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0188★グレンの居場所は、ほぼ確定
しおりを挟むその後、白夜は冷静になり、グレンの様子と屋敷らしいモノの内装や、服装などを観察したてひとつ頷いた。
「この室内に使われているの模様は 覚えがあります
父上 グレンは たぶんですが 彩湖王国の東の端
美里街 だと思われます」
弟のグレンが捕らわれている場所が、ある程度は特定できたコトで、白夜は少し落ち着く。
あの礫砂漠を渡ったところに在る、美里街と呼ばれる街の何処かに居るらしいことが判った。
どうも、捕らえて支配した姿を見せびらかす為に、ああやって人が集まる場所に晒しているらしい。
それが、黒き河の国王の意思によって行われているか?
抜け駆けで、飛翔族を捕らえ、更に新たな飛翔族の者を捕らえようとしているかは、流石に判らないが………。
白夜の弟・グレンが現在居るのは彩湖王国の東の端にある美里街らしいコトはほぼ確定に近かった。
「ふっ…すぐ下の弟の居場所が意外と近くで良かったな、白夜
あとは、どうやって救出するかだなぁ~………
金貨とかで、あっさりとカタがつくなら良いんだが………
まっ…いざとなったら、力づくだなぁ~………くすくす」
そう言って笑う神護に、白夜はコクっと頷くだけだった。
〔父上 そんな簡単にグレンを手に入れた者から
取り返せるとは思いません 言えないけど……
それに ああして晒し者にしているのは
他の《力》ある飛翔族の者を 公の場に引っ張り出す為
そう あの日あの時に 輝く峰の国から上手く逃げ果せ
雲隠れした 私を釣り出す為だ
それが理解っていても 私はグレンを 今すぐにだって
助けに行きたい クソッ〕
唇を噛み締める白夜、神護は嘆息する。
さて…白夜のヤツ…すぐ下の弟の悲惨な姿を観て
めっきり落ち込んじまってるな
なにか違う方向に意識を……って…あれ?
弟達って言っていたよなぁ…他の弟は?
とにかく サクッと居場所を調べて、取り返せば良いじゃん
今後の大まかな方針を決めた神護は、白夜の意識を切り替えさせる方法を考える。
銀水晶の鏡に映るグレンの姿は、何時の間にか消えていた。
その無機質な鏡面を見詰めながら、神護は1つ溜め息を吐いて言う。
「白夜、落ち込む気持ちは理解るけど
他にも弟いるんだろ? そっちは良いのか?」
神護にそう言われて、白夜もハッとする。
「…あっ シレイ そうだシレイの方が グレンより酷かった
例え《鎖紋呪《さもんじゅ》》による支配を受けていても
まだ グレンの瞳には光りが残っていたが…………
あの時 この銀水晶の鏡に映ったシレイは 観るからに
こころを失っていた………」
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