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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
194★白夜は元居た場所へと帰還する
しおりを挟む鮮血に濡れた自分の2本の指を見て、そう呟いた白夜は、ペロリッと指先に付着した鮮血を舐めてから、ひょいっと軽く和輝を裏返し、その腰を抱き上げて、脚を開いた状態での立てヒザにさせ、その双丘を割り開いて、自分が傷付けた場所を癒す為に、舐めあげる。
それ相応の慣らしも無く、唾液だけで潤滑油も使われずに、強引に指で割り開いた為に、和輝の蕾みは花弁が乱れている上、華芯から鮮血という名の蜜を零れおとしていた。
「ふっ…泣かせてしまったか
このように、魅惑的な涙が
甘い香りを放って花弁から
零れていると………
堪らぬものがあるな
時間の制約がなければ
このまま抱いてしまったものを
だが、今はそういう時では無い
私が、このようなコトを
したという痕跡は
消さねばなるまい」
そう言って、白夜は割り開いた和輝の双丘に顔を寄せ、舌と唇で蕾みに零れた鮮血の蜜を舐め取り、まるで蝶か蜂のように、その自分達にとっては、極上の真紅の蜜が溢れているだろう華芯へと舌を滑り込ませた。
その舌は、人間のモノと良く似ていたが、長く伸びるのだ。
爪先で傷付け、鮮血が零れ落ちる傷口を探り当てた舌先は、その部分を慰撫するように撫でる。
ほどなく、舌先に鮮血が溢れる感触がなくなったのを確認し、白夜はついっと舌をもとの状態に戻し、蕾みにこびりついた鮮血も綺麗に舐め取る。
最後のひと雫にいたるまで、丁寧に舐め取り、白夜は自分の爪先で傷付けてしまったソコを癒した。
ほんの数分の間に、和輝の蕾みの治癒を済ませた白夜は、再びひょいっとその身体を表返し、楽な姿勢になるようにしてやる。
「こんなものかな?
私のミスで痛みを
与えてしまった
覚えていないだろうが
無意識下に記憶されて
いるコトもあるからな
少しだけ言動に気を
つけてくれ、桜」
陶然としていた桜は、白夜の言葉にハッとして頷く。
「もう…行ってしまうの
ですか……兄ぃ様……」
寂しそうに言う桜に、白夜は微笑む。
「すぐだよ、桜
来週には帰国するから
もう…ほんの少しだけ
待っていておくれ……」
そう言って桜の頭を優しく撫でてから、和輝の首筋に付けてしまった吸血痕を指先で軽く撫で、唇と舌で癒して、その痕跡を綺麗に消し去る。
この程度のコトは、生粋の真族である白夜には、ぞうさも無いコトであった。
また、吸血鬼達と違って、真族の者に吸血されても、仲間にする為の正式な《儀式》を執り行わなければ、吸われた者が変異するコトは無いのだ。
和輝の首筋に付けた吸血痕が消えたのを確認して、白夜は桜の寝室から静かに出て行った。
その後姿を黙って見送った桜は、下半身を裸にされた和輝を見て首を傾げる。
あっ…あぅぅ~
白夜兄ぃ様の馬鹿ぁ~
どうせだったら
和輝の上着も脱がせて
行ってくれれば
良かったのにぃ~…くっすん
そしたら、すぐに和輝の
素肌に張り付いて
気持ち良く眠れたのにぃ
桜は、まだ人間の範疇で
そういう力も無いから
和輝の着ているモノを
脱がせるのは
結構大変なのにぃ~……
昨夜の和輝の素肌に張り付いて眠った時の心地良さを思い出して、桜は自分を奮い立たせ、少々面倒と思いながらも、パジャマの上着を脱がせにかかる。
そして、軽く汗をかいてしまったが、和輝のパジャマとタンクトップを脱がせた桜は、嬉しそうにその素肌にペタッと張り付き、そのまま気持ちの良い眠りに入った。
なんと言ってもエナジーが満ち足りた状態で、和輝から溢れる高純度の《生気》に包まれた桜は、ここしばらくずっと味わっていた飢餓感に苦しむコトも無く、久しぶりに朝まで夢見心地で眠るコトが出来たのだった。
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