2 / 11
002★ステータス偽装しとこう
しおりを挟むまるで魔法陣のようなモノから走る閃光に、眩暈のようなモノを感じた瞬間に意識を落とした俺は、唐突に戻ってきた感覚に覚醒する。
その間に、何かを感じたが、それは何かわからなかった。
それよりも、今だ、この感覚………俺は知っている
つーことは、最近見ていたあの夢は、実際にあったコトってコトだ
そう思った瞬間、俺は自分の現在のステータスを偽装するコトにした。
どのくらい前の前世かは判らないが、俺は確かにこの世界で生まれ育ったコトがある。
そう、それも………怖いことに、一国の王女のひとりとして………。
アルストメリア王国の第1王女ビクトリアとして………。
豊富な《魔力量》を有し、複数の精霊達と《契約》していた。
また、神子姫と呼ばれていた、前世俺。
そして、同時に前世の俺には妹がいたコトを思い出す。
腹違いの妹………裏切り者の妹マリアンヌ。
王太子だった兄を毒殺し、神子姫たる第1王女の俺を殺した。
敵国の皇子の1人をたぶらかして、我が国に攻め込ませた、妹マリアンヌ。
ズキズキと鼓動にあわせて、酷い頭痛がするが、俺は自分のステータスを確認し、急いで偽装した。
なんせ、ステータスと呟いて見たソレは、とんでもないモノだったから………。
このアスガルド世界生まれの俺は、前世での記憶(知識含む)と《魔力量》をそのまま継承していたのだ。
勿論、複数の精霊達との《契約》も継承されていたりする。
だから、慌ててステータスを偽装と、こころの中で《契約》している精霊達に、今は姿を現してくれるなと願う。
だって、こいつ等は絶対に、俺の敵になる者達だから………。
そんな中、1番状況判断に長けている真崎 良(まさき りょう)が、自分の両腕に縋る双子ににっこりと笑いかけてから、残りの手下(笑)?4人に目配せしてから言う。
「えーと、ここは何処なんでしょうか?」
ありきたりで、いかにも純朴な好青年を装って言う真崎 良(まさき りょう)に、今の今まで召喚の成功だなんだと喜んでいた魔術師達の1人が1歩前に出て言う。
「これは失礼した
私は、王宮魔術師長のウリン・ベクトルと申します
我が国は、ある事情から精霊達がほとんど消えてしまい
瘴気と魔物の脅威に晒されています
そして、予知姫の言葉により、魔王が誕生するコトを知りました
魔王が誕生しますと、今以上に瘴気は増え、魔物も増えるのです
精霊の恩恵を受けられないが故、大地はやせ細り
民達は苦しんでおります
それで、我々は王命により
聖女様と勇者様の召喚を試みました
我々の召喚で現われた貴方達様こそ
勇者様と聖女様に違いありません
いまだ、戸惑いもありましょうが、よろしければ
こちらにある水晶に手を翳していただけないでしょうか?
どなたが勇者様で、聖女様かを知りたいのです
我々も切羽詰まっておりまして、召喚に縋ったのです」
と、魔術師のひとりが水晶を大事そうに持って現われたソコに、バンッと扉を開いて仰々しい煌びやかな集団が入って来た。
おいおい、瘴気と魔物で国民が困っているんだろう?
なんだ、その贅を尽くした姿は………
言っているコトと姿、全然あってねぇーぞ
つーか、精霊達が消えたのって、神子姫の俺を殺したからだろ
はぁ~……まさか、アスガルド世界に召喚されるなんてなぁー………
この様子だと、かなぁ~り腐敗しているな、この国は
さっさとステータスを偽装して良かったぜ
仰々しく水晶なんてモン出して来たけどさぁ………
実際には後ろのヤツが、召喚した俺達全員の《鑑定》をしていたもんな
そして、俺を視た時、あからさまに見下した視線してたもんな
マジで気付いて、即ステータスの偽装して良かったぜ
ちなみに、前世で出会った最下層市民のステータス並に偽装したも~ん
俺が、神子姫だったコトは、あの表情からバレてないしな
あとは、どうやってココからトンズラするかだよな
今の俺は、この王国を愛した神子姫じゃないからな
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
私の愛した召喚獣
Azanasi
ファンタジー
アルメニア王国の貴族は召喚獣を従者として使うのがしきたりだった。
15歳になると召喚に必要な召喚球をもらい、召喚獣を召喚するアメリアの召喚した召喚獣はフェンリルだった。
実はそのフェンリルは現代社会で勤務中に死亡した久志と言う人間だった、久志は女神の指令を受けてアメリアの召喚獣へとさせられたのだった。
腐敗した世界を正しき方向に導けるのかはたまた破滅目と導くのか世界のカウントダウンは静かに始まるのだった。
※途中で方針転換してしまいタイトルと内容がちょっと合わなく成りつつありますがここまで来てタイトルを変えるのも何ですので、?と思われるかも知れませんがご了承下さい。
注)4章以前の文書に誤字&脱字が多数散見している模様です、現在、修正中ですので今暫くご容赦下さい。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~
ブラックベリィ
ファンタジー
ここでは無いどこかの世界の夢を見る。起きているのか?眠っているのか?………気が付いたら、見知らぬ森の中。何かに導かれた先には、大きな卵が………。そこから孵化した子供と、異世界を旅します。卵から孵った子は絶滅危惧種のようです。
タイトルを変更したモノです。加筆修正してサクサクと、公開していたところまで行きたいと思います。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
新人神様のまったり天界生活
源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。
「異世界で勇者をやってほしい」
「お断りします」
「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」
「・・・え?」
神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!?
新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる!
ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。
果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。
一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。
まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!
【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~
udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。
それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。
唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。
無断朗読・無断使用・無断転載禁止。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる