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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
131★和輝のバイト先は『幽霊屋敷』
しおりを挟む和輝の言葉に、竜姫は不可解そうな表情で言う。
「あそこってさぁー
本当に人が住んでいるの?
私は、てっきり廃屋だと
思っていたわ」
竜姫の発言に頷きながら、竜也も興味深そうに言う。
「ほぉー…あの大きな
『幽霊屋敷』かい…
随分とすたれた雰囲気が
漂っている洋館だよね
人が住んでいるようには
見えなかったけど………」
「ああ、俺もそう思っていた」
その竜也の言葉に答える和輝の言葉にかぶせるように、乙姫が小首を傾げる。
「ねぇー…どんなお家なの?」
乙姫が興味深そうに聞くと、輝虎も気になるらしく、コクコクと頷く。
「和輝……俺も、興味ある
どんな…ところなんだ?」
「どんなって………
敷地内は、見掛りよも
綺麗に手入れされてたぜ
ただ、俺が契約した
バイトに関係ないから
洋館本体の中身は覗いて
ないけどな
頑健な感じの爺やさんが居て
本邸を取り仕切っている
ようだったぜ」
なんと表現してイイか悩み、少し言いよどむ和輝に対して、水鳥も興味深そうに言う。
「和輝、あの『幽霊屋敷』
って呼ばれている
屋敷周辺ではね
奇怪なコトが起こるって
噂があるんだけど
知っている?
ね…啓太…そういう噂
キミ…聞いたコトない?」
既に、その存在にビビっている啓太は、及び腰で頷く。
「ああ、怪しい噂なら
俺も色々と聞いたコトあるぜ
あんなところにバイト行って
大丈夫なのかよ?
和輝…危なくねぇー?」
和輝は、啓太の様子に首を傾げる。
う~ん…どんな家って
ちょっとどころじゃなく
変わっている住人が
住んでいる家だよ
けど、流石に言えねぇ~よな
平気で男にベロチューかます
やつらばっかなんてさ
ついでに、ハリウ○ド俳優で
非常識の塊な紅夜とかの実家
なんて口が裂けても言えんわ
でも、怪しい噂ねぇ~…
それって、どんな噂だ?
あとで、きちんと聞いておこう
「まぁー…結構、見た限りは
普通の屋敷だったぜ……
ただ、入れ物が大きいだけ
って感じかなぁ?
きちんと人が住んでるから
全然廃れた感じは無いし
ただ、今は仕事関係で
俺の雇い主とかも
屋敷から出払っているんで
ちょっと人気は少ないから
雰囲気的に寂しい感じかな?
まっ…だから、俺が雇われ
たんだけどな……っと
マジで、時間が無くなっち
まわないうちに、ちょっくら
様子見る為にバイト先に
行って来るわ
午後の授業が始まる前に
きちんと帰って来るから
心配すんなよ、竜也
ああ、あとであの屋敷に
関係する怪しい噂話しって
モンを聞かせてくれよ
水鳥、啓太…んじゃな」
和輝は、心配する竜也にそう言い置き、水鳥と啓太を振り返って、あとで詳しく『幽霊屋敷』にまつわる、怪奇話しを聞かせろと言ってから、空になったタッパーを入れたバスケットを手に、軽く手を上げて駐車場に向かう。
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