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0239★異世界の馬達は指示通りに行動してくれる

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 神護の隣りでは、白夜は自分の翼が有するはずの、祈願成就の《力》が転生しても健在であることを実感し、そのコトを噛み締めていた。

 はぁ~………よかったぁ~………私の飛翔族としての能力
 祈願成就の《力》は消えていなかったようだ

 いや それどころか 祈願成就の《力》は強くなっている気がする
 これも きっと父上のお陰だろう

 ふふふふ 【守護者】である父上と一緒にいるならば
 捕まって見世物のような状態の 弟達を無事に取り戻せる

 我々飛翔族が 稀少で珍しいからと 無法者に捕らえられ
 奴隷とされている 我が一族の者達を集めることが
 簡単に見えてくるから不思議だ

 転生したこの身体の背に 翼が生えていないと知った時も 父上が

 『白夜が成長したら生えてくるかも……』

 と、宥めてくれたら、不安はあっという間に消えていた

 父上は 皆がその翼を代償として 異世界から召喚よんでくれた
 私の【守護者】だ

 父上は誰にも渡さない 父上の腕も 愛情も 私だけのモノだ

 そう思い、無意識に背中の翼がパタパタしてツキンと言う痛みが走った。

 つっ………えっとぉぉぉ~…もしかしてぇ………この痛みって………
 また 背中の翼が成長するのかなぁ?

 翼が大きくなるのは すっごく嬉しいけど そう…嬉しいけどぉ……
 伸びると痛いし 父上に 迷惑かけたくないなぁ はぁ~……

 なんとなく翼が成長しそうな前兆の痛みに、白夜は内心で溜め息をしつつも、初めての馬車で、御者を務める(馬達を制御する)ことに四苦八苦している神護を見て、痛みを黙殺したのだった。
 そんな白夜に気付くこころの余裕が無い神護は、馬達が指示すると、指示したように行動してくれるコトに気付いて、ようやく自分にやることが無いことに気付くだった。

 えぇ~とぉ~………普通、こういう馬車と言えば
 御者台で、馬に指示を出さなければならないんだよなぁ?
 まして、2列で縦3頭繋ぎの6頭立てだし………

 と、思ったら、なんかこっちの馬達って、俺の指示や言葉を
 完全に理解できているようなんだよなぁ………

 はっきり言って、馬車の馬の操作なんてしたコト無いから
 俺の指示に従いつつ、自分達で最適な状態判断して
 行動してくれるから、マジで助かる

 神護がそんなコトを考え始めた頃に、前方の遥か向こうに土煙が見えた。
 それは、先に出発してあっという間に見えなくなった、大商人・アデルが率いるキャラバン隊の馬車が上げる土煙だった。

 遠目にでも、街道を目指す土煙を確認できた神護は、ほっとしての力を抜いて先刻のやりとりを思い出していた。

 はぁ~……それにしても………あのアルデって言う名の旅商人や
 その使用人に護衛達が、白夜に興味を持たなくて良かったなぁ……

 なんつっても、俺だって、まだ白夜の種族である飛翔族のことは
 ほとんど何も理解わかってねぇ~からなぁ~………

 本来のは、どういう種族で、どういう生活をして……
 いや、女神の系譜つーのは知識的に知っている

 転生前の白夜から譲渡された記憶や、ホタルや【ルシフェル】から
 もたらされた知識や記憶があるからな……

 どんな《力》や特性を持っているかも、少しは理解わかっているけど……
 実際は、本当の意味では知らないもんなぁ

 まぁ…俺自身、こっちに転移したばかりで、この世界のコトも
 飛翔族のコトも、よく理解わかってねぇ~けど
 白夜は可愛いから……まっいっか…ってことにしておこう











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