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0084★現世での神護の日常2 ネズミーランド行きは決定らしい

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 言外に、どう考えても、数日は帰宅できないだろうという神護のニュアンスに、竜治も頷く。

 『うん……確実に、無理だね……
  手が足りなくてねぇ………

  なんで、そんなにウチに持って来るかな?
  まったく、他にも、事故現場近くに
  指定病院あるでしょ……

  ………って、感じだからね』

 重傷者の大半が担ぎ込まれたらしいことを知り、神護は苦笑いを浮かべる。

 「おじさん、超ぉ~イイ腕してっから…………」

 『それこそ、真也しんやおじさんの
  サポートあってこそだよ

  手術の成功率は、サポートが
  どれだけ充実しているか

  それによって、大きく変動するからね』

 はぁ~……可哀想に……親父のやつ
 すっげぇ~…楽しみにしてたけど……
 こりゃ~どう考えても、無理だな…………

 チラッと双子の妹を見て、神護は嘆息する。

 こっちも、見るからに出かけるの
 諦める気配ないから………

 このまま予定通り行くしかねぇ~な
 ……はぁ~……ちっと気が重いわ
 親父にグチにれるなぁ~………

 「竜治ぃ~……わりぃ~んだけどぉ……」

 『わかった
  真也しんやおじさんの代わりに
  僕が参加するよ』

 「助かる」

 そのやりとりを黙って見ていた唯香と優香が、神護の目の端で、嬉しそうに万歳ポーズをしていた。

 「つーことで、唯香、優香
  ネズミーランド行きは決行だ」

 「「わぁ~い、やったぁぁぁ~…………」」

 嬉しそうな唯香と優香に笑って、神護は朝食を作る為に台所へと向かいながら、振り返って言う。

 「まだ、ちっと早ぇ~けど
  真三郎も起こしてくれ

  ネズミーランドは
  飯の持ち込み禁止だから………」

 お昼は向こうで食べるけど、朝食はしっかり食べて行くぞという神護に頷き、優香は真三郎の部屋へ向かった。
 唯香は、神護のお手伝いである。

 朝食を、長男・真司を抜かして、神護・優香・唯香・真三郎の4人で仲良く食べたのだった。
 神護は、そのついでにと、何時でも妹や弟が、お腹が空いた時に、簡単にごはんがチンだけで食べれるようにと、ストックを軽く数種類作って、冷蔵庫と冷凍庫に放り込んでいた。

 にぎやかな食後、神護は3人に声をかける。

 「竜治がこっちに着いたら
  ネズミーランドに出かけるから
  用意しておけよ」

 そう言って席を立った神護に………。

 「神護兄ぃ~…どこ行くの?」

 真三郎が不安そうな表情で言う。
 たぶん、さっきからテレビで盛んに流れる多重事故の報道に、母親が事故にあった時のことを思い出しての言動だろうと気づき、神護はにっこりと笑ってやる。

 「ああ、部屋で休むだけだぞ
  お前達も、もう少し休んだら
  用意しとけよ」

 そう言って、神護は2階の部屋へと戻って行った。

 








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