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0246★神護の知らない真実

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 旅商人・アデルは、虹色オオトカゲの肉を大量に買い込んだので、それを運ぶ為もあって、あえて神護の馬車に予備馬をつけなかったりする。
 もちろん、18頭だけでも大変なのに、更に3頭~6頭を付けたら、流石に面倒をみきれないだろうということも考えていたのは確かな事実だった。

 ついでに言うなら、神護が譲られた馬車の馬達は、実はいずれもとんでもなく高価で頭脳明晰な、軍馬達だったりするのだ。
 そう、普通の使用人や奴隷達に世話させるには、扱いにとぉ~っても困るような、と付くような超高級で厄介な代物だったのだ。

 だから、ヒリュオンの子供のリオウがいようが、神護が魔法を使ってを綺麗にしようが、怯えもしなかったのだ。
 それだけの知識と《力》が備わっているだけに………。

 だからこそ、とんでもなくプライドが高く、扱いにくい軍馬達だったりする。
 そんな軍馬達に言うコトを聞かせる為に、体調不良にならない、ギリギリを見極め、水とエサを与えていたのだった。

 そんなコトを知らない神護は、18頭の馬達の様子を確認し、特に1頭だけとか1台(6頭)だけ疲れているとかは無さそうなことを確認し、無意識に頷いていた。

 「うん、大丈夫そうだな………そんじゃ、桶を出して水かな?」

 そう言った神護は、3台目の馬車の馬達から水を与えることにした。
 どうしても、基本が前から声を掛けるコトになるので、できるだけ公平になるようにと、今回は後ろ3台目から優先としたのだ。

 「ごめんなぁ~……お前達
  どうしても乗っている馬車の馬達からになるからなぁ
  せめて、水ぐらいは最初にやるな……」

 そう言って、馬車の中から水桶を頭数分抱え出してから、神護は小首を傾げる。

 あっとぉ~……この水桶、どこに付けよう?

 6頭分の、空の水桶を持って困っている神護に気付いた3台目の先頭を走るリーダー役の馬は、自分を馬車に繋ぐ金具部分を簡単に口で外して、とてとてと近寄ってくる。
 そして、ツンツンと神護の背中を突いて、馬車の側面にあるエサや水桶をかけられる場所を示す。

 げっ……おいおい……ハーネスの金具? 自分で外せるのかよ?
 いや、それより、そうかここの輪っこを立てて入れれば良いのか
 なるほどなるほど……つーか、こいつら頭イイなマジで

 神護は、自分の側で嬉しそうに尻尾を振るリーダー役の馬の首筋を軽くポンポンと叩いてやりながら礼を言う。

 「ありがとなぁ~……んじゃ早速……」

 そう言って、神護は馬車の側面に備えられている輪っこを立てて、水桶を次々と設置していく。
 そして、水を見て興奮した馬達が零さない程度に入れる。

 馬達にすれば、何時も砂漠を越える時は生命維持の為の量しかもらえないので、その水量は、なみなみに見えて、落ち着かなくなる。

 「はははは……もう少しまってくれな……」

 あんまり意味は無さそうだけど………

 神護は3台目の馬達と馬車を繋ぐ金具を外して(リーダーが外すのを手伝ってくれた)側面に用意した桶の前へと移動させた。
 なみなみ(馬達にとって)の水を前にして、ワクワクしている馬達の水桶に、神護は見てわかるように、巾着袋から出した風糖ふうとうを3粒づつ放り込んで行く。

 「よし、いいぞ」

 そう1頭ずつお尻をポンと叩いて、水を飲むように指示した神護は、3台目のリーダー役にただけ、1粒余分にそっと与えて面倒を見るように指示し、2台目の馬車へと移動した。

 2台目の馬車の馬のリーダーも、自分のハーネスの金具を外してタッタッと神護に近寄る。
 神護も、こっちの馬はこういうモノと認識し、さほどの疑問を持つことも無く、馬車の中から水桶を出して、水をたっぷりと入れて、風糖ふうとうを3粒入れてやる。
 勿論、2台目の馬のリーダー役にも、1粒多くあげたことは言うまでも無い。








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