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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
187★真族への変態には膨大な《気》が必要
しおりを挟む白夜は、和輝の濃厚な《生気》に溢れた血潮がもたらした、心地よい酩酊感に浸りながら、自分という者が受け継いだ血筋の意味を、本当の意味で悟る。
私の真族の長という地位は
紛れも無く純血種たる
父母の血を引いたがゆえ
そうでなければ
父上の長子である
蒼夜(そうや)兄上が
一族の長を務めていたはず
まさか、私の与えた私の真血が
ここまで桜に順応し………
いや……逆だな………
私の真血に桜が順応して
変化しているのだから………
確かに、桜本体の生命力は
普通の人間に比べると
かなり弱かったが………
かえって、それが真の真族への
変態を呼んだのかも知れないな
人間から変態し、真族への移行
結論として、人間本来としての
生命力が弱かったゆえに
かえって完全な真族に変化できる
素質が、桜にはあったのだな
それゆえに、一族の者達に
まがい者と呼ばれる者達が
必要とする程度の量の
《生気》を与えただけでは
変異変態し、真族へと変移に
至るには全然足りなかった
というコトかな?
これは、真族を増やす上で
好ましい事実だ
問題は、その適合率に応じた
膨大な量の《生気》が
必要というコトかな
そんなコトを白夜が考えている間に、桜は和輝の新鮮な《生気》に満ち溢れた精液をすべて吸収し、もっと欲しいと名残惜しそうに和輝の萎えた男根をしゃぶっていた。
そんな桜に、白夜は苦笑する。
ふむ…精液での《生気》も
良いのだが………
もうそろそろ…
血潮が有する《生気》を
味わっても良い頃だろう
これだけの変異し変態から
変移に進んでいるのが
その証拠だろう
どれ、少し手伝ってやろう
完全に安定と行かないまでも
《生気》不足で起こる
異形のバケモノにならない
ところまで、推し進めよう
「桜、少し《生気》が足り
無そうだから………
この子の血潮を啜って
おきなさい
どうやら、真族の者に
完全に変化するには
私と紅夜が集めた《気》
だけでは足りないようだ
私が桜を一族に加える時に
私の血を与えたセイだろう
純度の高い真族の者から
完全に変化するのに必要な
より凝縮された真血を
与えられた者は
その与えた者に準じる
真族となるようだ
それゆえに変態の最中は
《生命力》に満ち溢れた血液と
純粋な《気》と次代を生み出す
生命の源である《精》が
必要なのだろう
まだ、お前は人間の血潮を
啜る為に必要な
双牙が鋭くのびるまでの
変態には至ってないようだが……
この子の血液は、変態に必要な
栄養素としては、理想的だ
私の管牙が穿った
首筋の傷跡に口付けて
この子の血液を啜りなさい
大丈夫だよ、桜
この子は目覚めた時に
何も覚えて無いから………」
桜は、その飢餓感から、白夜の命令に従って、首筋に穿たれた2つの穴に少し牙を覗かせた唇を寄せる。
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