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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

176★今夜も添い寝を要求されています

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 デザートを食べ終わった桜は、和輝にベッタリと張り付く。
 そして、今日の授業の復習と明日の予習に勤しむ和輝の背中に移動して、マタタビに擦り寄る猫のように背中に張り付いてスリスリしながらおねだりする。

 「ねぇ……和輝ぃ………
  桜は…とてもとても寂しいの
  だから、一緒に寝よう」

 聞きようによっては、かなり誤解をうみそうなセリフと行動を無自覚でする桜に、和輝は内心で苦虫を噛み潰す。

 だぁぁぁ~…あぅ~…コレじゃ…
 勉強に身がはいんねぇーぞ

 はぁ~妥協するしかないかぁ?
 
 流石に、今朝みたいなコトに
 なるのは避けたいんだが………

 紅夜は、桜がやったってコトだ
 って言ってたけどぉ………
 どうしたもんかなぁ?

 スッポンポン状態で桜にベッタリと全身で縋られ、紅夜にベロチューを食らって、目覚めるという、悪夢を思い出した和輝は、ふかぁ~い溜め息を吐く。

 流石に、今朝の二の舞は
 踏みたくないよなぁ………

 紅夜の手前、平静を装ったけど
 あの状態は衝撃だったからなぁ

 あんまりごねさせるとなぁ……
 明日の朝も、今朝と同じ状態に
 なりかねないし………はぁ~

 「あのなぁ~桜
  俺は、学生なんだ…それも
  まだ高校生になったばかりの

  頼むから予習復習の邪魔を
  しないでくれ

  これが終わったら
  添い寝してやるから
  おとなしくしててくれ

  あっ…そうだ……
  さっき3色プリン作ったから
  こっちの勉強が終わるまで
  それでも食べてろよ」

 頼むから、勉強の邪魔をしないでくれと、和輝は桜に言う。
 和輝から『添い寝してやる』という、望む言葉を引き出した桜は、首を傾げる。

 「3色プリン?」

 桜の疑問符付きの言葉に、和輝は答える。

 「抹茶・ミルク・チョコレートの
  3種類と、普通のプリンで

  実際には4種類あるからな
  どれでも、好きなだけ
  食べて良いぞ」

 和輝は勉強の邪魔をされたコトに対してのちょっとした意趣返しも込めて、ニヤッと笑ってプリンの説明をしたあとに、更に言葉を付け加える。

 「マジで、桜の身体って
  肉も脂肪もあまりのってなくて
  かなぁ~りガリガリだからなぁ

  実際、ふくよかって言葉からは
  ほど遠い身体だもんな

  お前にベッタリ縋られると
  骨があちこち当たるから
  けっこう痛いし………

  もう少し、恋人の紅夜が
  喜べるような

  柔らかいふこっとした身体を
  目指して肉をつけないとなぁ」

 桜は和輝の言葉に、気にしていたコトを指摘されて脱力する。

 「ひどぉ~い…和輝ってば
  それは、桜のコンプレックス
  なのにぃ~………」
 
 「だったら、もう少し身体に
  肉がつくように食べろよ
  ちょっと食が細いみたいだし

  まぁ…昨日も今日もそれなりに
  食べていたようだけど」

 和輝の言葉に、桜は肩を竦めて言う。

 「本邸でのご飯は、専用の調理人が
  作ってくれるから確かに美味しいわ

  でも、なんでかわからないけど
  そんなに、量が食べられないのよ

  でも、和輝が作ってくれるのは
  桃姉ぇ様が作ってくれたのと
  同じ優しい味で食がすすむのよ

  和輝が作ってくれるなら
  桜もきちんとご飯を食べられるわ

  だから、これからも作ってね
  和輝のご飯は美味しいから好き」









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