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0150★白夜にハチミツを手渡して、もとの道へ 

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 神護が人差し指を抜くと、ソコからハチミツがゆっくりと溢れ出す。
 濃縮されて、粘度の高いハチミツらしく、蛇が身をくねらせて幹から出て来るかのように、神護が穿った穴から出て来た。

 神護は、そのハチミツを、元はぶどう酒の入っていた皮袋の口を開き、採取する。
 ゆっくりゆっくりと、重力に導かれて落下するハチミツを皮袋へと受け止めながら、神護は微笑む。

 クスクス………やっぱりなぁ~…バニラシードの蔓があるところを
 飛び回って花の蜜を集めていたからなぁ~………

 ふふふふ………このハチミツ……甘い甘い香りがするぜ
 ハチミツ独特の匂いじゃなくて、バニラシードの甘い香りだぁ

 うろを軽く叩いて……感じとったミツバチの巣の
 大きさから考えて………このハチミツは………

 これは、巣から落下したハチミツのはずだから……イイよな
 ミツバチ達の生命サイクルに影響は与えないはず

 だから、卵から孵ったミツバチの幼生が成長する為に
 食べる分が足りなくなるってことはないよな

 皮袋の口までもう少しというところで、神護は素早くコップにもハチミツを入れる。
 コップのハチミツが8分目ぐらいになったところで、粘度の高いハチミツを素早く切る。

 そして、穿った穴から新しいハチミツが出て来る前に、用意しておいた枝をぎゅっと挿し込み、ハチミツの流失をとめた。

 また、ここに来ることがあったら、ここのハチミツを
 少し採取してもイイかな?

 そんなコトを考えながら、神護はハチミツの入ったコップと皮袋を手に、白夜のところへと戻った。

 「おまたせ、白夜…ほら、甘いもの続きになるが
  ………味見してみたかったんだろう………」

 そう言って、神護はハチミツ入りのコップを白夜に手渡す。

 「はい ありがとうございます 父上」

 嬉々として、神護からハチミツ入りのコップを受け取ってニコニコする。
 神護はその間に、ハチミツを入れた皮袋の口をギュッと閉じて、大きな布袋に入れて、肩に担ぎ、白夜を抱え上げる。

 「さて、だいぶ寄り道しちまったからな………」

 白夜は頷きつつ、コップの中のハチミツをどうやって舐めようかと考えていた。

 〔うぅ~ん コップのハチミツに 指を突っ込んで舐めるのは
  流石に 行儀が悪いですよねぇ…………

  風糖ふうとうは 食べ終わったしまいましたから………
  いや どちらにしろ 一緒に食べるのに適していませんし………

  だからって その辺の枝を 父上に折り取ってもらって
  すくって食べるのは ちょっと……〕

 悩む白夜に気付く余裕の無い神護は、来た道を大急ぎで戻って行のだった。






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