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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
084★桜は自分に魅力が無いのかと悩む
しおりを挟む「なぁ~…和輝ぃ~……
桜は《気》が欲しいぃ」
椅子に降ろされた桜は、何処か淫靡さのある声音で、和輝に新鮮な《気》を求める。
が、しかし、そういうコトにとことん鈍感な和輝は、全然気付かずに生返事をする。
「はいはい《気》ね
ちょっと待っていろ」
そう言いながら、和輝は《光珠》を丹田に作り上げ、桜に軽く口付けて《気》の塊を吹き入れ、直ぐに身体を離す。
和輝に縋り付いて、もっと《気》をもらう気でいた桜は、思いっきりスカを食らう。
うぅ~……和輝は桜の誘いを
無視したぁ~……やっぱり
桜を女として見ていない
そんなに、女としての魅力が
桜には無いのか?
それとも、桜に反応しない
和輝の嗜好って………
同性に向いているのか?
なんか、すごく悔しいぞ
これで紅夜や白夜兄ぃ様に
反応したら………
やめよう、不毛だわ
などと思っている桜を他所に、和輝は桜に背を向けて浴室に入り、浴槽の中に少し高めの温水を入れていた。
温水のセットを済ませた和輝は、、桜を座らせた脱衣所の椅子のところへと戻る。
「お湯はセットしたから
あとは、自分で出来るな
お前のコトを知らせに来た
〈レイ〉と〈サラ〉に
約束のご褒美を上げなきゃ
なんねぇーからな
ゆっくりと、身体の芯まで
温まれよ
あたたかいスープでも
用意しておくからよ」
そう言って、和輝は桜の反応を待たずに、ぽんぽんと頭を軽く叩いて、脱衣所に桜を置き去りにして、2頭の待つリビングへと戻って行く。
一方、リビングでは、和輝からのご褒美を待つ2頭が、嬉しそうにリビングに戻って来るのを待っていた。
「ヨシヨシ…良い子だな
〈レイ〉〈サラ〉
今、ミルクを温めてやるな」
おとなしくソファーで待機していた2頭の頭を軽く撫でてやってから、和輝はキッチンで夕刻に作り置きした野菜ベースのスープを温める。
勿論、2頭におすそ分けするのを前提に作ってあるので、危険なタマネギなどは抜いてあるのだ。
その隣りでミルクを軽く温め、少しだけ野菜ベースのスープを加えてやる。
一応、緑黄色野菜たっぷりの
スープは用意するけど………
さぁ~て、スポーツ飲料なんて
モンが、このペットハウスに
あるのかなぁ?
それが、今の桜には1番
良いんだけどなぁ………
スープとミルクを温める間に、和輝はキッチン内を改めて探してみたが、やはりそういうモンは存在していなかった。
はぁ~…やっぱり…無かったか…
明日にでも、仕入れておこう
何時必要になるかわからないし
あれは、あると便利だからな
無いと判断した和輝は、さっさと思考を切り替え、温めたスープとミルクを確認する。
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