煉獄の中の溺愛

ブラックベリィ

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0050★もしかしたら、本当にそうかもしれない

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 …………ああ…ぜぇ~んぶ…夢だったら良かったのに…悪夢だ…………
 …………男に身体を悪戯いたずらされて…逃げられない…………

 …………まだ、肛門をちょっと悪戯いたずらされただけだけど…………
 …………俺のコトを…全部、何もかも知っているみたいだ…………

 …………恥ずかしい写真…ビデオ…いっぱい撮られている…………
 …………それを全部奪って逃げる方法なんてない…………

 …………俺には権力も大金も無い…もう…どうしようもない…………
 …………あんなに気を付けろって何度も忠告されたのに…………

 …………唯一の救いは…俺を捕まえてもてあそぶ男が、俺を好きらしいコト…………
 …………本当に、俺をもてあそぶ男が紫條しじょうさんむだったら…………

 深く落ちた意識の底で、悠虎ゆうとは自分の精神こころを護る為に、自分を組み敷く腕が彪煌あきらであると暗示をかける。
 本当に、その手が彪煌あきらだと知らないまま………。

 何処かでクスクスら嗤う声が聞こえて、暗い水底から浮き上がってくるような感覚の中、悠虎ゆうとは自分の意識が覚醒かくせいするコトを知る。

 …………あっ…と……あははは…俺……意識おとしちゃったんだ…………
 …………排泄を強要されたあとに……なんかプツッと記憶無いや…………

悠虎ゆうと…くすくす…お前の身体は綺麗だなぁ~………
 程よい筋肉がのって………ふふふふ……細い腰が堪らないな」


 囁かれた内容に、悠虎ゆうとはビクンッと身体を震わせる。
 身体を撫でまさぐる、自分よりも確実に大きいと感じる男の手の平に、意識が持って行かれる。

 …………怖い…けど…触られている…なんでか…気持ち良い…………
 …………こんな風に優しく撫でられると、安心してしまう…………

 …………強要されているのに…脅迫されて…逆らえないだけなに…………
 …………っ……もしかして…乳首…舐められてる?…男なのに?…………

 そんなコトを考え、戸惑う悠虎ゆうとをからかうように、今度は乳首を押し潰されて、反射的に声が漏れてしまい、拒絶の言葉を零れ落としてしまう。

 …………くっ……って…もしかして不味いっ…怒らせる…………
 …………それくらいだったら、いやだって訴えちまえ…………

 悠虎ゆうとはある種の開き直りから、乳首への悪戯いたずらをやめてくれるように訴える。
 が、悠虎ゆうとは知らないコトだが、相手は彪煌あきらなので、楽し気に囁くだけだった。

 …………あれ?…もしかしなくても…怒ってない?…………
 …………つーか…もしかしなくても、俺、抱き締められている…………

 その大きなガッシリとした腕に抱き締められ、悠虎ゆうとは恐怖感よりも心地よい安堵感を覚える。
 広い胸に自分の身体を抱き寄せる力強い腕が、失った父親からの愛情を彷彿ほうふつさせ悠虎ゆうとから警戒心を奪う。

 …………俺に、何らかの能力があったら、父さんを奪われなかった…………
 …………母さんだって、父さんを奪われておかしくならなかったのに…………
 
 …………きっと、これは妹や弟から父親を奪った天罰なんだろうなぁ…………
 …………俺が無能だったから、母さんも正気を失っちまった…………


 …………なのに、この腕に抱き締められるのは気持ち良い…………
 …………おぞましいコトを強要する腕なのに…………
 
 悠虎ゆうとの心境は知らないものの、抵抗してこないコトで、彪煌あきらはその裸体を抱き締めて、優しく囁く。

「くすくす………本当に、いい子だね、悠虎ゆうと
 今、手を縛って無いのは判るかな?」

 囁かれてはじめて、悠虎ゆうとは両腕が自由なコトに気付く。

 …………えっとぉ~マジか?…縛られてないの…気付かなかった…………
 …………まっ…だからって…逃げられるわけじゃないのはわかる…………

 …………つーか…結構…恥ずかしいコトを平気で言うんだな…………
 …………それだけ慣れている……つーことは、モテるってコトだよなぁ…………

 …………なのに、なんで俺にこんなコトするかな?…………
 …………つーか、抱き付くってかなり恥ずかしいコトなんだけど…………

 悠虎ゆうとはそう思った途端に、自分の頬が熱くなるのを感じて、ついつい恥じらってしまう。

 …………けど、抱き付けば、だいたいどれぐらいの体格か判るな…………
 …………っ…マジか…すげぇーイイ身体してる…自己申告通り…………

 抱き付いた身体が予想以上にしっかりしたガタイの男の身体であるコトを知り、悠虎ゆうとは希望が本当かもしれないと思う。

 …………なんか…声まで紫條しじょうさんの声に聞こえてくる…………
 …………何時もより少し低い声で掠れているけど…口調も少し変えてるけど…………

 その安堵感から、まるで催眠術にでもかかったかのように、悠虎ゆうとは自分の内腿に触れる手の平に導かれるまま脚を外側へと移動させる。

 …………やっぱり…この腕は紫條しじょうさんのモノかも…………
 …………つーと、コレてやっぱり…お仕置きなのかなぁ?…………

 …………あんなに、何度も言われていたのに、夜遊びしたから…………
 …………私立條清学園のグラウンドに忍び込んでるのバレてたのか…………

 …………あれ?…そういえば…背中にふれているの…毛布じゃない…………
 …………もしかして、ここって…あの自然公園じゃないってこと?…………

 …………意識を失っている間に、どこかに移動したのか?…………
 …………そんなに長い時間、気絶していたのか?俺…………

 …………かりに紫條しじょうさんじゃなくても、それなりの男だろう…………
 …………どっちにしても、俺をもてあそぶコトに飽きなければ、解放されない…………

 …………今は、身体を必要以上傷付けられないようにしないと…………
 …………俺に難癖付けて集団リンチしてくる奴等とは違うから…………

 …………言いなりになっていれば、傷付けられないはず…………
 …………もしかしたら、あっさり解放されるかもしれないし…………

 …………恋愛感情に誘発された興味本位かもしれないし…………
 …………だいたい、男同士なんて不毛だから、きっと飽きるさ…………

 …………いずれ、あの時は…って……苦笑交じりの苦笑いなるはず…………
 …………紫條しじょうさんがするコトなら、我慢できる…はず…………

 そう自分に言い聞かせて、悠虎ゆうとは命令された通りに、一生懸命に力があまり入らない両脚に力を入れて、膝を立てるのだった。
 










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