89 / 328
0089★現世での神護の日常7 警戒しよう敵がいるかもしれない
しおりを挟む「神護兄ぃ……竜治兄ぃが来たよ………」
無作法に部屋のドアを開けて、嬉しそうに駆け込んで来た真三郎が、ジュータンの上に置かれた12個の卵の中を突っ切って来る。
ああ……やっぱり……視えないんだ
物理的にも、干渉しないのもわかったな
真三郎って霊能力かなり強かった筈だけど
卵の存在も、ホタルの存在も感知してないようだ
そう神護は、現実世界と卵やホタルの事実関係を確認し、内心で苦笑いする。
「ああ……わかった……んじゃ…
着替えたら……すぐに降りるよ
着替え自体は用意てあるからな」
神護の答えに、ベット上に投げられている着替え一式を確認し、頷いて真三郎は、来た時同様に、バタバタと部屋から出て階下へと走って行く。
ここしばらく、遊んでやれなかったからなぁ………
真三郎も優香や唯香同様、楽しみにしてたんだなぁ
さて、さっさと卵を収納して着替えるか…………
神護は立ち上がり、12個の卵を1個ずつ、丁寧に抱き上げて撫でてから左の二の腕に嵌まる腕輪の中に収納した。
「ホタル、どうする?
なんの支障もないなら
このまま外に出た状態で
俺の肩にでも止まっているか?」
好奇心でうずうずして、部屋の中を物珍しそうにキョロキョロしていたホタルは、神護の言葉に嬉しそうにする。
『よろしいのですか? マスター』
嬉々としているのが見ていて判るホタルに頷いて、神護はささっと着替え、上着を着た肩を指差す。
「大丈夫だ
どうせ、俺以外は視えないから
肩に止まっていろよ」
その言葉に促され、ホタルはふわりっと神護の肩に止まる。
[ホタル、ここからは心話にするから………
流石に、外で普通にホタルと会話したら……
周りから、変な人にみられるからさ]
[はい マスター どうやら 他の人は
私を感知しないようですね]
[そういうこと…で、ホタルを感知できる者は
俺達の敵ってことで、いいんじゃ無いかな?]
[敵?]
[そう……なんらかの理由で……
俺がソレを保有していることを
知っている者かな?]
[どうして? そうお考えなんですか?]
[そう思った理由は、色々とあるが…………
どうも、今、異世界とこの世界は
微妙に繋がっているみたいだからな]
[繋がっている?]
[ああ、たぶん飛翔族が持つ
例の祈願成就の《力》ってやつ
じゃないのかな?
その力で【守護者】を………
異なった世界の俺を
呼んだ時に繋がったんだろ]
[それじゃ こっちに 敵が出現する]
[そういうこと
誰が、飛翔族の卵の【守護者】に
選ばれたかはわからなくても…
【守護者】が出現したことは
感知したしたというところだろう
飛翔族にそういう《力》があるなら
他の種族にも……なんらかの能力
そうだな〈遠見〉とか〈予知〉とかいう
能力があってもおかしくないからな……]
0
お気に入りに追加
604
あなたにおすすめの小説
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
転生ゴーレム職人、魔法が使えないので代わりに自律兵器で無双します
昼から山猫
ファンタジー
現代日本でゲーム開発に打ち込んでいた俺、天羽ジュンは、突然の事故で異世界に転生。そこは魔力が尊ばれる社会で、魔法が使えない者は一生底辺と決まっているらしい。
だが俺は魔力ゼロでも動く「ゴーレム」に興味を持った。前世の知識を応用すれば、命令に従う自律行動型ゴーレムが作れるんじゃないか? 農作業を任せ、街道整備を行い、果てはモンスター狩りまでも遂行する超有能サーヴァント。
しかし、そんな俺の発明は一部の貴族達を警戒させ、利用しようとする者まで現れる。
ゴーレムたちを率いて独自の勢力を築き上げるか、支配階級に迎合するか――。俺は選ぶ。自分の理想を叶えるため、ゴーレムの軍団で世界に挑むことを。
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
転生したアラサーオタク女子はチートなPCと通販で異世界でもオタ活します!
ねこ専
ファンタジー
【序盤は説明が多いので進みがゆっくりです】
※プロローグを読むのがめんどくさい人は飛ばしてもらっても大丈夫です。
テンプレ展開でチートをもらって異世界に転生したアラサーオタクOLのリリー。
現代日本と全然違う環境の異世界だからオタ活なんて出来ないと思いきや、神様にもらったチートな「異世界PC」のおかげでオタ活し放題!
日本の商品は通販で買えるし、インターネットでアニメも漫画も見られる…!
彼女は異世界で金髪青目の美少女に生まれ変わり、最高なオタ活を満喫するのであった。
そんなリリーの布教?のかいあって、異世界には日本の商品とオタク文化が広まっていくとかいかないとか…。
※初投稿なので優しい目で見て下さい。
※序盤は説明多めなのでオタ活は後からです。
※誤字脱字の報告大歓迎です。
まったり更新していけたらと思います!
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
転生キッズの魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
西園寺わかば
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる