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007★ゴルフの帝王様とバスケの王子様は意外や意外、乙メンのようです
しおりを挟む私達が、ぼそぼそとそんな会話している間に、神殿もどきから外に出て、渡り廊下を通り、神殿の敷地から外へと向かって歩いていた。
神殿は、私が予想したよりも規模が大きくて、渡り廊下と建物を通り抜ける度に人の気配が濃くなっていく。
召喚の儀式をしたのは、奥宮と呼ばれる一画なのでは? と、私は思った。
神殿の様式としては、ローマ風な感じがした。
もっとも、建物の様式に詳しいわけじゃないから、そんな風に思っただけだったけどね。
私達が会話していても、あちらのアルス君達の集団は、会話をしないで黙々と歩いていた。
それを見てつい私は、ハルト君に話しかけてしまう。
「アルス君達って、あんまり喋らないの?」
その問いかけに、ハルト君は肩を竦めて答えてくれた。
「アルスもダリューンも、一緒にいる美少女達に気を使って、会話をしないでいると思うんだ」
ハルト君が、苦笑というよりは微妙な笑顔……。
う~ん、生ぬるい笑顔って、表情で話してくれた内容は変だった。
だから、私は思わず脳内で突っ込んでしまう。
普通は、会話する内容に気を使うんじゃないの? って……。
それが出来ないような、お馬鹿さんなの?
でも、バスケもゴルフも馬鹿じゃ出来ないスポーツよね?
そんな、脳内でぐちゃぐちゃしている私に、ジーク君が説明してくれる。
「クラブの先輩達に、試合のとき応援に来てもらうんだから、とりあえず黙って頷くだけで、会話はするなって言われてるのもあるし……姉達に、命令され慣れているから、女の子に話しかけられると、つい付き合ちゃうみたいだね。保身ってヤツらしいよ」
身もふたも無い説明に、私は………。
せっかくのイケメンなのに、中身は残念系なのね。
なんかイメージが狂っちゃうなぁ………。
これじゃー、2人をCPにしての妄想が出来なくなっちゃうわ。
つまんないなぁーって思っていたけど、そんなコトは言えないから、極普通な感想を口にした。
「それって、なんか可哀想な?」
私の可哀想発言に、ハルト君は追加説明してくれた。
「ジーク、それだけじゃないぞ。困ったコトに、あの2人は、上に姉が複数いるから、下手に会話すると、流行のファッションや小物、口紅やマスカラ、ファンデやチークの化粧品の話しとかも、ヘロリとしちゃうんだよ」
うえぇぇぇぇー…マジ引くわぁー…あのイケメンが、実はおねぇキャラなんて……。
あんなにカッコイイのに……まさに…リアル残念さんだわ。
つい思ってしまい、私は反射的に口にした。
「えっ?それって、まるで、おねぇキャラ………」
私の差別っぽい発言に、ハルト君は、私にメッって顔をしてみせる。
「アリア、その発言はちょっと、アレだぞ。あいつ等がそうなったのは、姉達が原因なんだからな。『自分じゃ使わないけど、買って来いって言われるから、色々と覚えた』って言っていたなぁ」
そのセリフに更にそれって可哀想だったね、と思ってしまい、その心情のまま答えていた。
「気を付けます。でもね、あんなにカッコイイのにって思ったから、イメージと違うとついね。もしかして、メークも出来るんじゃないの?」
そう私が言えば、さらりと答えが返って来る。
「ああ、メークね、出来るって言ってたよ。ファッションもかなり詳しいって」
ジーク君の言葉に、ハルト君も続けて言う。
「毎日『コッチとコッチ、どっちが良い』って言われていると自然と覚えたってよ」
思わず、素で突っ込んでしまう。
「それじゃー乙メンになるよねぇ………」
ジーク君が肩を竦め、ハルト君が溜め息混じりに答える。
「まぁーな…」
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