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002★ステータス偽装しとこう

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 まるで魔法陣のようなモノから走る閃光に、眩暈のようなモノを感じた瞬間に意識を落とした俺は、唐突に戻ってきた感覚に覚醒する。
 その間に、何かを感じたが、それは何かわからなかった。

 それよりも、今だ、この感覚………俺は知っている
 つーことは、最近見ていたあの夢は、実際にあったコトってコトだ

 そう思った瞬間、俺は自分の現在のステータスを偽装するコトにした。
 どのくらい前の前世かは判らないが、俺は確かにこの世界で生まれ育ったコトがある。

 そう、それも………怖いことに、一国の王女のひとりとして………。
 アルストメリア王国の第1王女ビクトリアとして………。

 豊富な《魔力量》を有し、複数の精霊達と《契約》していた。
 また、神子姫と呼ばれていた、前世俺。

 そして、同時に前世の俺には妹がいたコトを思い出す。
 腹違いの妹………裏切り者の妹マリアンヌ。

 王太子だった兄を毒殺し、神子姫たる第1王女の俺を殺した。
 敵国の皇子の1人をたぶらかして、我が国に攻め込ませた、妹マリアンヌ。

 ズキズキと鼓動にあわせて、酷い頭痛がするが、俺は自分のステータスを確認し、急いで偽装した。
 なんせ、ステータスと呟いて見たソレは、とんでもないモノだったから………。

 このアスガルド世界生まれの俺は、前世での記憶(知識含む)と《魔力量》をそのまま継承していたのだ。
 勿論、複数の精霊達との《契約》も継承されていたりする。

 だから、慌ててステータスを偽装と、こころの中で《契約》している精霊達に、今は姿を現してくれるなと願う。
 だって、こいつ等は絶対に、俺の敵になる者達だから………。

 そんな中、1番状況判断に長けている真崎 良(まさき りょう)が、自分の両腕に縋る双子ににっこりと笑いかけてから、残りの手下(笑)?4人に目配せしてから言う。

 「えーと、ここは何処なんでしょうか?」

 ありきたりで、いかにも純朴な好青年を装って言う真崎 良(まさき りょう)に、今の今まで召喚の成功だなんだと喜んでいた魔術師達の1人が1歩前に出て言う。

 「これは失礼した
  私は、王宮魔術師長のウリン・ベクトルと申します

  我が国は、ある事情から精霊達がほとんど消えてしまい
  瘴気と魔物の脅威に晒されています

  そして、予知姫の言葉により、魔王が誕生するコトを知りました
  魔王が誕生しますと、今以上に瘴気は増え、魔物も増えるのです

  精霊の恩恵を受けられないが故、大地はやせ細り
  民達は苦しんでおります

  それで、我々は王命により
  聖女様と勇者様の召喚を試みました

  我々の召喚で現われた貴方達様こそ
  勇者様と聖女様に違いありません

  いまだ、戸惑いもありましょうが、よろしければ
  こちらにある水晶に手を翳していただけないでしょうか?

  どなたが勇者様で、聖女様かを知りたいのです
  我々も切羽詰まっておりまして、召喚に縋ったのです」

 と、魔術師のひとりが水晶を大事そうに持って現われたソコに、バンッと扉を開いて仰々しい煌びやかな集団が入って来た。

 おいおい、瘴気と魔物で国民が困っているんだろう?
 なんだ、その贅を尽くした姿は………

 言っているコトと姿、全然あってねぇーぞ
 つーか、精霊達が消えたのって、神子姫の俺を殺したからだろ

 はぁ~……まさか、アスガルド世界に召喚されるなんてなぁー………
 この様子だと、かなぁ~り腐敗しているな、この国は

 さっさとステータスを偽装して良かったぜ
 仰々しく水晶なんてモン出して来たけどさぁ………

 実際には後ろのヤツが、召喚した俺達全員の《鑑定》をしていたもんな
 そして、俺を視た時、あからさまに見下した視線してたもんな

 マジで気付いて、即ステータスの偽装して良かったぜ
 ちなみに、前世で出会った最下層市民のステータス並に偽装したも~ん

 俺が、神子姫だったコトは、あの表情からバレてないしな
 あとは、どうやってココからトンズラするかだよな

 今の俺は、この王国を愛した神子姫じゃないからな









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