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0135★白夜の異変2 白夜の羽化が始まる
しおりを挟む岩の上に座らせるように降ろした神護は、ブルブルと身体を震わせている白夜に静かに問い掛ける。
「白夜、どこがつらい? どこか、痛みがあるのか?」
神護の問い掛けに、白夜は顔を一生懸命に上げて応える。
「……せ… 背中が さいしょ… なんかモゾモゾと………
勝手に うごめいた気が…… へんな感触がして来て……
妙に背中の皮膚が 突っ張ったような感覚が増えて
急に痛みが ……っ………くっ……ぅぅぅ…」
再び、ブルッと身体を震わせた白夜に、神護はやっぱりという顔で、背後に回り、フォーマルドレスの上に羽織らせた長めのマントを外す。
神護は外したマントを隣の大きな岩に置いて、白夜の背中を確認する。
マジで、良かった~……助かったよ…サイズが7才児用の
大きなドレスで背中が大きく開いているタイプで……
そのお陰で、異変………というか、変異?が起こっている
白夜の背中がちゃぁ~んと見える……ぅん~……
あぁ…やっぱりなぁ~……お思った通りかよ……
当たって欲しくないカンほど当たるんだよなぁ~………
だぁぁ~………やっぱり、赤い痣の部分が、小さく内側から
持ち上がっているなぁ………はぁ~…どうしようか?
この皮膚の下には、絶対に小さい翼があるな
俺が生まれ育った世界に来て居た影響かなぁ~………マジで
しっかし………このままは…たぶんどころじゃなくてマズイな
肩甲骨上の皮膚が、皮下にある翼の羽化による自力で
自然に裂けるの待つのは、とんでもなくキツイだろうな
こままじゃ、幼い白夜には体力的にキビシイな
……ここは………しょうがないな……はぁ~………
肩甲骨の上から、グイグイとそこの赤い痣を目指すかのように
皮膚を強引に伸ばしているな
これは、皮下から持ち上がってきている翼を傷付けないように
赤い痣をなぞるように、皮膚を切り開いてやらないとダメだな
上手く赤い痣をなぞって、皮下から翼を外に出してやらないと
マジにヤバイぞ……下手すっと……曲がったり折れたりする
どうやっても、これは自然羽化を狙っての放置はできないな
失敗すれば………最悪、皮膚を破けずに、背中の中で
翼が複雑に折れ曲がって、悪性腫瘍になるかも………
ここは、やるしかないか………はぁ~…責任重大だ
けど、それで白夜がきちんとした翼を得られれば
【転生】を失敗したと、これ以上落ち込まなくてすむだろう
「白夜………背中の肩甲骨辺りにある
赤い2つの痣が少し盛り上がってるから………
たぶんだけど…………翼が顕現しようとしているようだ
背中が痛いのは、たぶん必要な栄養?が、足りて……
小さな翼が、皮膚の下から身体の外に出ようとしてるからだ
このままの状態だと、かなり不味い
下手すっと、皮膚を破れず、皮膚の下で翼が折れ曲がる
ちっと痛いかもしんねぇ~けど……背中の皮膚を切るぞ」
その言葉を聞いて、白夜は背中全体から、背骨にまで走る激痛に耐えながら、健気に神護に応えた。
「はい ち…ちうえ………お願い……します……」
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