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122★敵キャラ登場?1 そして、直ぐに回想

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 天の門を開き戦乙女ヴァルキューレ達が現れた為に、和也に向かっていたアンデットドラゴン達は、空中で戸惑うように、同じ場所をグルグル飛び回る。

 それは、彼らに命令している魔族?のネクロマンサーが、ヴァルキューレ達が現れたコトに戸惑っている証しでもあった。

 なぜ?ここにヴァルキューレ達が現れるのだ?

 ヴァルキューレの出現に、どういう事態か混乱して、思わずここまでを回想してしまう。

 我が君に命じられて、偽者のラ・アルカディアンの
 時を越えた皇子を作り出す為に、翼竜を欲しがった

 邪神を奉じる者達と《契約》した
 あの時、闇と深遠の眠りを支配する

 妖魔の君アル・ディーン様の無聊を慰める為に
 我(バルド)と気に入りの

 側近(デュラン、アズル、フィラ、ラディス)が居た
 我が君の溜め息と共に吐き出された言葉に我等は‥‥‥‥

 『バルドよ‥私は‥退屈だ‥‥』

 我が君の憂いた顔も美しいと思いながら、私はこたえた。

 『では‥人間の都市を1つ‥‥‥』

 だが、私の答えの途中で我が君は、つまらないという表情で言う。

 『いや‥抵抗出来ぬ人間に‥私は飽いた‥‥』

 我等妖魔や魔族などと同等以上の戦いを紡いでくれたのは、彼の国の皇族のみと、懐かしいときを思い出して、再度、我は我が君に話し掛ける。

 『我等に、抵抗出来る人間‥ラ・アルカディアンの
 皇族は‥彼の流行病で‥全て滅びてしまいましたが‥』

 我の言葉を否定するかのように、アズルが生温い微笑みを浮かべて言う。

 『ラ・アルカディアンの皇族の血を絶やすことを
 嫌った神々や精霊達によって、一部は他国に逃れ
 それぞれが王国を作りましたが‥‥‥‥』

 アズルの言葉を途中で切ってフィラが、むすっとした顔で続ける。

 『帝国から、逃げたのは皇族としての《力》を
 ほとんど持たない、クズだったと思うが』

 皇帝や皇子と戦い、その高揚感と臨場感を楽しんだ経験が多いラディスが、苦虫を噛み潰し吐き捨てる。

 『今のあやつらに、当時の《力》の面影すら
 御座いませぬ‥‥‥あれらでは‥‥‥‥
 我が君の前に立つ事しか出来ませぬ‥‥』

 誰もがその言葉に沈黙してしまった。

 『‥‥‥‥』

 そんな暗いやるせない雰囲気を叩き壊すように、デュランが笑って言う。

 『そのように、否定するほどでは無いぞ』

 デュランの自信たっぷりな言い方に、私はつい乗ってしまう。

 『デュラン、何か掴んでいるのか?』

 そんな私に、デュランは、人の悪い笑顔で、得意そうに話しだした。
 こんな時のヤツは、わざと回り道をして説明するクセがあるので、我は苦笑をしてしまう。

 『バルド、東側のリ・ローグ・ロリアンの
 狂皇帝として、強制的に退位させられた

 バルドゥール・ラドクリフ・リ・ローグ・ロリアンが
 き返しを謀るために色々と計画している処を見たのだ』
 
 バルドゥール?‥我の名に近い音と赤い髪を持つ皇子だったので‥我は‥密かに‥彼を皇太子になれるようにと手を貸していた。

 そして、皇帝になった日に、手を貸すことを止めた。
 今は、そのコトを後悔している。

 何時の間に、狂った皇帝として、退位させられた?
 いったい何をしでかした?

 俺に近い音を持ちながら、精錬潔白で質実剛健な
 お前は、あの国の皇帝にふさわしいかったはず?
 後で調べよう

 そんなグルグルとした思考に、あえて、蓋をして、我は、デュランに尋ねた。
 
 『どのようなモノなんだ?』

 案の定、我の質問を無視し、我が君の御前だというのに、のほほんとした雰囲気で、だらだらした説明を続ける。

 『翼竜に乗った少年を、ラ・アルカディアンの
 皇帝として擁立し、その後見に自分達が立ち
 彼の帝国を打ち立てるとな』

 テデュランの説明に、我が君は珍しく微笑んだ。
 
 『ほぉ~面白い』

 久しぶりの微笑みに、デュランが誇らしげに問い掛ける。

 『我が君、では、彼らから《契約》を
 求められたなら‥‥‥‥』

 我が君は、これから起きるだろう人間達の愚かな争いを想い、黒い微笑みを浮かべ我等に命ずる。

 『せいぜい、協力してやれ‥久しく‥争いの無い‥
 つまらぬ状況が‥変化するようにな』

 その微笑に魅せられた我等は、いっせいに頭を下げこたえる。

 『『『『『はっ‥仰せのままに‥‥‥』』』』』

 何時以来なのか?と思う程、上機嫌になった我が君が笑いながら言う。

 『くっくく‥‥これで‥十数年は‥退屈が収まる‥』

 今回、我が君に、面白い情報を報告したデュランは、我が君に提案の許可を求める。

 『では、我が君、他の者に気が付かれぬように
 リ・リーグ・ロリアンの離宮に《結界》を
 張っても宜しいでしょうか?』

 デュランの提案の提案に、機嫌の良い我が君は、くすくす笑いながら言う。
 
 『くすくす‥‥私が‥他の者達に目くらましの
 《鏡の結界》を掛けてやろう‥』

 我が君の言葉に、我は飛びつき自分で選んだ役割を口にする。

 フィラ、アズル、ラディス達は、我を睨んだがそんなことにかまっていられない
 こういう楽しい任務は口にしたモン勝ちなのだ
 だから、我は、やりたいことを口にする

『では、我等は、バルドゥール本人との側近の
 周辺に部下を配置致します』

 そんな我に対抗するように、アズルが言う。






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