235 / 328
0235★無事、馬車を3台も購入できました
しおりを挟む今の小さな白夜には、両手いっぱいに抱えなければならないほど、かなり大きな鳥籠だったが、幻獣【カーバンクル】の雛という稀少な存在に、白夜は興味津々になる。
「はい 父上 とても可愛いですぅ
でも1羽だけじゃ寂しいでしょうから 早く仲間を探したいですね」
自分と同じ、ただひとりの状態で、鳥籠の中で震えている幼い【カーバンクル】の雛を見て、白夜は自分と一緒だと、いたく同情したのは間違いない事実だった。
そんな白夜の様子に気付くことも無く、神護はやっと手に入った馬車と馬を確認する為に、アデル達が置いていった3台の馬車へと向かった。
「さぁ~て、都合よく馬と馬車が手に入ったからな
とりあえず、俺達も馬車に乗って街道に向かうか?
どうやら、街道はあっちの方で良いようだからな
残してもらった肉は、このまま馬車に乗せるか?
いや、とりあえず、巾着袋にでも収納するか、運ぶの面倒だし
アデル達のキャラバン隊のおこす土煙を追えば
街道まで道案内してくれそうだから、さっそく出発しようぜ
もともと俺達も、白夜の弟・グレンを取り返す為に
彩湖王国の東の端にある美里街に
行くつもりだったから、好都合だな」
神護のセリフに、白夜はにこっと笑って頷く。
「はい 父上 なんとしても グレンを取り戻したいです
それに たしか彩湖王国の東の端にある美里街は
魚を使った郷土料理が美味しいと とても有名なのですよ
すごく 楽しみです」
白夜の素直な反応に、神護も少しだけクスッと笑う。
「そうだな……そんじゃ、俺は残った肉を収納しちまうから
お前は、鳥籠に入ってる幻獣【カーバンクル】の雛を連れて
このリオウと一緒に、馬車に乗って居てくれ
馬車に乗ったら、まずは街道に向かおう
そして、彩湖王国の東の端にある美里街に行こう」
そう言いながら、大商人らしいアデル達が置いて行った3台の馬車へと足を運ぶ。
うわぁ~…この馬車ってば、近付くと結構デケェ~のがわかるわ
その上で、みるからに質実剛健っぽいところが良いな
ふ~ん、この大きい馬車を引かせるだけあって馬の方もかなりデカイな
神護は、1番手前にある馬車の御者台に、とりあえず【カーバンクル】の雛が入った鳥籠を抱えた白夜を乗せる。
と、神護の話しをちゃ~んと聞いていたリオウは、少し離れた位置で、指示が出るのを待つ。
神護は、とりあえず白夜と【カーバンクル】の雛入り鳥籠を御者台に乗せてから、急いで馬車………特に馬具の安全確認を始める。
馬車に繋がれている馬達の状態と、馬具の状態、双方を確認をしながら、白夜に言う。
「すぐに、出発の準備をするから、少しだけ待っていてくれ…リオウ」
神護に呼ばれ、おとなしく少し離れた位置で待機していたリオウは、いそいそと馬車の側に来る。
が、馬達はリオウの存在を、綺麗に無視して、微動だにもしなかった。
その様子を確認しつつ、リオウの頭を撫でて言う。
「良い子だなリオウ、白夜の隣りに座って待っていてくれ」
神護にそう言われたリオウは、グルルっと喉を鳴らして、ひょいっと御者台へと乗る。
大きくゴツイ馬車なので、リオウが乗ってもキシリとも言わなかった。
白夜の隣りにリオウを配置したことで安心した神護は、大急ぎで残してもらった虹色オオトカゲの肉を、巾着袋の中へと入れる。
全部、入れ終わった神護は、馬車に戻り、残りの馬車と馬達のバテ具合を確認する。
そのついでに、馬の装身具の確認もしたことは言うまでもない。
0
お気に入りに追加
604
あなたにおすすめの小説
玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
薄幸召喚士令嬢もふもふの霊獣の未来予知で破滅フラグをへし折ります
盛平
ファンタジー
レティシアは薄幸な少女だった。亡くなった母の再婚相手に辛く当たられ、使用人のように働かされていた。そんなレティシアにも幸せになれるかもしれないチャンスがおとずれた。亡くなった母の遺言で、十八歳になったら召喚の儀式をするようにといわれていたのだ。レティシアが召喚の儀式をすると、可愛いシマリスの霊獣があらわれた。これから幸せがおとずれると思っていた矢先、レティシアはハンサムな王子からプロポーズされた。だがこれは、レティシアの契約霊獣の力を手に入れるための結婚だった。レティシアは冷血王子の策略により、無惨に殺される運命にあった。レティシアは霊獣の力で、未来の夢を視ていたのだ。最悪の未来を変えるため、レティシアは剣を取り戦う道を選んだ。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
騎士志望のご令息は暗躍がお得意
月野槐樹
ファンタジー
王弟で辺境伯である父を保つマーカスは、辺境の田舎育ちのマイペースな次男坊。
剣の腕は、かつて「魔王」とまで言われた父や父似の兄に比べれば平凡と自認していて、剣より魔法が大好き。戦う時は武力より、どちらというと裏工作?
だけど、ちょっとした気まぐれで騎士を目指してみました。
典型的な「騎士」とは違うかもしれないけど、護る時は全力です。
従者のジョセフィンと駆け抜ける青春学園騎士物語。
『忘れられた公爵家』の令嬢がその美貌を存分に発揮した3ヶ月
りょう。
ファンタジー
貴族達の中で『忘れられた公爵家』と言われるハイトランデ公爵家の娘セスティーナは、とんでもない美貌の持ち主だった。
1話だいたい1500字くらいを想定してます。
1話ごとにスポットが当たる場面が変わります。
更新は不定期。
完成後に完全修正した内容を小説家になろうに投稿予定です。
恋愛とファンタジーの中間のような話です。
主人公ががっつり恋愛をする話ではありませんのでご注意ください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる