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005★振袖は却下されました
しおりを挟む納得した部長は、俺ににっこりと笑った言った。
「朔夜クンは、男が女装して綺麗になってるねって設定だけど。君達はどうするの?」
俺の女装が決まったら、部長達の矛先は、忍達に向かった。
薫が、俺をジト目で見ているが、あえて知らない振りをする。
堪え性の無い明が、俺を見ながら叫ぶように言う。
「朔夜の裏切り者ぉぉぉ」
それに対して俺は、人の悪い笑顔で答えてやった。
「早い者勝ちだろ?
俺はメイド服で……
『いらっしゃいませご主人様』とか
『おかえりなさいませ、だんな様』とか
ミニスカートの制服もどきを着て……
『遅いよ、お兄ちゃん』とか
『お兄ちゃんをずっと待っていたんだよ』とか
ってセリフを言いたくないんだよ
その為に、色々と考えて
スケバン姿を選んだんだよ」
俺の答えに、明は、美少年顔を顰めてしまう。
「ミニスカートもメイド服もイヤだ
ロングスカートのスケバン姿は
確かに美味しいかも?」
明に続いて忍も考え込んでいる。
薫や光は、顔を見合わせている。
お前ら、着物を着てお茶を濁そうとしているな。
んなの許されるわけ無いだろう。
部長達が、やりたいのは女装喫茶なんだよね。
お茶やお菓子を持って歩くんだよ。
お客様に給仕するんだ。
出来るだけ、動き易い格好にしなきゃいけないんだよ。
着物、特に振袖は引っ掛けられ易い。
振袖の部分が長くてひらひらしているから、その辺に引っ掛けるかもしれないんだ。
袴もヒラヒラが多いから、あんまりおすすめじゃない。
ついでに、和服は草履(ぞうり)または下駄(げた)を履くのが基本だ。
どちらも、履き慣れていないから、歩き辛い。
って、コトで、部長達は許可しないさ。
だから、スケバン姿が1番マシなんだよ。
でも、明はコスプレしたチャイナ服とスパッツを主張するかな?
そんなことを思って見ていると、明が部長に話し掛ける。
「部長、この前やったコスプレの
チャイナ服でイイよね」
あはは、馬鹿が、チャイナ服は、男も女もほぼ同じだから、女装の意味が無いって言われるぞ。
そんなことを俺が思っていると、薫と忍と光は、顔を見合わせてから言う。
「俺達は、和服っていうか
振袖で女装します
ダメなら、巫女さんの
コスプレをします」
その提案に、部長達は、思いっきり顔を顰める。
「あのね、コミケの時は
売り子で歩いたりしなかったから
和装を許可したのよ」
あっやっぱり言われたな。
そうなると思ったから、俺はロングスカートのスケバンを選んだんだけど、その辺は頭が廻らなかったようだな。
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