPGしかやっていなかったから………。
 乙女ゲームのタイトルさえ知らないもの。

 友達も乙女ゲームなんてしないから、そんな情報は持っていないもの。
 そんな風に、状況を認識したくなくて、意識を飛ばしている私をよそに、ハルト君とジーク君は会話していた。
 
 「アリアって、可愛いなぁ~………」

 ジーク君が私の頬を撫でると、ハルト君が頭を撫でながらちょっと微妙なことを言う。

 「ちっちゃくて………でも、きちんと会話も楽しめるしな」

 「あいつ等は、彼氏が出来たって、中坊になったばかりだっていうのに…ったく」

 ああ、そう言えば、どちらの王子様にも双子の妹さんがいたわねぇ………。
 可愛い感じで、元気な娘達だったわねぇ………。
 この2人の妹達なんだもの、すぐに虫(彼氏)が付くわよねぇ………。
 でも、定番の『俺を倒してみろ』っは、言わなかったんだぁ…理性残ってたんだね。
 なんて、意識を無理やり飛ばす中、王子様達の会話は続く。

 「女の子って、すぐに手がかからなくなっちまうからなぁ………」

 「そうだねぇ…寂しいよねぇ……手がかからなくなっちゃうと…………」

 2人は、私の意識が無いと判断して会話しているようね。
 この2人は、私に優しいだけあるわと思った。
 イケメンなのに……王子様なのに……。

 シスコンで、世話焼き大好きで、子離れ出来ない〔おかん〕だったなんて………。
 なんて、悪夢のような会話をしているのぉ………。
 どうりで、私に優しいはずだわ。

 シスコンだから、小さくて幼く見える私が好きになっちゃう。
 でもって、好きな小説とか色々と会話が出来るから楽しい。
 面倒みてあげないと、どうにかなってしまう危険な世界にいるという状況。
 
 ハルト君とジーク君ってば、小さい妹(女)を、可愛がって、世話して、面倒見て、グズクズに甘やかしたいって、タイプなのかな?
 それって、保護欲? 庇護欲?
 そういうモノを、たぁ~っぷりと持っている男って感じなのかな?
 いや、ある意味でとぉ~っても助かってますけどねぇ………。

 だから、私を可愛がって、ちやほやして、手懐けて、側に居ないと耐えられないって追い詰める予定なのかな?
 妻だったら、嫁に行く妹と違ってずっと側に居てくれるものねぇ………。
 そんな予定を、勝手に立てていたのかなぁ~………。

 でも、今更嫌いになんてなれない。
 あっちならまだしも、こんな危険で未知な世界で、守ってくれる2人を排除するなんて私には出来ないわ。
 ありがたく、世話をしてもらうわよ、勿論。
 
 それに、このチャンスを逃したら、まず間違いなく喪女に一直線だもんね。
 私みたいな、チンクシャが、男の人に好かれるなんて、この先あるとは思えない……。
 たとえ、特殊な趣味の持ち主でも………。

 見掛けは最高で、優しくて、強くて、家事一般も子育ても出来る男なんて、めったにいないもの。
 こんな優良物件をポイッと捨てられるほど、私は男の人にモテたコトなんて無いから………。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 今日はラズのご機嫌が良いので、こちらも更新しました。
 ちなみに、悪役令嬢の方で書いた良いものとは【孔雀】です。
 将来のミニヤギ牧場に花を添える【インド孔雀のペア】をゲット(笑)
 もし、目標の場所に移動できたら、田舎暮らしのエッセイでも書こうかなと思っています(笑)
 夢は努力で実現するもの………なんてね。
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