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0193★《転移》で負担は掛かりません

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 「白夜、ちょっと今さらなんだけど、疑問に思ったから聞くけど
  頻繁に《転移》するのって、身体に負担とか掛かるか?」

 神護からの質問に、白夜は小首を傾げる。

 〔えぇ~とぉ~ 《転移》で 私の身体に掛かる負担ですか?
  そんなこと 全然考えていませんでしたけど 

  ただ父上は凄いなぁ~ 簡単にポンポンと疲れもみせずに
 《転移》して…って それって父上の方が負担なのでは?〕

 「えぇ~と それって 何度も《転移》する 父上の方が
  負担になりませんか? 大量の《魔力》を消費するんですから

  私は 父上にただ抱えられているだけなので そういう負担を
  感じたことはありません」

 神護は白夜の答えに、ちょっとほっとする。

 そうか良かった、眼に見えての負担は無いがどうかな?と思ったが
 白夜本人にもそういう負荷を感じるところが無いということは……
 とりあえず、安全かな?

 「そうか良かった……それが少し心配だったんだ
  俺の方は、何度か《転移》したが、負担なんて感じてないぞ

  《転移》で《魔力》がごっそり消えるっていうのも全然ないから
  負担らしいモノはないな」

 けろっとそう言う神護に、白夜は内心で思いっきり感心する。

 〔ほんとぉ~に 父上がその身体に内包する《魔力》って
  とんでもなく膨大なんですねぇ これで生前の私と出会う前は

  《魔力》なんてモノを カケラも持っていなかったんだから
  持って生まれた才能っていうモノは凄いですね

  しかし あれだけの《転移》を 自分以外の私やリオウごと行って
  全然負担に感じないなんて 【守護者】とは凄い者なんですね

  はぁ~……それに引き換え 禁断の【転生術】で転生し
  再誕したとはいえ 私はなんて役立たずなんでしょう
  はぁ~ もっと父上の役に立ちたいです………〕

 なんとなく気落ちしているのを感じた神護は、白夜に言う。

 「とりあえず、今現在までは《転移》による負担らしいモノを
  感じていないんだな、白夜

  もし、少しでも体調に不調を感じたら、すぐに言ってくれよ
  《転移》を止めて、その場その場で野営でもするからさ

  いくら白夜に生前の記憶や《力》が有ったとしても、今の幼い
  その身体には負担がかかるんだから、絶対に無理はするなよ」

 「はぁ~い ということで 白夜はもう少し
  李紅りくの果実を食べたいです」

 そうおねだりする白夜に、神護は頷いてリオウの背中に降ろす。

 「そんじゃ、李紅りくを採取する間、ちょっとリオウの背中で
  待っててくれな」

 そう言って白夜の頭を撫でてから、神護は李紅りくの熟れた果実をもぎ取りに走る。

 ほどなく、両腕いっぱいの量を採った神護は、全部巾着袋に放り込み、白夜が今のところ負担はないと言ったので、いにしえの女神の神殿の祭壇前へと《転移》する。





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